ドイツ在住のみなさん、
「ドイツには化粧水がないの?」
と思ったことはないでしょうか。
私が今から20年前の2000年にドイツに来た時、日本では当たり前に使っていた化粧水が見つからないことにとてもビックリしました。
「ドイツ人て化粧水使わないの???」
日本語使えない、日本食あまり手に入らない、日本の本も漫画も読めない、バスタブ少ない、温泉ない、などの大きいことは覚悟してドイツに行ったつもりでした。
しかし、一つ一つはそこまで大きくないけれど、日本では無意識に当たり前だと思っていたものがドイツではそうでない、ということを発見した時軽いカルチャーショックになったのは覚えています。
例えば、化粧水をはじめとして、ウェットティッシュ、スポーツ飲料、無糖缶コーヒー、ウーロン茶・緑茶系のお茶、ハードコンタクトレンズ用洗浄液(ドイツではソフトコンタクトが主流)、ヘアトリートメント、トイレットカバーなどの生活用品。。。
その他トイレ温水洗浄機、24時間営業のコンビニ、日曜営業の店、等々のインフラ関係。
生活用品は2-3年は不自由しててもなんとかなります。
日本から持ってきたものをちびちび使ったり、誰かが日本に行くとか、自分が日本に行ったときたくさん買ってストックしておくとか。
でも5年、10年経つうちに毎回日本に行くまで待っていられなくなります。
ただでさえ、日本に行ったらドイツに持って帰りたい趣味のものや本などが山ほどあります。
運べる量が限られている中で、生活必需品をわざわざ日本から持ってくる気がしなくなるのです。
しかも日本製品依存が多ければ多いほど長期で日本に行けないとき(今のコロナ!)、ストック切れを起こしてしまいます。
結論から言ってしまうと、海外で生活する以上、特にヨーロッパなど日本から遠い場合、結局一番いいのは「現地にあるものはできるだけ現地で調達」すること。
現地のもので生活できるようになれば、ドイツ生活もずっと快適になります。
今回は、私がドイツで日用品をどこで調達しているか、また、欲しいものがない場合はなにで代用しているかなどをご紹介します。
そして長年外国に住んでいるとどんな風に考えが変化していくか、どのように生活するとストレスが少ないか、感じていることも述べています。
2020年現在でもあまり売ってない化粧水
ドイツのドラックストアに行って基礎化粧品のコーナーに行くと各ブランドのシリーズが一通り売っています。
でもその中で化粧水はほとんど見かけません。
各ブランドシリーズ製品の裏に書いてある説明を読んでも、流れとして「メイク落とし→洗顔→乳液」が基本で、その他必要に応じてアイクリームやパックや美容液などを足していくものが大半です。
化粧水使えって書いてないからドイツは化粧水なくても大丈夫なんじゃない?
私はこの指針に沿って、最近化粧水あまり使ってないけど、なんともないよ。
むむ・・・確かにそうかもしれない。
でも必要ないのかもしれないけど、できたら化粧水使いたい!
そう思って探すのですが、ドラッグストアやスーパーをみても化粧水ほとんど売っていません。
なぜかニベアのリーズナブルな化粧水だけは見つかるのですが、1種類だけ!
全然選択肢がないのです。
オーガニックコーナーなどにも行ったのですが、基礎化粧品コーナーはあれどやはり化粧水はほとんど見つからず・・・
ドラッグストアではなく薬局で発見
困っていた私はある時別の用事で薬局に行きました。
なんと、薬局の一角に基礎化粧品コーナーがあり、そこに化粧水が売っていました!
でも、よく見ると、不思議なことにドイツ製ではなく、フランス製の基礎化粧品シリーズばかり・・・
なにはともあれ、とりあえず売っているのは見つけたので、しばらく薬局でフランス製の化粧水をとっかえひっかえ買っていた気がします。
でも他の基礎化粧品はオーガニックメーカーWELEDAを愛用しているのに、化粧水だけフランスの別ブランドを使うのはなんだか落ち着かない・・・
そう思いながら何年か基礎化粧品迷子だった私にある時「ロクシタン」って結構いいよ、と教えてくれた友人がいました。
2005年くらいでしょうか・・・
ロクシタンは日本でも2010年くらいから発売しているので知っている方も多いと思いますが、私はその時初めてロクシタンの名前を聞きました。
試しに近所のロクシタン専門ショップに行ってみたら、今まで使っていたWELEDA同様オーガニック製品。
そして違うのは、フランス製ということでラインナップに化粧水も含まれていました!
価格はWELDAよりは少し高価ですが、陸続きの欧州ものですし、手が出ないほど高いわけではありません。
友人の口コミおすすめなので試しにいくつか購入。
使い心地も気に入りました。
それ以来15年くらいずーっとロクシタンを使っています。
ここに行けば化粧水買える!ってわかってて迷う時間がなくなったのはやっぱり大きいです。
これでひとつ日常生活が楽になりました。
ハードコンタクトレンズ保存液・洗浄液
私は目が悪いのですが、近視の他に乱視が強く、日本ではソフトコンタクトレンズではなく、乱視に強いといわれるハードコンタクトレンズを使っていました。
今でもいつかはドイツでソフトコンタクトに変更した方が楽なんだろうなー、と思いつつ来独20年たった今も日本でハードコンタクトレンズを購入しています。
困るのは保存液・洗浄液等の付属品が切れた時。
ドイツのコンタクトレンズ店に行っても、売っている付属品はソフトコンタクトレンズのものばかり。
最初のうちはソフトコンタクトレンズが主流のドイツではハードコンタクトの付属品は売っていないのかと思っていました。
でも、お店の人に聞いたらお店の奥の方や引き出しの中からハードコンタクトレンズ用の付属品を出してくれます。
種類は少ないけど一応ハードコンタクト用の付属品も売っています。
主流じゃないので、店頭展示していないだけ、ということがわかり、今は普通に付属品はドイツで購入しています。
お茶・スポーツ飲料水がない
ドイツにはそもそもエコの問題か盗難の問題か(両方か)、自動販売機があまりありません。
でもスーパーに行けばもちろん飲料水は売っています。
しかし、ドイツで売ってる飲料水は炭酸か甘いジュースばかり。
私が欲している無糖コーヒーや無糖お茶やスポーツ飲料はほとんど売っていないのです。
「緑茶/green tee」と書いてあるパッケージの飲料水を見つけて喜んで買ったものが、レモン味で砂糖いっぱいの甘い何かだったとき、お茶、と書いてあるものを買うのをやめました。
スポーツ飲料はたまにスーパーでみかけるときがありますが、味が甘すぎる・・・
テニスの横にある自動販売機にでさえコーラやスプライト、炭酸入り水しか売ってなかったのを見てからドイツでスポーツ飲料を探すのはやめました。
最初の10年くらいは日本からパックのウーロン茶や麦茶の素などを買ってきていましたが、これも「現地のものは現地で調達」主義に自然に変化していき廃止。
今はテニスをするときは毎回ガスなし水を持参しています。
ヘアトリートメント
ヘアトリートメントもあまりみかけません。
ドイツではシャンプーはシャンプー、リンスはSpülung,トリートメントはRepairと書いてあるものが多いのですが、SpülungはたくさんあるのにRepairはあまり見かけません。
ドイツ人みたいな柔らかい髪質の人たちはあまりトリートメントは必要ないのかなあ。
柔らかいので髪もまとまりずらく、日本のように凝った髪型をした人には全然お目にかかりません。
髪型の印象なんて吹っ飛ばすくらい顔がくっきりはっきりしているので、誰も気にしてない感じ。
私自身もくせ毛で日本にいてもどんなトリートメントを使ってもこれっていう者には出会えなかったのでそれほど気にしていませんが、とにかく種類が少ないのにはびっくりしました。
こちらはドラックストアで数少ないチョイスの中から適当に選んで買っていますが、最近ただでさえ少ないチョイスが更に減ってきたような気がします。
なので、今度はトリートメントも、今度は化粧水やファンで同様オーガニック系から試してみようと思っています。
オークル系のファンデーション
移民国ドイツでは、いろんな肌の人がいるので、ファンデーションの数はとっても多いです。
ピンク系からダーク系まで色の種類はたくさんあるのですが、その分一つ一つの色に対する種類は少なく、ざっくりしています。
日本人の肌に合うオークル系の色の種類は少なく、ちょうどいい色を見つけるのに苦労します。
これは一つ買うと何か月か持つので、日本に行って買ってくるものリストに残ってる生活必需品の唯一のものかもしれません。
いくつか日本から持ってきたものを使いつつ、なくなったらドイツの薬局で買ったりしています。
これも基礎化粧品同様、ドイツ産よりフランス産の方が私好みの色のファンデーションが多く見つかるので、その中から気に入ったものを買っています。
25ユーロくらいで普通に買えるので日本より安いと思います。
今、コロナで日本に帰れないので、近々また買いにいかないといけなくなりそう。。。
ウエットティッシュ
以前ドイツでは全然見つからなかったウエットティッシュ。
似たようなものがあっても、化粧落としだったりして、単に水でぬれたものではなくたっぷり洗剤が染み込んでいる感じで、使ったら洗剤の泡が出てくる感じであまり好きではありませんでした。
それで結局郷に入れば郷に従えで、私もだんだん使わなくなっていたのですが、最近ようやっとドイツのドラックストアでも洗剤が染み込んでいないウエットティシュが販売されだしています。
コンサバで日本に比べて昔のものを愛す傾向の強いドイツですが、20年の間にちょっとずつ変化しているようです。
(マスクする文化がなかったドイツがコロナの影響でこんな短期間に「マスク義務」が導入されたのは大きな驚き!)
アイスコーヒー・かき氷・シュークリーム・ソフトクリームがない
日本にいる時は特に意識してなかったけど、ドイツに来たら「あれっ、ない!」と思ったものたち。
なんとアイスコーヒーがなかった。
ドイツでアイスコーヒーというと、アイスクリームの入ったアイスフロートのようなものが出てきます。
今ではスタバには日本風のアイスコーヒーもあるみたいですが、ドイツのカフェでアイスコーヒーを頼むとアイスクリーム入りが出てくるので注意。
以前日本風のアイスコーヒーが飲みたくて、アイスと氷抜きのアイスコーヒーを頼んでみたら非常に怪訝そうな顔をされました・・・
あと、ドイツ人はアイスクリーム大好きなのに、似て非なるものであるソフトクリームは売っていません。
それから、シュークリームも売っていません・・・
考えたら、ドイツではスポンジショートケーキも売ってないし、基本的にやわやわふわふわした軽いものがあまり好きじゃないようです。
「空気にお金払ってる気がする」から嫌みたいです。
お腹いっぱいにならないものは好きではないみたい。
証拠にドイツで好まれているのはどっしりしたバームクーヘン、重くて黒い黒パン、とにかくみっちりしたものが好まれます。
あれはあれで美味しいんですが、たまには美味しいふわふわも食べたくなる日本人の私です。
かき氷も売ってません・・・「子供の食べるものみたいで興味ない」って言われたことがあります。
まあ、子供のころから馴染んでないものはあまり大人になってから食べないのかもしれません。。。
ドイツ人そもそも食にあまり興味ないことを思い出しました・・・
(ドイツ人は旅行と家が大好きなのです)
日本食はあまり食べられなくなるだろうという覚悟のもとドイツに行ったわけですが、
地味にこういう意識しないものがないとダメージがボディーブローのように効いてきます。。。
こういう小さいところの積み重ねで故郷が恋しくなったりするんでしょうね。
【地味な嗜好品】実はこれが一番故郷を感じさせるものかもしれません。
現地になじむ
その他、現地生活が長くなるにつれ、現地の生活に自然に馴染んでいく事も感じています。
例えばドイツの飲料水はあまり冷たくして飲みません。
水は冷蔵庫に入れることなく常温で飲みますし、ビールなんかも日本ほどキンキンにはしません。
飲み物に氷を入れることもないので、最初は冷たくても飲んでいる間に常温に近くなります。
最初は日本方式になれていたので「冷たい方が美味しいのに」と思っていましたが、そのうち慣れました。
それどころか、キンキンに冷たいと、冷たいことが先に立って、あまりビールそのものの味が感じられず、おなかも冷えてしまって量が飲めないのです。
「常温に近い方が体に浸透して健康にもいいし、飲みやすい」とドイツ人が言っていたのを身をもって感じています。
今では水は、仕方なくではなくて、常温の方が飲みやすいのであえて冷やさないで常温のまま飲んでいます。
ビールもキンキンだと1-2杯しか飲めませんが、適度な温度だとビールの味もよくわかり、テラス席なんかにいると気持ちがよくて何杯でも飲めてしまいます。
赤ワインのようにもともと冷やさないで飲むほうが美味しいものもありますし、素材そのものの味がよくわかる気がするのです。
郷に入れば郷に従えということわざもありますが、特に無理することなく自然に馴染んで変化していることも多くなりました。
日本にもドイツにも馴染めるところと馴染めないところ両方あります。
せっかく両方を知る立場にいるので、できるだけ両方の好きなところを見つけて生活できたらなと思っています。
インターネットの発達
あとこの20年で変わったことといえば、インターネットの発達!
2000年では日本との連絡はたまのパソコンからのeメールがせいぜい。
スマホもなく、アプリもなく、動画も見れず、電子ブックもなく、音楽のダウンロードもなく友人とのコミュニケーションはもちろん、日本の情報はほとんど手に入りませんでした。
今はそれに比べると日本はとても近くなって、遠距離を感じることは少なくなりました。
日本の動画もeブックもニュースも友人とのコミュニケーションも日独の距離を全く感じさせません。
本当に便利になりました。
ドイツの日用品まとめ
私が20年のドイツ生活で感じた、ドイツの日用品のチョイス、日常生活への馴染み方をご紹介しました。
これからドイツ生活を送る方、またドイツ生活に興味がある方に少しでも役に立ったり、楽しんでいただけると嬉しいです。
1つ思うことがあります。
20年前に比べて、今は格段と日独の距離が近くなり、不自由も減りました。
生活もしやすいです。
でももし2000年時点に今くらいインターネットが発達していたら、、、
誘惑が多すぎてあの頃のようにストイックにドイツ語の勉強に集中できなかったかもしれません。
1つ間違えていたら大学入試試験に受からず1年で日本帰国ということも充分ありえました。
特に語学のセンスがあったわけでもない怠け者の私が、ドイツ語の勉強に集中できて、なんとかここまでやってこられたのもあの時あの不自由だったドイツに放り込まれたからこそです。
そう思うとあの頃まだネットが発達していなかった時代にドイツに来れたことは、私にとって本当にラッキーなことだとしみじみ思うのです。
自分ではどうにもできないもので人生が変わること、本当にあります。
【運を天に任す】【運も実力のうち】【人事を尽くして天命を待つ】っていうのが心の底からピッタリきます。。。