ドイツと日本、どちらかにずーっと住むとしたらどっちがいいんだろう・・・
ドイツに住んでみて思ったのは、ドイツの方がいいところも、日本のほうがいいところもたくさんあるということ。
でも立場や状況、その人の個性によって、どこが譲れないところか違いがあると思うのです。
今回は、私が思うドイツ方がいいと思う所、日本の方がいいと思う所を挙げていきます。
そのあと、一体どうしてそう思うのか、それなら結局どちらに住むのがいいのかを検証したいと思います。
もちろん私は日本人ですから、中立的に判断するのではなくて、日本人として主観たっぷりな考えを述べるつもりです(^^♪。
ドイツのいいところ・いまいちなところ
2000年以来、大学生活と社会人生活合わせて20年近く住んでいるドイツなので、すでに第二の故郷となっています。
もちろんいいところもあるし、いまいちだなと思うこともたくさんあります。
ドイツのいいと思う所
- 仕事は生活の一部分であり全てではない
有休を全部使いきる義務がある
基本定時上がりで残業はなし
病気になった時は休まなくてはいけない(有給とは別枠で)
- 人に干渉しない/されない、しかし困ったときは知らない人でも助け合う
道行く人がどんな服装をしていても、何を話していても気にしない(いろいろな国の人が違う言語を話していたり、その国の民族衣装を着ていたりすることも影響)
人に干渉はしないが、乳母車や車いす、重い荷物を持っている人を見かけると率先して自然に助け合う
- クラッシック音楽、ミュージカル、オペラなどの鑑賞機会が多い
- 綺麗な建物や教会や城などの建築物がみられる
- ヨーロッパ中、どこでも安価に気軽に旅行できる
- テニスやサッカー、F1など、ヨーロッパ中で開催されているので行きやすい
- 大学の学費が安い、日常生活にそれほどお金がかからない
ドイツのいまいちな所
- 食事がいまいち(ビールとワインとチーズは除く)
概ねしょっぱい
一人前の量が多い(私は食べるので問題ないが、少食の日本人は大変かも)
新鮮な魚介類や美味しい牛肉などの素材や、アジア風味付けなど、ドイツにはものが山ほどで恋しくなる(これは仕方ないけど。。。)
- 娯楽が少ない(お金使わないで済むけど)
週末する主な娯楽は散歩とカフェでお茶
日曜はお店は休み
テーマパーク・カラオケ・ゲームセンター等がないに等しい
- サービスがない
インターネット/携帯・郵便を始め、ありとあらゆるサービスで、ルーチン以外の事を頼むと一度でうまく事はまれ
とにかく時間がかかるし、連絡先にもつながらない
日本と違うと思う所
いいか悪いかはわからないけど、日本とは違うと思う所
- 政治的判断が早い
日本で地震が起こったら、すぐさま反応してドイツの原発全面中止へ方針変更
地方で政権が交代したら、大学の学費が導入になったり、その政党が負けたらまた大学の学費免除になったり変化が早い
移民問題も、議論を長々するのではなく、とりあえず方針を決めて実施する(やらないと国民もデモなどでアピールする)
- ドイツ人以外の外国人に慣れている
ドイツ生まれの外国人も多いので、外見だけで判断しない。明らかにアジアの顔でもドイツにいる限りはドイツ語できる前提で、普通にドイツ語で道を聞かれたり、話しかけられる
ドイツ語でコミュニケーションが取れ、土着していれば見かけはどうでもみんなドイツ人と同じ扱いをする
- 社会保険制度は日本より充実してる
医者にかかっても歯医者以外は基本無料
失業保険1年間もらえる
年金も5年払えば受給権利あり
大学の学費も基本無料
↓ ↓ 代償として
きちんと働いている人の手取りが少ない。充実した社会保険の維持のため、4割税金で取られる
日本のいいところ・いまいちな所
日本の良いところと、いまいちなところ。日本にいたら当たり前で気が付かなかったかもしれない。
日本のいいところ
- ごはんが美味しい、デザートも絶品
- 買い物が楽しい
- 仕事が正確で丁寧、ルーチンにないことを頼んでもきちんと対応してくれる
- 日本語が通じる
日本人として、理屈抜きに母国語が通じるというのは幸せ。自然に入ってくる情報量がけた違い。
- 本や漫画が面白い
活字・漫画中毒としては、いつでも山ほど日本の本が手に入る日本最高!日本の漫画は立派な文化!私の人格形成において漫画や本による影響は計り知れない。
- アニメやゲームの娯楽も多い
- 電車やバスが時間通り(雪国は除く)。停車位置まで決まってることも
日本のいまいちな所
- 人の目を気にしすぎる、時には自分の希望や好みより周りからの視線を優先する
- 画一的でその時の流行りに乗りすぎ、廃れるのも早い(ドイツは千差万別、インターナショナルだし、そもそも流行りが起こらない)
- 仕事を生活の優先順位の1位に考える傾向がある
残業ありが普通、しかも自分の仕事が終わっても帰れないときも
有給消化しない
仕事効率悪い・無駄な会議多い・始まりの時間だけ厳守で終わりの時間守らない
個人の事情より仕事の事情を全面的に優先
気になるところ
- 女性の社会進出が少なく、経済的に独立してない、特に結婚して子供を産んだ後
- サービスが行き届いているのはいいが、時にやりすぎでサービスを提供する側の負担が大きいのではないか
- 国際政治での交渉が下手
島国という地理的条件、加えて他に兄弟言語のない日本語を母国語とすることで、孤立しがちで、インターナショナル間のコミュニケーションが苦手。
背景と考え方が同じ人が周りに多いので、自分の意見を主張する機会が少なく、そういう教育も受けていない。
そこだけ見てても答えはでない【結局全部つながってる】
こうやって並べると、ドイツと日本、いいところと悪いところは表裏一体。
例えば日本の気になる点:
- 【女性の社会進出率が少なく、経済的に独立してない、特に結婚して子供を産んだ後】
これも現象だけみて改善しようとしても、その背景を知らないと根本的な解決にはならない。
背景:
【日本】
日本のごはんは美味しいけど、家で作るには時間も手間もかかる
働いてしまったら定時に帰れない現状
子供預けられない環境、預けられてもなかなか定時に迎えに行かれない
じゃあ、共働きはなしで、一人は家にいないといけないの?
↑ ↓
【ドイツ】
ドイツの家の食事は簡単。夜チーズにパンでも立派な食事。誰でもできる
働いても定時に帰れるから、父親も母親も順番に子供のお迎えができる
子供を預けられる制度が整っており、国からの補助金もある
それなら夫婦二人とも働ける
【結果として現在どんな社会になっているか】
ドイツ:
ドイツの男女は経済的に自立してる。その結果として、夫婦間の愛がなくなったら離婚しやすい。離婚後、次のパートナーを見つけて再婚も多い。とにかく自由。どちらの親も子供に会う権利があるので、子供が小さいうちはあまり地理的に離れて暮らさない。
約50%の確率で離婚しているので、子供自身も慣れており、心理的葛藤はほとんどない。(私が知り合ったドイツ人の両親は80%くらいの確率で離婚している。父親は再婚、母親はシングルで人生楽しんでいる場合が多い)
日本:
経済的独立していないという理由で夫婦間に愛情がなくなっても離婚まではなかなかいかない。ぎすぎすした中で子供はトラウマになることも。離婚後、親権を持ってない親が子供に会える仕組みも確立していない。
どちらがいい、悪いではなく、これが事実。どこか改善したければ、これらを踏まえたうえで考えないとうまくいかないということなのです。
制度改革も全部同じ
例えば、日本では海外をまねて制度改革しようとするけど、そこだけ見ても日本の現状にあった判断はできない。
例: 消費税問題 → 外国では消費税がある、日本でも導入しよう。→ 日本の消費税は安い。外国はもっと多くとっているから日本も上げよう。
疑問点: 例えばドイツでは消費税はあるけど、住民税はない。税金は全体のバランスをみて決めるのではないのか。ドイツでは消費税19%かかるけど、それは贅沢品に対してで、生活用品の消費税は7%ということは話題に出ない。ドイツでは例え消費税込みでも、そもそも物価が日本より安かったりする。消費者は商品代と消費税両方を支払う。消費税のことばかり話題になって、商品そのものの価格が議論の対象になってない。
- サマータイム問題しかり保険制度しかり、全体の中にその一つがあるんだから、そこだけ見てもうまくいかない。
じゃあどうすればいいのか
問題が存在している場合、普通は簡単に解決できるものではないし、大抵は一方的にどれが100%正しいとか間違っているというわけでもない。誰からも文句が出てこなければ解決策を考える人も出てこない。話すことは山ほどあるし、時間は限られている。
だからと言っていろいろな方面から考えて、どうにも解決策が出せずに、現状維持のまま時間が過ぎるのも最悪のやり方。
解決の第一歩
解決の道筋:
背景を知って、そういう矛盾があることを踏まえた上でできる限り考える。そして出てきた結論を実行してみる。
これを軸にして、あとはできる限りやるしかないと思う。
国の政策に限らず、自分個人にも言える事。
自分のできることには限りがあるし、自分の影響が及ばないどうしようもない範囲のこともある。でもだからといってあきらめずに、自分のできる範囲でベストの選択をすることが大事かなと思う。
そしたら物事が一歩進む。何かが変わる。その変わった状況でまた同じように考えれば何かが動く。
人間性善説
人間怠け者だから、ついつい楽なところにいってしまい、努力がなかなかできないのは自分もそうだからよくわかるけど、本質に悪意はないと信じたい。
例えば政治家や銀行家や資産家が自分の利権のために制度の変更を試みる時、この逆をやるのは可能だろう。自分が誘導したい方向にだけ集中して、背景や周辺の情報をわざと与えない。
でも、自分の利権だけ考えるんじゃなくて、どうにかして全体がより良くなる方向を目指して頑張れば、長期的にはそれが自分にとっても一番いいはず、っていう精神で動いてくれてないのかな。
【情けは人の為ならず】このことわざ結構信じてるんだけど。
人が制度を作る、制度が人を動かす、そして循環する
1.人間が生活の改善を意図して、何らかの社会制度を作る。
2.できた制度が人をまとめ、ある方向性を作る。
3.その中からまた更なる改善を求め、新しい制度ができる。
これが循環して、螺旋階段上に状況が進歩したり、技術開発で文明が発達してきた
ドイツ人と日本人の意思の結果が今のドイツと日本
ドイツのいいところと、日本のいいところを見てきたけれど、こうやって考えると、そういう社会にしたのは、そこに住んでいる人、つまりドイツ人と日本人の意思ってこと。
ドイツと日本の特徴をざっくりまとめると:
ドイツ: 個々が自立できるようにお互いが干渉しない国を作ってきたドイツ、興味があるのは、広々とした住居と年に数回行く旅行。
日本: 全体の和を重んじてその範囲内で自分の幸せを模索する日本、興味があるのは食とゲームやアニメや漫画などのエンターテイメント。
そうなると、一体私は最終的に最後にドイツと日本のどちらに住みたいのかなあ。。。
んー、元気なうちは両方の可能性を残したいから、ドイツと日本行ったり来たりがいいなあ。
できたら、場所を選ばない仕事で収入を得て、将来は不労所得で生活できるようになりたいなー。
年金はドイツと日本は協定結んでるからどっちにいても場所は関係なく両方もらえるし。。。
それで、ドイツ日本間を移動がつらい年になったら、日本に帰って美味しいものと温泉で楽しむ!
そんなんできたらパーフェクトだけどさ、そんな簡単に都合よくいくと思ってるわけ???
何でもやってみないとわかんないじゃん。
目標ないよりよっぽどいいでしょ!(^^)!