ドイツで中華レストランに数人で食事に行きました。
美味しいところを発見したので、ついつい次の週もリピート(^^♪
そこでお仲間から突然の質問。
ドイツ語でscharfとpikantってどう違うの?
え???
ちょっとびっくりしました。
というのは、今まで私はそんなこと考えたことなかったからです。
語学習得の仕方
なぜ考えたことがなかったんだろう・・・
言われてみれば、どちらの単語も日本語だと”辛い”って意味になります。
でも私の脳の中では、この二つの単語はきっぱり違うものとして認識されていたので、全然比べたことがなかったのです。
数秒考えました・・・
あー・・・
そういえば、どっちも日本語だと、”辛い”って意味になるね~。
でも、”この料理辛いね”っていうとき自分は、絶対”scharf”って言ってたし、友達のドイツ人からも”scharf”しか聞いたことなかった。
そんで、”pikant”は、スーパー行くと、パプリカ(ピーマン)なんかによく書いてある単語。
それから、レストランのメニューの料理説明欄にpikantなピーマンとかって書いてあるのも見るよね。
実際の使われ方からみると、”scharf”は料理全体の味が辛いってことで、”pikant”はピーマンとか、素材に使われる傾向があるんじゃないかなあ。
おー、なるほど~!
こんな感じで会話は終了・・・
でもなんか、自分ではちょっと腑に落ちないこともあり、家に帰ってちょっと考えます。
【どうして今まで自分は、こういうこと考えたことなかったのかな?】
“実用ドイツ語”と”辞書のドイツ語”は違う
自分の経験から言うと、”scharf”と”pikant”の違いは、調理に対するものと素材に対するものって認識なんだけど、質問されたから後付けしただけで、それまでは完全に無意識でした。
なので、まず最初に客観的な答えがあるか調べてみる。
でも辞書で調べても、ネットで調べてもはっきりと違いが書いてあるものはない。
そもそも、実際辞書に載ってるのって古い情報だから、現在の使用法と合わないものもたくさんある。
例えば”Alternativ”って単語辞書で見ると、【二つのうちの一つ】って書いてあるんだけど、実際に使われているのは、単に”他の方法”みたいな意味で、二つのうちの一つ、なんて使い方は全然されてない。
つまり、辞書というのは”大まかな情報が詰まっているもの“、って思っておくくらいがちょうどいい。
とりあえず、ここでは正式な違いが発表されているわけではない、とわかれば充分。
そもそも日本語で考えてなかった
次に、そもそもどうして自分に”scharf”と”pikant”を比較する発想がなかったか考える。
1.脳の中で日本語に訳したことがなかった
それで思い浮かんだのは、そもそも二つのドイツ語の単語を日本語で意識したことがなかった、ってこと。
そういえば、私はドイツでドイツ語をいちから学んだので、ドイツ語を日本語で習ったことがなかったなあ・・・
ドイツ語をドイツ人の先生からドイツ語で習っていたのです・・・
そんで、実際ドイツで生活するにおいて、ドイツ語を日本語に訳す必要は一つもない。
だって、ドイツで日本語必要ないし、ドイツ語の意味はドイツ語でわかって、ドイツで使えるようになればそれで充分。
必要ないから、”scharf”も”pikant”もそのまま覚えて、状況に合わせて使ってただけで、”辛い”って単語に置き換えなかったから、何が違うのか考えたことがなかったのです。
それで困ったことなかったし。
訳す必要ない分、一つ手間が省けて効率もいい。
お、もしかして、これって素早い語学習得の”極意発見”じゃない(^^)/?
語学習得の極意その1: 日本語に訳さない方がいいよ
ドイツ語はドイツ語で覚えるべし!
単語一つ一つの意味って、簡単に一対一に置き換えられるものではない。
同じ”辛い”でも”scharf”と”pikant”があるように。
逆に日本語でも、”辛い”と”ピリッとする”とか、同じ現象に色々な単語が使える。
日本語で、”辛い”と”ピリッとする”ってどう違うの?
例えば、日本語を勉強している外国人にこんな質問をされたとする。
多分多くの日本人はそんなこと考えた事ないと思う。でも無意識に使い分けはしている。
聞かれて初めて答えを考え始めて、「うーん、”辛い”は凡庸性があるけど、”ピリッとする”っていうのは使う範囲が狭いかな、例えば胡椒に対してとか・・・」
とか、
「そんなこと今まで考えたことなかった。日本語勉強するのに、そんな細かいところまで考えなくてもいいよ」って言うかもしれない。
でも私も英語だとやっちゃう・・・
こうやって、母国語に当てはめるとわかってくることもある。
もちろん母国語者と違って、言語の勘が働かないから、その分文法や理屈から言語理解したいっていうのはわかる。。。
でも、多分そのやり方だと語学覚えるのが苦しくなってくるし、効率も悪い。。。
そういえば、お仲間はどうして”scharf”と”pikant”の質問してきたのかな、もしかして日本語でドイツ語習っているのかな・・・
ドイツ語の勉強は、あまり日本語で考えないほうがいいと思うけどな・・・
と思って、はっと気づく。
あ、私も昔、英語勉強するとき、日本語使ってたなー・・・
しかも、”類義語”とか、”同じ言い方”まで覚えようとしてた( 一一)。。。
これでは英語学習遅々として進まないわけだ(過去の自分に反省、いや今も英語中級レベルのままだけど(>_<))。
”勉強用の語学”と”実用の語学”の違い
もちろん、目的が違ったら、勉強方法も違って当たり前。
例えば目的が、”受験に受かること”だったり、”試験でいい点を取ること”だったら、文法を覚えたり、類義語を勉強したり、日本語で単語覚えないといけないかもしれない。
でも”旅行で使いたい”とか”現地人とコミュニケーションとりたい”だったら、習得段階に“日本語使う必要ない”です。
流石に最初からは難しいと思いますが、新しい単語が出てきたとき、日本語の単語一つを当てはめないほうがいいです。
単語と単語は一対一じゃないから、一つの単語に当てはめてしまうと、日本語の意味にとらわれて応用が効かなくなるのです。
簡単な単語ならいいけど、抽象的な単語ほどそうなります。
その単語の概念をぼんやりと思い浮かべるのが一番おすすめです。
例えば”scharf”に関する連想だと、、、
何か食べてる時に使う表現、カレーとか、韓国料理とかの注文で聞かれるし、味の状態の一つだなあ、刺激がある味覚の時に使う、甘い系じゃなくて辛いに寄っている。。。
くらいにぼんやりと記憶しておく。
ここでは文字にしてしまったので、本来よりぼんやり感が薄れてしまい、”辛い”という単語も使ってしまっていますが。。。
大事なのは、はっきり明文化しないでイメージだけ覚えておけば、【そのイメージにあったシチュエーションで使うことができる】ということ。
語学習得の極意その2: 日本語に訳さない方がいいよ
抽象的な単語ほど、概念だけ理解する(日本語の一つの単語に当てはめない)
んー、中華レストランに食事に行ったおかげで、今まで漠然としていたことが一つ明文化されました(^^)。
実用ドイツ語習得におすすめなのは、日本語を挟まないこと、
そして、語学習得は学習目的に沿った方法をとること!
実際必要なところから始める方がすぐ成果が見えて楽しいから、長く続けることができる(^^)。
できたら、書いたりしないで、聞いてしゃべるほうが断然効率がいいです。
100回単語を書くのと、100回話すのとでは、かかる時間が違うから!(^^)!。
当ブログの人気記事「ドイツ語会話で必要な文法はこれだけでいい!」を改良し、わかりやすくまとめました。
テキスト部分と学習ノートの2部にわけ、例文も盛りだくさんです。
最短で効率よく実用ドイツ語をマスターするために、ぜひお役立てください。
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その他、ドイツ語やドイツ生活に関するご希望テキストがあればリクエストを受け付けます。
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ハイデルベルク大学修士卒業・ハンブルクの企業で代表を務め、社内ベンチャーで異業種起業をして繁盛店にする。
記事執筆・翻訳通訳・ドイツ語個人レッスン経験あり。
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