どちらにも長いこと住んでいて、両方の国に良いと思う所も、そうでないと思う所もたくさん実感しています。
今回はどこが自分にとって判断のポイントなのか、そして何か自分にとってのマイナスポイントを軽減する方法があるのか考えてみます。
そして、最後に少しドイツで老後を過ごす日本人についても考えます。
【ドイツか日本か/ドイツも日本も?】自分にとって決断の大事なポイント
私にとって、ドイツと日本を比べる時に格となる重要なポイントは以下の5つです。
人によっては、ここに配偶者や子どもなどの家族が入ると思います。
ドイツと日本比較重要ポイント: 現在
1.食事: 日本
2.友達: どちらも同じ
3.生活・娯楽: 迷うけど・・・日本
4.仕事: ドイツ
5.言葉: どちらでも生活に支障なし
食事
食事の比較は、どう考えても断然日本です。
おにぎり、お茶漬け、コロッケ、おでん、お蕎麦、天丼、かつ丼、焼肉、煮物、シュークリーム、ショートケーキ、、、、食べたいものを数え上げればきりがありません。
それに比べてドイツで勝っていると思われるのは、ワイン、チーズくらい。挙げてビール、ソーセージ、白アスパラくらいかな。
やっぱり日本で育った日本人、毎日食べる食事はとっても重要なのです。
今までドイツに住んでいる日本人で、日本食を恋しがってない人を私は会ったことがありません。
友達
一緒に御飯を食べに行ったり、遊びに行ったり、気の合う友達と過ごす時間はとても大切です。
幸いなことに、私にも長く付き合っている気の合う友人が何人もいます。
しかし、彼らもある人は日本、ある人はドイツに住んでいて、国も地域もみんなばらばら。
私がどこに住んだとしても、ある人とは近くなるけど、ある人とは遠くなるわけです。
加えて、今はインターネットの発達で、日本だろうがドイツだろうが、取ろうと思えば毎日のようにコミュニケーションが取れる環境です。
実際に会うのは確かに難しいですが、それ以外のコミュニケーションならば文書でも電話での会話でも、同じ町に住んでいても、違う国に住んでいても同じように連絡がとれます。
なので、友達に関してはどこに住んでも状況は同じだといえます。
生活
生活は実のところどちらがいいか、なかなかきっぱり決めるのが難しいです。
日本と比べてドイツは娯楽が少ないとは感じます。
買い物も食事も、アトラクションも、日本であれば日常的に行きたいと思うようなところがたくさんあるのに、ドイツだとそれほど行きたいところが思い浮かびません。
お金を使わない、という点ではいいかもしれません。
ただ、テニスやサッカーなどの大会が多いこと、近隣のヨーロッパ諸国に気軽に行かれるのは魅力的です。
日本の本や漫画が大好きな私なので、以前だったら断然【日本】を選んでいたと思いますが、電子本の発達によってドイツでも気軽に日本の本が読めるようになり、差が少なくなってきました。
迷うところですが、ここでドイツでの日常生活のサービスの悪さを思い出し、生活しやすさでは、日本にポイントをあげました。
仕事
仕事をする側として、働きたいのは断然ドイツです。
有給、残業制度、病欠等々、従業員の権利がどれだけ守られているか、そのおかげでどれだけ仕事以外の生活を楽しむことができるか・・・
これらの権利が文面で決められているだけでなく、実際に実行されている、それでいて国として経済的にも成功している点は本当に素晴らしいと思います。
言葉
ドイツ語と日本語のどちらが得意かと言われれば、断然母国語である日本語です。
ただ、普段生活するにおいて、ものすごく難しいドイツ語が必要なことはほとんどありません。
もちろん、生活して自然に入ってくる情報量はドイツ語母国語者よりは少ないです。
でも、現在普段の生活で特別言語の面で困ったことは感じないので、そういう意味では言語的にはドイツでも日本でも変わりありません。
10年後にどう変化しているか
このように、現在はドイツ生活と日本生活の快適さがかなり拮抗しています。
これが10年後、15年後、自分が年金世代に入った時、どうなっているか想像してみました。
ドイツと日本比較重要ポイント: 10-15年後
1.食事: 日本
2.友達: どちらも同じ
3.生活・娯楽: 日本
4.仕事: してない
5.言葉: ボケてしまったら・・・ドイツ語忘れる?
1と2は変わりないと思います。年をとってくると日本風のさっぱりした食べ物がもっと恋しくなるかもしれません。
3に関しても、それほど変わりありません。近隣のヨーロッパ諸国へ遊びに行かれるメリットよりも、毎日の快適な生活の方が重要に感じる気もします。
つまり、より日本が恋しくなるかもしれません。
さらに大きな変化があるのは4番です。
唯一ダントツでドイツの方がいいと思っていた仕事も定年になればなくなります。
5番の言語も元気なうちは困らないものの、年をとったら外国語を話すのは面倒に感じるかもしれません。
まして、もしボケてしまったら、後から習得した外国語は忘れてしまうかもしれません。
周りの人とコミュニケーションが全く取れなくなるのは流石に困ります。
このように、仕事をしない年になると、だんだん日本に戻りたい要素が強くなってきます。
ドイツ人の配偶者でもいない限り、私の希望はやはり働かない年齢になったら、日本に戻ることです。
ドイツの優れた医療ケア
唯一ドイツの方がよいであろう要素は【病気になった時の保障】です。
ドイツでは基本的に健康保険さえ支払っていれば、医者にかかるのは歯医者以外は無料です。
例えばガンなどの重病になった時、日本では治療に大変なお金がかかりますが、ドイツでは保険でかなりカバーされます。
そのため、ドイツで若くしてガンにかかってしまった日本人が日本に戻らずに、ドイツで治療することを選択したということもあります。
幸い今のところほとんど病院に行ったことのない私ですが、万が一大きな病気にかかってしまったら、同じ選択をする可能性がないとは言えません。
老後の日本人のドイツ生活を考える【友の会】
さらに、何十年もドイツで生活していて、すでに日本に知り合いのいない日本人、ドイツ人と結婚して、子どもがドイツにいる日本人もいます。
それらの日本人の多くは一生ドイツに住むことを選択します。
それらの人も、食事の問題と言語の問題は大きな悩みの種です。
年をとって脂っこいものや重いものを食べるのがつらくなってきたところに、ドイツの老後施設に入り、毎日ドイツの食事を取るのはきつい、と聞いたこともあります。
年金や保険の問題など、難しい手続きを一人でドイツ語でするのは無理、という方もいます。
ドイツではそのような人たちの助けになるように、ドイツ各地で日本人による【友の会】という団体があります。
ボランティア活動や、日々の会報、ドイツでの生活に役立つテーマの後援会、日本文化を広げるバザーなど、老後をドイツで過ごす日本人にとって、とてもありがたい存在です。
現在これらのドイツ国内の様々な都市で活動を行っています。
● Diakonie Düsseldorf
● Diakonie Ruhr (Dortmund, Bochum, Witten, Herne, Castrop-Rauxel etc.)
● Demenz Service (Bochum, Gelsenkirchen)
● 老年学研究所 (Technische Universität Dortmund)
● デュッセルドルフ大学現代日本研究所 (Universität Düsseldorf)
● ライン・マイン友の会 (Frankfurt am Main)
● ライン・ネッカー友の会 (Heidelberg)
● 竹の会 (Düsseldorf)
● ハンブルグ友の会 (Hamburg)
● ハンザ連絡会議 (Hamburg)
● まほろば (Stuttgart)
ボランティアで運営されている方々が高齢化しているなど、経済的にも人材的にも問題がないとは言えないですが、いざとなった時に相談できる場所があるのはとても心強い。
老後のドイツと日本の生活まとめ
老後を過ごす場所として、ドイツと日本を比較しました。
ドイツと日本比較重要ポイント:
1.食事: 日本
2.友達: どちらも同じ
3.生活・娯楽: 日本
4.仕事: してない
5.言葉: ボケてしまったら・・・ドイツ語忘れる?
6.病気になった時の医療ケアはドイツがいいよ
7.困った時に相談できる【友の会】
でも、今から情報収集したり、考えたりすることって大切だと思う。
知っていて損することはない!