サイトアイコン Fujikoのドイツ道しるべ

ドイツ語【イントネーションを制する者は会話を制す】②

ドイツ語を習得するにあたって大切なのは発音よりイントネーションです。

前半では発音とイントネーションの違い、発音とイントネーションの関連性などをご説明しました。

今回は後半としてイントネーションの大切さとイントネーションの特徴、

日本人に難しい発音などをご紹介します。

 

できれば先に前半を見ていただくとより理解が深まると思います。

「頑張って覚えたドイツ語を使ってもネイティブになかなか通じない」 「正しいドイツ語を話しているつもりなのに、どうしてネイティブに通じないん...

 

それでは実際ドイツ語のイントネーションの特徴とは何かをみていきましょう。

 

ドイツ語【イントネーションの特徴

みなさんは語学を習いたてのころ、話す必要がある時も、できるだけ短い会話でわかってもらえるように、最短で説明できる文章を前もって準備しておいたことはありませんか?

それなのに相手にわかってもらえなくて「前もって準備しててもこんな少しのことも通じないなんて、私のドイツ語はまだまだなんだ・・・」と落ち込んだ経験はありませんか?

 

実はそれは逆なのです。

“短いのに伝わらない”ではなく、実は【短いからこそ伝わらない!】のです。

 

最低限の短い文では説明不足だったり、文のイントネーションに変化がつけにくいし、意味のヒントも少なく、理解のヒントになる情報をあまり提供することができません。

つまり、相手にあなたの意図が伝わりにくいのです。

理解してもらうには、きちんとその文をわかってもらうしかなく、そのヒントになるのが正確な発音しかないのです。

 

実は初心者のうちは、相手にわかってもらうためには、つたなくても完ぺきでなくてもできるだけ簡単な文法を使ってたくさん話したほうが相手に理解してもらえます

たくさん話せば発音以外の様々なヒントを話し相手が受け取ってくれてお、例え発音が母国語者とちがっても、そこから私たちの言いたいことを推測してくれるからです。

 

これが大切なコツです。

 

とはいっても、難しい文法を使おうとすると初心者は自分でも何を言っているかわからなくなって、途中で言葉が詰まってストップしてしまいます。

書き言葉と違って、会話では複文や関係代名詞などの難しい文構成は必要ありません。

 

これが相手にわかってもらえるように話す第二のコツです。

 

”簡単な文法でたくさん話す”

この大切なコツをぜひ覚えておいてください。

 

 

次は実際にどんなイントネーションだと相手に伝わりやすいのかご説明します。

 

ドイツ語のイントネーション【単語】

ドイツ語は音の強弱の組み合わせで文のイントネーションを作ります。

そして、イントネーションのうち強く発音する部分をアクセントといいます。

ここではドイツ語の基本的なアクセントの規則をご説明します。

 

細かい規則はたくさんありませんが、これから紹介する三つはその中でもドイツ語の単語のイントネーションをつかさどる大切な特徴です。

あれもこれも詰め込まず、まずはこの三つの基本を知っていれば充分です。

ドイツ語のアクセントの3大特徴: アクセントとは強く発音する部分

  1. 基本的に第1音節にアクセントがある (ただし非分離動詞と外来語は除く)
  2. 非分離動詞の場合は、前半にくる7つの綴り、 be- / emp- / ent- / er- / ge- / ver- / zer- にはアクセントはない。その時は、次の母音にアクセントがくる。
  3. 外来語は原則としてアクセントが最後かまたはそのひとつ前の母音に来る

 

まずは①の【第1音節にアクセントがある】を具体的な単語で説明します。

ちなみに、第1音節というのは、単語の最初にくる母音の部分です。

 

例として、ドイツ語でとてもよく使う単語のうち10個を挙げます。

haben, essen, machen, sehen, Schule, Mittag, Morgen, gerne, schön, mit

(ハベン・ッセン・マッヘン・ゼーヘン・シューレ・ミッタ―ク・モーゲン・ゲルネ・シェーン・ミット)

 

品詞も動詞・名詞・副詞・形容詞・前置詞とさまざまです。

各単語の青字とマーカーで強調した部分がアクセント(強発音)をつける部分です。

 

全てが第1音節にアクセントが来ているのがお分かりいただけますでしょうか。

 

 

しかし、①の規則には例外があります。

それが特徴②の非分離動詞の場合です。

ドイツ語の動詞には本動詞のみで分離しない動詞・前綴り+本動詞の組み合わせで分離する分離動詞・前綴り+本動詞の組み合わせだが分離はしない非分離動詞という3種類の動詞があります。

その非分離動詞というのが、本動詞の前にbe- / emp- / ent- / er- / ge- / ver- / zer-の前綴りが来る動詞です。

その場合前綴りではなく、そのあとにくる本動詞の最初の母音にアクセントが来る、というのが2番目の特徴です。

こちらも具体的な動詞でみていきましょう。

bekommen, empfehlen, entnehmen, verstehen, zerpressen

(べコメン・エンプフェーレン・エントネーメン・フェアシュテーヘン・ツェアプレッセン)

こちらもアクセントをつける部分に色をつけました。

前綴り部分のbe-やemp-ではなく、そのあとの本動詞の最初の母音にアクセントがついているのがおわかりいただけると思います。

 

もう一つの例外として③の外来語があげられます。

もともとは外国語だったものがドイツ語化された場合、その単語のアクセントは最後か、

最後から2番目の母音になるのです。

 

代表的な例として一つだけ挙げます。

単語の語尾が -tion で終わるものは -tion の部分にアクセントがきます。

ちなみにこの発音は英語のように‐ションではなく、-ティオンに近い発音になります。

いくつか例を挙げます。

外来語 – tion は i にアクセントがくる

  • Nation  ナテオン
  • Simulation シミュラテオン
  • Relation レラテオン
  • Kombination コンビナテオン
  • Viblation   ヴィブラテオン

 

単語のイントネーションの特徴についてはこれくらい知っておけば充分です。

次は文のイントネーションの特徴をいくつかご説明します。

 

ドイツ語のイントネーション【文】

単語のイントネーションとは別に、一つの文全体にもイントネーションがあります。

文のイントネーションの規則1: 語尾を下げるもの

  • 情報や意思を伝達する通常の発話 (平叙文) や命令文, 疑問詞のある疑問文では, 原則として文末を下げる

 

いくつか例を挙げます。

これらの文の語尾は下げて発音します。

 

ちなみに疑問詞のある疑問文とは、文頭に「Wie, Warum, Wann,Was」などがつく場合をいいます。

 

文のイントネーションの規則2: 文の語尾を上げるもの

  •  ja (はい)か nein (いいえ)で答えられる疑問文は文末を上げる

 

例をいくつか挙げましょう。

これらの質問はすべて「はい」か「いいえ」で答えることができます。

同じ疑問文でも「Wie, Warum, Wann,Was」の疑問詞を使わず、文頭に動詞が来る疑問文は「はい/いいえ」で答えることができます。

このような文章は文末のトーン上げて発音します。

これを間違えて文末のトーンを下げてしまうと、命令文になってしまうことがありますので注意が必要です。

 

文のイントネーションの規則3:トーンが高くなる箇所

  • 強調したいところのトーンが高くなる

 

日本語でもそうですが、会話をしていると、話の流れの中で強調したい部分が出てきます。

そんな時、ドイツ語では強調したい部分のトーンを高くすると相手にそこを強調したいのだとわかってもらえます。

いくつか例文を挙げましょう。

 

「しなかった」ということを強調したい場合、”nicht”の部分を高くしてアクセントをつけます。

私でも彼でもなく、あなたがそれをしなくてはいけないよ。

この場合”Sie”を強調することによって、「あなた」がしなくてはいけないことを表現しています。

 

明日私は学校に行く(映画館でもなく、レストランでもなく、学校に行く)。

この文では会話で言っているのは「明日私は学校に行く」という部分のみです。

しかし、”Schule”にアクセントを置くことによって、「映画館でもレストランでもなく、学校に行く」という部分を強調したいのだとわかります。

ここで”Ich”にアクセントを置いた話し方をすると「あなたでも他の誰でもない、“私が”学校に行く」と、「私」を強調することになります。

 

これが文のイントネーションに関する規則です。

 

【日本人に難しいドイツ語発音】できないときの対処法

これでドイツ語のイントネーションの決まりの重要部分はご説明しました。

語学の習い始めはたくさんのことをいっぺんに詰め込むより、重要なことだけしっかり定着させることが大切なので、イントネーションに関してはこれで充分だと思います。

 

次は、あなたがステップアップして実践でドイツ人と会話をしていて聞き返されることが少なくなり、コミュニケーションに支障がなくなってきた時の話です。

 

もしあなたがその段階になって更に「ドイツ語の正しい発音ができるようになりたい」と思った時のために。

発音のことを言葉で説明するのはなかなか難しいのですが、日本人にとって難しいドイツ語の発音について少しご説明します。

 

おまけ-発音 【“r/l”と”p/f/h”

日本人にとって英語のRとLを区別して発音するのが難しいのは知られていますが、

ドイツ語でも同様RとLやÜとUなど頑張っても区別して発音するのが難しいアルファベットがあります。

ここでは日本人にとって発音のしにくい”r”と破裂音の”p”について簡単に説明します。

 

まずは”R”の発音から始めます。

英語と比べるとドイツ語のrは巻き舌にはなりませんし、それほど喉から力強く発音する必要もありません。

しかしそれでも日本人には苦手な発音で、ドイツ語初級者はレストランでRadlerという飲み物の注文が聞き返されずに一回で通じるようになればドイツ語の第一段階クリアと言われるくらいです。

単語の最初のrは基本的に舌を口の真ん中で少し丸めて、歯茎のどこにもつけずに発音します。
しかし単体の発音ではなく、単語の一部の場合は次にくる母音によって大分音が影響されます。

“r”と比較して”l”は下を歯茎の上につけて発音するので日本語の「ら」の発音に近くなります。

日本人が意識しないで”r”を発音しようとすると”l”になってしまう場合がほとんどです。

逆の場合はほとんどありません。

 

次は破裂音の”p”です。

“P” は口から息を吐きだして唇を破裂させるようにして出す音です。

ですから”破裂音”といいます。

一つ大切なのは、破裂音というのはのどから出る音ではなく、空気の振動です。

 

Pは唇を一回閉じて、そのあと離すことによって破裂音を発生させます。

空気の振動によって音は発生しますが、声で出す音声はありません。

これがもし破裂音ではなく、音声になってしまうとpではなく、hやfに近くなり、そちらと間違われてしまいます。

 

もう一つ難しいのは、日本語とドイツ語の違いです。

日本語は一つの発音は子音と母音がセットになっているのが特徴の言語ですが、

ドイツ語は必ずしも母音と子音がセットである必要はなく、母音なしで子音がいくつか続く単語もあります。

その中でも“P”は子音が続く単語に使われることが多いのです。

と他えば”Pflaster”という単語の最初にあるPは”pfl”と子音3つ続くのですが、

母音と子音を一つのセットとして扱う日本語に慣れている人は”p”と”f”の間についつい余計な母音の”ぅ”をはさんでしまって「プゥ」と発音していしまいます。

間に母音を入れてしまうと相手に伝わりません。

Pの後ろにある”ゥ”によってドイツ人にはそれがPflasterと聞こえず、知らない単語と認識されてしまうのです。

 

このように、母音が入ると認識不能、破裂音ではなく音声を出してしまうと”h”や”f”に間違われる”P”というのは正しく発音が難しいものの一つです。

 

この二つを意識するだけでかなり発音が改善されると思います。

ドイツ語イントネーションの重要性まとめ

ここにドイツ語のイントネーションについて重要な点をもう一度まとめます。

イントネーションとは: いくつかの発音の組み合わせ

  • 小さい順に【単語】→【文節】→【文】
  • 特徴: 意味を持つ単位である

【語学学習するにおいて、発音よりイントネーションの方が大切で、イントネーションの方が習得が簡単】→ 正しいイントネーションを習得すれば発音が少し違っても相手にわかってもらえる!

 

語学初心者が相手に話をわかってもらえるコツ:

  • 長く話したほうがわかってもらえる!」
  • 「できるだけ簡単な文法を使う!」

 

ドイツ語の単語のイントネーション(アクセント)の3大特徴:

★アクセントとはイントネーション(音の強弱)のうち強く発音する部分

  1. 基本的に第1音節にアクセントがある (ただし非分離動詞と外来語は除く)haben, essen, machen, sehen, Schule, Mittag, Morgen, gerne, schön, mit(ハベン・ッセン・マッヘン・ゼーヘン・シューレ・ミッタ―ク・モーゲン・ゲルネ・シェーン・ミット)
  2. 非分離動詞の場合は、前半にくる7つの綴り、 be- / emp- / ent- / er- / ge- / ver- / zer- にはアクセントはない。その時は、次の母音にアクセントがくる。 bekommen, empfehlen, entnehmen, verstehen, zerpressen (べコメン・エンプフェーレン・エントネーメン・フェアシュテーヘン・ツェアプレッセン)
  3. 外来語は原則としてアクセントが最後かまたはそのひとつ前の母音に来る例: 外来語 – tion の場合”i”にアクセントがくる
    • Nation  ナテオン
    • Simulation シミュラテオン
    • Relation レラテオン
    • Kombination コンビナテオン
    • Viblation   ヴィブラテオン

 

ドイツ語の文のイントネーションの規則

1.情報や意思を伝達する通常の発話 (平叙文) 、命令文、疑問詞のある疑問文では原則として文末を下げる

  • Ich heiße Goro. 私はゴローといいます。(平叙文)
  • Er läuft schnell. 彼は走るのが早い。(平叙文)
  • Wann haben Sie gegessen? あなたはいつ食べたの? (疑問詞のある疑問文)
  • Läuft nicht so schnell! そんなに早く走らないで! (命令文)

 

2. ja (はい)か nein (いいえ)で答えられる疑問文は文末を上げる

  • Gehst du nach Hause? (君は家に帰る?)
  • Trinken Sie kein Bier?      (あなたはビールを飲まないのですか?)
  • Gehen wir spazieren?     (散歩に行こうか?)

文末のトーンを下げてしまうと、命令文になってしまうことがあるので注意

3. 強調したいところのトーンが高くなる

  • Das habe ich nicht gemacht 私はそれをしなかった。
  • Nicht ich, nicht er, sondern Sie müssen das machen! 私でも彼でもなく、あなたがそれをしなくてはいけないよ。
  • Morgen gehe ich in die Schule (nicht ins Kino, nicht zum Restaurant, sondern in die Schule!).  明日私は学校に行く(映画館でもなく、レストランでもなく、学校に行く)。

 

おまけ: 発音

  • “r”: 英語と比較するとあまり巻き舌にはならないし、喉から力強く発音しなくていい。

★単語の最初に”r”がある場合: 舌を口の真ん中で少し丸めて、歯茎のどこにもつけずに発音する。
★単語の中に”r”がある場合: 次にくる母音によって音が影響される。

 

  • 破裂音”p”: 破裂音はのどから出る音ではなく、空気の振動。音声を出してしまうと”h”や”f”に近くなる。

★”P”は子音が続く単語に使われることが多い。必要のない母音が入るとドイツ人にはわかってもらえない。

例 “Pflaster”: “p”と”f”の間に母音の”ゥ”を入れない

 

もう一度改めて言いますが、相手に自分のドイツ語をわかってもらうために必要なのは一つ一つに発音よりも文のリズム(イントネーション/アクセント)です。

私たちは単語一つ一つからというより、文全体のリズムから話の内容を読み取っているのです。

ですから、発音一つ一つにとらわれず、単語や強弱や文末のトーンの上げ下げなどをネイティブに近づけると格段に相手に通じるようになるのです。

そして発音をネイティブにするよりは、イントネーションをネイティブに近づける方が簡単です。

ここでお伝えしたことは、ドイツ語だけでなくほとんどの言語に言えることです。

 

おおまかなルールが理解できたらあとは実践あるのみ。

自分で使いそうな例文を作ってみたり、実際にドイツ人と会話をして精度をあげていきましょう。

 

モバイルバージョンを終了