2019年11月末。
ルクセンブルクに来ています。
一番の目的はクリスマスマーケットだったのですが、初日の昨日はまさかの全店舗クローズ。
思ってもいなかった事故が起きたのです。
事故に哀悼の意を表してのクローズのためどのくらい続くのかわかりません。
今日もクローズかもしれませんし、オープンしているかもしれません。
はっきりした情報が見つからないのです。
そんな初日を終えた今日、2日目。
明日の早朝ルクセンブルクを出発するので、実質最終日です。
昨日の初日はお昼に到着して、旧市街をざっくり散策したので、今日はちょっと郊外にあるお城、ヴィアンデン城に行く予定です。
古代ローマ時代に建れられ、ヨーロッパ100名城にも選ばれたお城です。
「行ってみたいけど、ちょっと郊外だし時間あるかな?」と、迷っていたのですが、
調べてみたら行かれそうなので行ってきます。
その後市内に戻り、もしクリスマスマーケットが開いていたら行ってみようと思います。
ルクセンブルク旅行を考えている方の参考になれば嬉しいです。
ヨーロッパ100名城・古代ローマの【ヴィアンデン城】
お城までは、まずルクセンブルク中央駅からEttelbruckという駅まで行って、そこからバスで乗り換えです。
乗車券は駅の窓口で買いました。
普通の乗車券ではなく前日グーグルで調べて、
お得なデイチケットのようなものを購入した記憶があります。
(ルクセンブルクは豊かな国なので、2020年からは【すべての公共交通機関が無料になる】というアナウンスもあります。本当に実現したらすごいですね。)
だいたい10時の開城に到着するように、中央駅8:55発の電車を選びました。
Ettelbruckに到着。
ルクセンブルク公国って国自体が小さいせいか、どこにいってものどかな雰囲気がします。
Ettelbruck駅からバスに乗り換えです。
完全なローカルバス。
地元の人しか乗ってこない雰囲気です。
周りは緑がいっぱいです。
バスの親切な乗客さん
バスに乗り込んだ後は【バス停の名前は知ってるし、あとはそこで降りればいいだけ】と思っていたのですが、問題発生。
ここら辺で降りるはずなんだけど、バス停の名前が似すぎててどこで降りたらいいかわからない~・・・
そのまま友達とどこで降りるか迷っていたら、後ろの乗客さんが声をかけてくれました。
なんと聞いてないのに私たちが迷っているのを見て、乗客さんが降りるバス停を教えてくれました。
ヨーロッパの人は大抵質問したら親切に答えてくれますが、聞いてないのにすぐ教えてくれたのは感動しました。
おかげで正しいバス停で降りることができました。
(多分「Vianden Breck」というバス停だったと思います)
降りると山の上にこれから行くヴィアンデン城が見えます。
遠目ですが、ローマ時代のお城だけあって、素朴なお城に見えます。
街に人が歩いていない・・・
お城に行くまでてくてく街中を歩きます。
ローマ時代に建ったお城の城下町と思うせいか、すべてがローマ時代からある建物のようにみえてしまいます。
この教会とかも由緒ある教会っぽい・・・(勝手に思っただけですが)。
建物とかなんだか全体にレトロだけど結構可愛くていい感じです。
可愛い街だなー、と思うのですが、気になるのは人が全然歩いていないこと。
ルクセンブルクって人口少ないのかなあ???
ヴィアンデン城だって観光名所になるようなお城だと思うのですが、訪れる人全然いないのかなあ???
ちょっと不思議な気持ち。
そうやって歩いているうちにお目当てのお城が見えてきました。
徒歩15分くらいだったでしょうか。
ヨーロッパの100選【古代ローマのヴィアンデン城】
この道を登るとお城に到着です。
これが下の眺めです。
大分上に登ってきました。
そしてなんと、お城の前に駐車していた車の上に猫が!
猫好きにはたまりません。
逃げていかなかったのでしばらくの間一緒に遊んでもらいました。
時刻は開城時間を少し過ぎたころでしょうか。
それにしても結構なお城だというのに誰もいないのはどういうわけでしょうか。
ドイツでは観光の季節は4月のイースター明けから夏時間が終わる10月末までと言われています。
確かに今は11月末で、いわゆる観光シーズンではないですが、それにしても本当に誰もいないので開城しているのかちょっと不安になってしまいます。
ここがお城の入り口で中に入って右手にチケット売り場があります。
お城を見上げるとこんな感じ。
古代ローマ時代を感じさせる、素朴な石造り。
でも結構大きくて立派なお城です。
石垣からの眺めです。
この日は霧っぽくて、少し雨が降っていました。
ヴィアンデン城内部
内部に入ります。
入り口付近は「闘い用の城」という感じで鎧が。
これは楔形の鎧です。
中に本当の人が入ってそうで妙にリアルでした。
甲冑の鎧にいかにもローマ時代から使われていそうな木製の道具が展示されています。
お城の作りのせいか、いったん外に出てお城を一周するようです。
小雨が降っていてあたりの景色は靄がかかっています。
やはり壁に時代を感じます。
下は入ってきた入り口です。
いつの間にか結構上の方に登ってきていました。
再び外へ。
このときは結構雨が強くなってきていてヨーロッパでは普段傘をささない私も流石に傘をさしたような気がします。
(霧雨が多いのでいつも携帯傘はカバンの中に持ち歩いているのです。
もしくはフード付きの上着のどちらかは必須アイテム。)
お城からの眺め。
先の方に見えている塔は私たちがお城に入ってきた入り口の方向です。
古代ローマ時代の素朴さが残っている壁です。
この中のどれくらいがオリジナルかわかりませんが見事のその時代の雰囲気を残しています。
それにしても城内を歩いていても他のお客さんに一人も会いません。
完全に私たちの貸し切り状態です。
屋上からの眺め。
今日のように雨が降っていなければ気持ちがよさそうなんだけどなあ。。。
いったん外に出ないとお城巡りできない造りになっているので順路を歩きます。
お城の中の礼拝堂。
どんな素朴なお城でもいつも煌びやかなのはお祈りをする場所。
これはヨーロッパ中のお城で一貫しています。
白黒の石がベースの素朴なお城でここが唯一華やかな色彩を感じられる場所でした。
またまた屋外への誘導。
ここは屋根があって一応室内だけど直接外からの空気がたくさん入ってくるので、
外のような室内のような不思議な空間でした。
すごく親切な従業員さんに遭遇
全体的にローマ時代の雰囲気を残しているお城ですが、この場所だけ「最近作りました!」という
模型がありました。
ヴィアンデン城が作られた昔から現在までのお城の変化を絵にしたものです。
これだけだと殺風景なのですが、実はこの中にはもっと現代的な仕組みが隠されていました。
城内でこのアプリを作動させると各時代のお城の姿が立体映像になって現れるんだよ。
ここにそんな近代的な仕組みが隠れてるんですか???
私たち以外誰もいなかった城内で突然声をかけられてびっくり!
見ると作業着を着たお城の人で、お城のこれまでの変化がわかる立体映像アプリについて一生懸命説明してくれたのです。
言われなければ全然気が付きませんでした。
今までのお城の変化が立体映像になって現れる!
視覚に訴えてくれるとやっぱり面白いですね。
ローマ時代の素朴な建物に突然出てきた現代技術。
ちょっとギャップもあり、しばらく3Dを楽しみました。
(外から眺めている人には何もない空間をみて楽しんでいる
奇異に映ったでしょうが、誰もいないしいいのです。)
下の眺めがいい感じです。
やはり川があると景色が映えます。
こういうヨーロッパの昔の文字とか色の配色とかいい感じで結構好きなのです。
これは城主またはその家族が住んでいたベットルーム兼居間でしょうか。
いつも思うのですが、天蓋のついた立派なベット縦横の長さがほぼ同じで、
遠目に見るととっても長さが短く見えてしまうのです。
【昔の人は栄養状態も良くないし、平均身長小さかったのかなあ。
これじゃあ足を延ばして寝られない気がする・・・
それとも昔の人って足を延ばして寝る習慣がなかったとか???】
女性のベットルームだけではなく、男性領主のベットもいつも小さく見えるのです。
横幅が広いからそれとの対比で縦に短く見えるだけで実際は充分な長さがあるのかもしれません。
結構気になっているのですが、このようなベットは大抵手が届かない遠くに設置されているので、確かめることもできません。
いつまでも謎のままなのです。
これまた広い広間に出ました。
部屋の端の方に、先ほどお城の3Dアプリのことを教えてくれた従業員さんがいました。
さっきは時間を割いて親切に色々教えてくれましたが、今は真剣に仕事をしているようなので邪魔しないで通り過ぎます。
(お客さんよりスタッフの方が絶対多い)
城下町(?)の様子が綺麗に見えます。
日本の天皇が皇太子時代に訪れた場所
ある部屋にこのお城の歴代の城主、そして世界中の国々からの要人たちと撮った写真がありました。
ルクセンブルクは公国であり歴代大公が存在しています。
そのためか、このお城にも各国から政治家だけではなく多くの王族が来ています。
日本からも今の天皇が皇太子時代にこのお城にやってきた写真がありました。
これは当時のキッチンでしょうか。
生活感があってごちゃごちゃ当時の道具が並んでいるのを見るのも楽しいです。
こちらは居間でしょうか。
広々とした空間に出てきました。
ここも礼拝場所の一つでしょうか。
ステンドグラス。
それにしてもヨーロッパの教会とかお城には大抵きれいなステンドグラスがあります。
石造りの建造物にしっくりきます。
日本とかアジアの建物にはあまり見ない気がするけど木造の家には合わないのかな。
一通り回って、思ったより広かった気がします。
全体的に素朴な造りですっきりしていましたが、
調度品など当時のものがほどよく残っていたので、
当時の様子を想像しながら回ることができました。
階下の方に部屋の形状からみてお祈りをささげる場所なのか、
それともお酒を飲むバーなのか迷うような場所がありました。
人がいないから何の用途で使われていたのかはっきりわかりません。
でも近くに酒樽を発見。
樽に貼ってあるのはビールのチラシ?
この時代に宣伝という概念があったのか?
でも新しそうだからチラシは当時のものではないのかもしれないです。
ということは、ここは現役で夏のシーズンにはバーとして盛り上がるってことかなあ・・・
(今は空っぽで全然想像がつきません…)
一通り見学が終わって外に出てきました。
外見は素朴でしたが結構広くて思ったより見るところがたくさんありました。
これを私たちたった二人で見学するのはもったいない。
もっとたくさんの人に見てもらいたいお城でした。
隣の付属見学施設
お城の隣に休憩所とお土産ショップと資料館をミックスしたような建物があったので入ってみました。
こちらは先ほどのお城と違って近代的な造りになっています。
階下に見えている跡地はいかにもローマ時代の遺跡って感じですが。。。
ちょっとした小物やケーキなどを置いている休憩所もあったのですがそのまままっすぐ出ます。
ここを出るとすぐ出口です。
それにしても本当に誰にも会わなかったなあ。
これだけ貸し切り状態の見学もなかなかないです。
(欧州100選のお城だというのに!)
ヴィアンデン城行ってよかったです。
特に古代が好きな人なら絶対楽しめると思います。
時間も城内見学は2時間もあれば充分だと思うので、
ルクセンブルクき来た際にはぜひ一度行ってみて下さい。
ヴィアンデン城の町の様子
お城から再び徒歩でバス停まで戻ります。
いろんな家がクリスマス用の飾りつけをしていました。
見ているだけでも楽しいのでゆっくりペースで歩きながらバス停まで向かいます。
坂道の小道ってなんか風情があっていいのです。
(写真でうまく伝えるのは難しいですが)
バス停に到着です。
目の前には川が流れています。
先ほど登ったヴィアンデン城が見えています。
乗り換え駅「Ettelbruck」到着
バスでEttelbruck駅に到着した後は電車に乗り換えて中央駅に戻ります。
窓からの景色は基本は緑が多いです。
でも旧市街に近づいてくると電車の中からルクセンブルクらしいよい景色が楽しめます。
この角度からルクセンブルクを見るのもなかなか良かったです。
午後はルクセンブルク市内に戻り、谷におりて散策した後昼食を食べ、時間があったらちょっと旧市街の外を散策、夕方には戻ってもしクリスマスマーケットが開いていたら行ってみる予定です。
ルクセンブルク【ヴィアンデン城まとめ】
ヴィアンデン城は古代ローマ時代の名残があるお城としてはすごく見ごたえのあるお城でした。
ローマ時代の遺跡というのは大抵は跡地か、よくてもほんの一部分が残っているくらいが普通なのに、ヴィアンデン城の場合、今でも現役感がありますし、ほとんどの場所が見学できました。
欧州100選城に選ばれるのも納得です。
ちょっと郊外ではありますが、ルクセンブルクは国自体がとても小さいので旧市街からヴィアンデン城も1時間くらいで到着できました。
交通費も高くありませんし(行ったときは2019年でしたが、2020年から公共交通機関は無料になるという話も出ています)、当時の様子が想像できる造りになっているので古代好きの方には特におすすめです。
ルクセンブルク2日目後半は旧市街方面に戻って昼食と散策、そしてクリスマスマーケットに行ってみようと思います。
今日は開いているといいのですが。
続く。。。