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週末のベルリン滞在で感じた、ドイツで生活するということ

2018年5月

急遽、週末にハンブルクからベルリンに行くことに。

ICEで2時間弱。当初は日帰りを予定していましたが、結局一泊することに。

 

数日前に決まったベルリン行きは、昔住んでいたハイデルベルク時代の友人数名と久しぶりに会うため。

実際にベルリンで何をしてきたかは、後ほど別記する予定ですが、ここでは彼らとの再会を通じて、今回のベルリン滞在で感じたことを書こうと思います。

これからヨーロッパに住みたい人にはちょっと役立つかもしれません。

 

10年間のハイデルベルク時代

2010年に仕事でこのハンブルクに来るまで住んでいた、南ドイツのハイデルベルク。

2000年にドイツ語をゼロから始め、ハイデルベルク大学に入学、修士課程を卒業後、助手をしながら更に1年くらい。計10年。

 

学生時代はもちろん勉強は大変でしたが、時間は比較的自由に調整できたので、色々な人と知り合うことができました。

大変とはいっても、どんなに忙しい時も、その期間が何年も続くわけではありません。

ドイツ人は、試験前の切羽詰まった時も、仕事がどんなに忙しい時も、自由時間を上手に見つけます。

気分転換にカフェに行ったり、たまには映画やコンサート鑑賞。

週末はミニパーティを開いたり、短いながらも旅行に行ったり。

 

いわゆる受験前の子供も家のお手伝いはきちんとしたり、全体的にあまり切羽詰まった雰囲気はなく、心に余裕がある感じ。

集中する時とリラックスのメリハリがうまいのかな。

 

これは私がドイツに来て学んだことの一つ。

長い間同じことに根を詰めていると能率も落ちる。

ちょっと息抜きした方が、その後集中できる、という考え。

 

急に自分の行動を変えようと思っても最初は難しいけれど、だんだん馴染んでいく。

 

だって、そういう生活した方が毎日が楽しいから。

そして、そういう風に過ごした方が、いざという時に、より問題解決できる気がする。

 

知り合いになったたくさんの人たち

 

ハイデルベルクにいる間に、色々な人と知り合う機会がありました。

オペラ歌手・チェリスト・大学や医療関係の研究者などなど様々な職業の人、

かと思えば”滞在数十年、来るときは船できました”という人や、

資産家で、夏は毎年スペインの別荘で避暑とか、自家クルーズ船でイタリアで過ごす人とか。

 

頑張り屋さんもたくさん。

サッカー留学や音楽留学している人、

学生仲間や、博士論文書いた人、”国連で勤めたい”という夢を叶えた人、ワインの勉強してそれを職業にした人等々・・・

 

SNSの恩恵があるとはいえ、今は日本に戻っていたり、ドイツの他の地域にいる人も多いから、ひょっとしたらもう会えない人もいるかもしれない。

でも、私自身は変わってないにも関わらず、もし日本にいたら知り合いにならなかったであろう人たちとたくさん会えて、濃い時間を過ごせたのは事実。

 

みなさん、もしかしたら凄い人たちなのかな?と思うこともあります。

けれど、会った時に本人達が自分の職業や経歴を言うわけでもないし、話しているうちにそんなこと忘れてしまいます。

 

職業無関係で気さくな人が多い

 

思うに、ヨーロッパの人たちは、どんな職業の人でも、それを特別だとは思っておらず、気さくに行動する人が多い気がします。

その職業が好きだからたまたまやっているだけ、という感じ。

 

例えば、ドイツに来てすぐのこと、たまたまチェリストの人と知り合いになり、”教会でミニコンサートをするから聞きにおいで”と誘ってくれました。

コンサートを聞きにいって、その後一緒に食事に行く約束をしていたのですが、その人、演奏が終わったら、そのままチェロを担いで舞台から降りてきて、こっちに来て、


さあ、食事に行こう!

 

って・・・。


え?

そんな簡単でいいの???

 

とびっくりしたのを覚えています。

演奏の余韻に浸る暇もなかったw。

 

テニスの試合などを見に行っても、選手のみなさん、普通に練習コートと選手入り口の間を一人でふらふら。

建物の前で、一緒に写真撮ったり、サインもらったりし放題。

ファンの選手に話しかけに行って、コートに行く道すがらずーっと会話できたり。

選手も気負うことなく、本当に普通。

(流石にランキング1位とかの超一流有名選手の場合、ファンの人垣で競争率は激しいですが、それでも不可能ではない)

 

なんか、自分はプロだからとか、偉そうな感じがしないんですね。

たまたま自分はテニスが好きだから職業にしてるけど、だからといって偉いわけではなく、人間としてはみんな平等、

私の話も普通に聞いてくれます。

 

そういえば、メルケル首相がハイデルベルクに来た時も、すぐ目の前を大した警護もなしに車から降りてきた事もあったなあ。

日本の物々しいイメージがあった私は、違いにびっくり。

 

 

でも、同じような経験を重ねるうちに、だんだん、”そうだよな”と思えてきます。

 


どんな職業の人だって、日常生活では買い物にも行けば、友達と食事もする普通の人達。

何も特別なことはないんだよなー。

 

 

もちろん、テニスがうまいのは恰好いいし凄いと思う。オペラだって素晴らしい。

研究の成果も、ワインの知識もその努力は尊敬に値する。

だけど、だからといって、その人の一挙手一投足が特別なわけじゃないし、普段の生活は他の人と何の変わりもない。

 

テニスコートの隣でプレイしている人が億万長者でも、鍵屋さんで隣にいるお客さんが有名な司会者でも誰も騒がないし、本人も普通にしてる。

 

こういうのを見ていると、たまに、海外に住んでいて、仕事の時だけ日本に戻る有名人の気持ちがわからないでもない。

日本では外を気軽に歩くのも大変なんだろうなー、と思うから。

 

ベルリンで久々に再開した人たち

ベルリンで久々にハイデルベルク時代の人たちと再会して、そんなことを思い出した。

 

というのは、再会した3組の方たちが、全員自由で生き生きしてたから。

 

(ハンブルクでは、自分が社会人になったことで、自由時間は週末だけ。

そのためか、同じ企業人と知り合う機会が多く、”これぞ戦後の高度成長日本を作り上げた

企業戦士”、という方たちと知り合う機会が多かったのです。)

 

ベルリンで再会した人たち。。。

一組は、現在もハイデルベルク在住で、かつてお世話になった方とそのご家族。

一組はいったん日本に帰って、この度ドイツに戻ってきた同世代の方。

もう一組はこれまたいったん拠点を日本に移して、最近ドイツに戻ってきたかつてベビーシッターをしていた子。

みんな、世代も住んでいた場所もばらばらだけど、全員知り合い。

それぞれ7-10年ぶりくらいに会う人たちばかり。

 

それほど特別な話をしたわけではないけれど、環境は変われど、大人はみんな元気で変わってない。パワフルで生き生きしてる。久々感が全然ない。

 

それに比べて、子供は・・・大人になってた!

 

いやー、当たり前と言えば当たり前だけど、7年という歳月で子供は大人になるんだなー、と実感。

 

背丈とかじゃなくて、中身の話ね。

 

当然だけど、ベビーシッターしてた頃の話の内容は限られていた。


御飯食べる?

シャワー浴びる時間だよ。

もうそろそろ寝る時間だよ。

 

補習校の先生をやっていた時だって、


宿題ちゃんとやってきた?

これから漢字テストをします。

 

等々、どちらにしても、こちらからの一方通行が主。

 

それが今や社会人、普通の会話ができる立派な大人になっている。

もちろん顔や背とかはそんなに変わってないけど、会話の内容が当時とは全く違う。

 

 

ここ数年で、同じような経験をしたことが何度かあった。

そのたびに、どういう個性や考え方を持った子だったのか、何の話をどの程度すればいいのか、ちょっと考えたりもする。

 

だけど、みんなすごく立派に成長しているから、


私もぼやぼやしてられないなー

という気分になる。

 

そういうわけで、とっても刺激になったベルリン訪問でした。

 

 

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