2018年
ここのところ、ヨーロッパ国内を移動する機会が増えました。
そこで身に染みたのは、スリや盗難の犯罪の多さです。
今回は、旅行や日常生活を通して知った、スリ・犯罪の最近の傾向をまとめてみました。
もし、これからヨーロッパに旅行をされる方、そして現地に在住の方も、以下の点にお気をつけて、旅行をお楽しみ下さい。
ドイツの最近のスリ・盗難の傾向
最近、ドイツ国内で流行っているのは以下の手口です。
これは長年ドイツに住んでいる人たちでも気が付かず被害にあってしまうという、巧妙な手口です。
公園などを歩いていると、見知らぬ人がフレンドリーに声をかけてきます。
そして仲良く話すふりをして、一緒にレスリングを(または親日を装って柔道など)しようと誘ってきます。
(お子さんと遊んでいる時なども要注意。)
そうやって、レスリングの真似事をして、しばらく遊んだ後、何事もなかったように帰っていきます。
周りの人も何も気が付きません。
しばらくして、”ポケットにあった財布がない”ことに気が付くが、もう犯人は遠くに逃げていて、わからない。
これは最近流行りだした手口で、被害が増えてきています。
手口を知って、以下の点に警戒すれば防ぐことのできるケースですので、ぜひ知っておいてもらいたいです。
- 財布をポケットに入れている人は特に注意
- 柔道、レスリング等、体に触れる遊びを一緒にしない
- 万が一遊びに付き合うときは、財布を事前に家族に預けるなどの措置をとる
盗難を防ぐ一般的な注意事項
そして、最近の傾向とは無関係に、スリは昔からどこにでもいます。
もちろん、犯罪をする方が悪いわけで、被害者が悪いわけではないのですし、犯罪者には当然怒りを覚えますし、更生システムも必要だと思います。
ただ、犯罪者が犯罪をやめるのを待つより、自分で防衛手段を取ったほうが即効性があります。
長年ドイツに住んでいて、それなりに盗難の被害を見ており、付き添いで警察に行ったこともあります。警察で盗難届を出している最中にも、新しい被害者がどんどん警察に駆け込んできます。
その時は、被害者の大多数が、”ドイツ語のできない外国人”でした。
盗難で一つ強調したいのは、”盗まれた物は絶対に戻ってこない”ということです。
警察も、戻ってくることはないだろう、とはっきり言います。
警察に盗難届を出すのは、あくまで盗難にあった証明書を発行してもらうため、それによって盗難にあった物の使用停止、または再発行の手続きや保険処理をするため、と割り切りましょう。
ここに、盗難防止の注意点をまとめました:
スーツケースなど、両手が荷物で塞がっている場合は特に狙われやすい。
貴重品はいつも目の届くところ、できれば常に手を置いている状態に。
レストランでカバンを背もたれにかけたり、足元におくのは厳禁。膝の上、背中と背もたれの間で挟んでおく、または自分と壁の間に置く、等の処置をとる。
電車の中で、貴重品の入ったバックを絶対足元に置かないこと。
人に話しかけられた時は、必ずバックに手をかけて、警戒している様子を表すこと。
人前でできるだけ財布を開けない、お金の出し入れもしない。
一瞬の注意散漫で旅行の思い出が台無しになっては、残念すぎます。
以上の点に気を付けて、楽しい旅行ができることをお祈りします。
盗難・家屋侵入ケース
これは旅行者ではなく、しかも個人レベルではなかなか対処が難しいことですが、事務所やレストランなど、夜中に無人の建物に泥棒が侵入するケースも多いです。
しかも、一度入られると、犯人が味を占めるのか、二度、三度、と重ねて入るケースも多いのです。
その場合、どうしても原因を突き止め、さらなるセキュリティの強化に務めるしか防止策がありません。
もちろん保険に入っておくことは鉄則ですが、失ったものは戻ってきません。
”情報”の盗難、いわゆる”ハッカー”などの被害も多いです。
これも失われた情報のリカバリーをするだけでは、犯人に目をつけられて二度・三度と同じ被害にありますので、専門家に頼んででも、セキュリティ自体の強化が鉄則です。
物理的被害だけでなく、情報の盗難に関しても、パスワードの管理、セキュリティの強化等、昔より気を配らないといけないところが増えています。
ヨーロッパでも、個人情報についての法改定を実施し、2018年の5月から有効になりました。
スペインで目立った、スリの常套手段
ここ半年で、2度スペインを訪れました。
2度とも自分、または身近な人が、スリの被害にあいました。
幸いどちらもその場のとっさの判断で、掏られた財布を取り戻すことはできましたが、手口は、どちらもほぼ同じでした。
- 飛行場からホテル、またはホテルから飛行場への移動中で”スーツケース”を持っていた。
- 電車に乗るところであった。犯人は乗るふりをして、乗らずに降りる。
- 犯行がばれた場合は、抵抗せずおとなしく財布を返す。
- 犯人は、一人、または二人。男女どちらもあり。
私も含め、被害にあった人はドイツ在住歴はそこそこ長く、カバンからも決して目を離していたわけではありませんでした。
それでも、被害にあうときはあうのです。
油断していたつもりはなかったのですが、そこまで”積極的に盗みにくると思っていなかった”という認識の甘さを痛感しました。
以上のことから、今後以下の点に気を付けようと思っています。
スリ防止の注意点:
荷物が多い時、特にスーツケースを持っている時はいつもより更に、注意をする。
貴重品を持ったカバンは必ずチャックを閉めて、常に手元から離さない。
疑わしい行為に気が付いたら、確信がなくても必ず後を追う事。機を逃さないで、電車からは必ず降りる。
声を出したり、行動などで、周りの人にも気が付いてもらう。言葉ができなかったら日本語でも構いません。
注意: 相手は暴力行為に及ぶことは少ない。基本的には相手も警察沙汰にせず、穏便に済ませたい傾向がある。それでも万が一、暴力行為に及んで来たら、周りに助けを求めたり、逃げるのも立派な防衛行動。
これらの注意事項は、今の流行りとは関係なく、基本的に全世界共通だと思います。
旅行は非日常体験を通じて、気分転換できたり、自分の成長につながったり、基本的には楽しいものです。
この記事が少しでも、その手助けになれば幸いです。