2019年6月
パリのローランギャロスで開催された、フレンチオープンテニスの決勝戦に行ってきました。
フレンチオープンは全豪、ウインブルドン、全米と並ぶテニスの4大大会の一つです。
前回は「私も行ってみたい!」という方のために、会場への行き方、そして死闘を繰り広げた準決勝のジョコビッチとティエムの試合の様子をお伝えしました。
今日はいよいよ男子決勝です。
まずは11時より女子ダブルス決勝
本日の試合は11時から。
初めは女子ダブルス決勝です。
昨日は張り切って開場前から並びましたが、今日はゆっくり試合に女子決勝に間に合うくらいに会場に向かいます。
試合観戦も連日続くとなかなかハードなのです。
本日のデイリー新聞の見出しは当然、昨日死闘を繰り広げたジョコビッチとティエム。
女子ダブルス決勝開始直前なので、取り急ぎセンターコートへ。
ダブルス決勝は、中国チームとハンガリー/フランスチームです。
コートに着いたらちょうど試合の1ポイント目が始まったところでした。
予測ばっちりです(^^)
やはり地元フランス【K.MLADENOVIC】選手がいるハンガリー/フランスチームの声援が多いです。
試合も観客の期待通り(?)ハンガリー/フランスチームが終始優勢に進めます。
1セット目を取り、2セット目も優勢な試合運び。
中国チームも粘ってはいますが、リードまではいきません。
いよいよ、ハンガリー/フランスチームマッチポイント。
そして優勝です!
敗れはしましたが、中国チームもお互いの健闘をたたえあっています。
優勝の後はすぐに準備が整えられて、表彰式になります。
セレモニーでは皆がスピーチをして、今の気持ちを伝えます。
テニスではスピーチで、対戦相手・パートナー・自分のチーム・大会関係者・観客すべての関係者に感謝の気持ちを伝えるのが特徴的です。
2週間闘い抜いての優勝に準優勝です。
ハンガリー/フランスチームも中国チームもおめでとうございます!
次は男子シングルス決勝戦です。
しかし、その前に清掃ということで、私たち観客はいったん全員がセンターコートの外に出されます。
この隙にグッズを見たり、他のコートの様子を見たり、トイレに行ったり、食料を調達したり、観客もなかなか忙しいのです(^.^)。。。
休憩の間にしていること
私がこの休憩時間を使って何をしたかというと、まず混んでいないセンターコートの売店でサンドイッチと水を調達。
これでお腹を満たし、その後これまたセンターコートの観客が出て行った後で空いているトイレへ。
タイミングの悪い時に(つまり他の人が行きたいと思っているタイミング)で売店やトイレに行ってしまうと長蛇の列。
うまくやらないと、試合を見損なってしまいます。
ですから先を見越して空いているタイミングを狙うのです。
その後は自由になったの、レジェンドの試合をやっているスザンヌランランに行ってみます。
スザンヌランランのモニターで、今やってるレジェンドの試合の様子を映していました。
なんか見たことある選手だなあ。
でも名前思い出せない・・・
とりあえず、せっかくなのでコートの中に入ってみます。
レジェンドなのに凄い人気。
ただ、試合は後半戦でせっかく観戦に行ったはいいけれど、少ししたら終わってしまいました。
でも一番盛り上がったところが見られたのでよかったかな。
私が見たことある選手は残念ながら負けてしまいました。
レジェンドも決勝後のセレモニーはあります。
大いに盛り上がりました。
そして、そろそろ時間です。
男子シングル決勝観戦のため、センターコートに戻ります。
いよいよ男子決勝【ナダル対ティエム】
それにしても混んでいます。
ここにいる観客でシングルス決勝を見ないで帰る人はいません。
一番のハイライト。
混んでいるのも当然ですね。。。
人だらけで、スザンヌランランからメインコートのフィリップシャトリエに行くのも時間がかかります。
コートに着くと、ちょうど準備が整ったところでした。
ナダルとティエムが入場してくるとすごい歓声です。
2人で試合前の挨拶。
2人のボールパーソンと一緒に記念撮影。
そして練習。
いよいよ試合開始です。
最初のサーブはナダルから。
序盤は静かに進行します。
8ゲーム目、ティエムのサーブです。
スコアはティエム-ナダル【3-4】。
ここまでは両者順調にキープです。
しかし・・・
ここに来てティエムがブレイクされてしまいます。
ティエム-ナダル【3-5】で次はナダルのサーブです。
セットの後半はブレイク一つで、試合の行方がガラッと変わってしまいます。
ナダル断然有利に。
そして、ナダルは自分のサービスゲームをしっかりキープ。
【6-3】で1セット目ナダルが先取!
観客が立ち上がって喜んでいます。
ティエム 3
ナダル 6
私としてはナダルに優勝してほしい気持ちはあるものの、良い試合が見たいので第4セットはついついティエムをひいき目にみてしまいます。
2セット目
1セット目はナダルが取りました。
王者ナダル、1セット先取で断然有利です。
ティエム陣営は1セット目のことは切り替え、気を取り直して2セット目に集中しないといけません。
2セット目はティエムのサーブからです。
そこからお互い4-3までは静かに進行します。
ここから先はだんだん緊張感が増してきます。
それから先もナダル、ティエムともにサービスキープで5-4になりました。
5-4までいくと、一つ一つのポイントに勝負の勝敗の重みが出てきます。
先取も観客もみんなそれはわかっています。
特にティエム側からすれば、ここを取らないともう勝利の可能性はゼロに近い、ということは明白、そしてそれは誰もがわかっています。
ここがティエム側にとって正念場です。
90秒の休憩の間も、観客はウエーブで盛り上がります。
これから先が2セット目の見どころ、つまり決勝の行く先を決める重大な場面にもなりえるのです。
そして次のゲームもナダルがサービスキープして、ゲームカウント5-5。
いよいよ大詰めです。
サービスはティエム。
ティエムキープで6-5。
互角の戦いとはいえ、万が一にもここでサーブを落としたらナダルは2セット目を取られてしまいます。
ナダルのサーブにも当然力が入ります。
逆にティエムはここを取ってしまえばタイブレークなしでセットを取れます。
ティエムリードで15-30。
あと2ポイントでティエムが2セット目を取るところまでいきます。
ティエム、ここは頑張りどころです。
そして、次のポイントもティエムが取り【15-40】!
ティエムがセットを取り返して1-1のタイに持ち込むまであと1ポイント!
ここは会場も大いに盛り上がります。
そしてここでティエムがポイントゲット!
ティエムが2セット目取った!!!
ティエムがナダルのサービスゲームをブレイク。
タイブレークまで行かずにティエムが2セット目をもぎ取りました!
会場のみんなも立ち上がって拍手喝采です。
これぞ4大大会決勝戦にふさわしい戦いです。
ナダルのプレーもいいのですが、ティエムにほとんどミスがないのです。
しかも守りのテニスではなくて攻めているのにミスがない!
このセットのティエムは完ぺきなプレーをしていました。
昨日2日にわたってジョコビッチと死闘を繰り広げたティエムは相当体力を消耗しているはずです。
正直断然ナダルが有利だと思っていたのですが、連戦を感じさせないティエムの動きは流石です。
それだけ全仏の決勝にかける思いが強いのかもしれません。
なんせクレーの王者ナダルと2年連続決勝で戦っているわけですから。
今まで全仏ではたった2回しか負けたことのないナダル。
決勝戦に至っては無敗の負けなし。
ここで勝ったらティエムは歴史を塗り替えることになります。
ティエム 3 7
ナダル 6 5
3セット目以降
セットカウント1-1で勝負は互角。
そう思った私は、この休憩の間に急いでトイレへ。
うまくいけば第3セットが始まる前に戻れるかと思いましたが、同じことを考えている人が多かったのか、混んでいて戻ってきたのは3セット目の3ゲームが終わった後。
戻ってきたらなんと、スコアが【0-3】でナダルリードになっていました。
しかも1ブレイクではなくて、2ブレイクで【0-3】です。
つまり次の第4ゲーム目はナダルがサーブ。
これをキープするとナダルが4-0になるのです。
そして・・・
ティエムの検討むなしくナダルキープでナダルの4-0です。
ここでティエムはこのセットを捨てたと思います。
体力的にも戦略的にもこういうセットはあきらめて次のセットに集中するのが得策。
結局第3セットはナダルが【6-1】で取りました。
ティエムはできるだけ体力温存です。
観客はナダルの強さに拍手喝采。
第3セットの統計が出ています。
セカンドサーブからのポイントの確率がなんとナダル100%、ティエム14%です。
ティエム 3 7 1
ナダル 6 5 6
- 第4セット
試合は第4セットに入ります。
と、4セット目は白熱したプレイを期待して見ていましたが、、、
ナダル強すぎ。
0-0でナダルのサーブからです。
ナダルあっさりキープで【1-0】です。
次はティエムのサーブ。
ナダルはエンドラインのかなり後ろから強烈なストローク。
そして、なんと2ゲーム目にして【15-40】でナダルのブレイクポイント。
ここで取られてしまっては、決勝の行方がほぼ決まってしまいます。
しかしティエムの検討むなしく、あっさりブレイクされてしまいます。
ナダルリード【2-0】でナダルのサーブです。
しかし、第3ゲームでティエムが頑張ります。
ナダルのサーブで【40-A】のブレイクポイントを握ります!
ティエム追いつくチャンス!
しかし、ここをきっちり取ってくるのがナダル。
簡単にはブレイクさせません。
粘るティエムを退けてキープします。
これで【3-0】ナダルリード。
休憩の間観客もそれほど盛り上がりません。
【勝負はあった】そんな感じでしょうか。
気を取り直して【0-3】からティエムのサーブです。
しかしここでもティエムピンチ!
なんと【0-40】でナダルにトリプルのブレイクポイントを握られてしまいます。
流石にこれで0-40になってしまっては一方的すぎます。
ティエム、ここは意地を見せろ!
昨日の死闘を思い出せ!
ここからティエムは頑張りました。
なんと3つのブレイクポイントをしのいでゲームをキープしました!
巻き返した!
これで【1-3】になりました!
頑張りましたが、今ティエムは自分のサーブをキープしただけです。
次のナダルのサービスゲームでは、ナダルあっさりキープ【4-1】ナダルリードです。
【1-4】でティエムのサーブです。
しかし、ティエムまたまたピンチです!
【40-A】でナダルにまたしてもブレイクポイントを握られてしまいます。
そして、ここをきっちり取るのがナダル。
なんと、このゲームをブレイクしてしまいます。
ナダルリード【5-1】。
しかも次はナダルのサーブです。
サービングフォアザマッチ。
このサービスゲームをキープするとナダルの優勝が決まります。
ゲームカウント【5-1】でナダルサーブ。
【30-0】【40-15】と着々とポイントを重ねます。
そしてついに【40-30】のマッチポイント。
そして・・・
このポイントをもぎとり、
ナダル優勝!!!
勝利の瞬間クレーのコートに転がるナダル。
そして、お互いの健闘をたたえあいます。
観客もスタンディングオペレーション!
喜びを表すナダル。
やはり全仏決勝負けなしのナダルは強かったです。
前人未踏の12回目の全仏優勝おめでとうございます!
- デジャブ?
ここで私は何かデジャブを感じました。
何かと思ったら、2016年に観戦したジョコビッチとマレーの全仏決勝戦です。
あの時負け知らずだったジョコビッチ、そして初の全仏のタイトルを狙う気迫。
マレーも序盤のセットは頑張って1セット取ったのですが、対等だったのはそこまで。
その後はジョコビッチに終始押され、結局圧倒的強さでジョコビッチが全仏初優勝したのです。
(あの当時マレーが集めた準優勝の皿の数は一体いくつになるのでしょう。
10個の準優勝皿と取り換えても一つの優勝カップが欲しかったに違いありません。)
優勝セレモニー
ティエム 3 7 1 1 【1セット】
ナダル 6 5 6 6 【3セット】
優勝セレモニーが行われます。
まずは準優勝のティエムにプレートが渡されます。
そして優勝のトロフィーを掲げるナダル。
スピーチも国歌斉唱も喜びの中にも余裕が感じられます。
なんといっても12回目ですから。
イベント終了
優勝セレモニーも終わり、みんな会場を後にします。
私もセンターコートから出ます。
センターコートの外も人でいっぱい。
祭りは終わりです。
私も会場から出て帰途に着きます。
ローランギャロスさようなら。
楽しませてくれてどうもありがとう。
今日の戦利品?
あれ?戦利品昨日より増えてる?
いつの間にかゲットしていました。
今年はなんだかグッズが今までより可愛らしかったのでつい・・・
今後のテニスで活用したいと思います。
火災が起きたノートルダム寺院
フレンチオープン観戦・・・は終わりましたが、明日はドイツに帰る前に少しだけパリ観光。
火事で修復中のノートルダム寺院にも行ってみようと思っています。
続く。