ドイツ留学への第一歩・ビザ取得

”いつか海外に住んでみたいなー”と漠然と思っていても、いざ実行に移すとなると”じゃあ、最初に一体何をすればいいの?”と戸惑うことも多いと思います。

今回は、そんな不安を少しでも解消できるように、ドイツのビザや役所の制度について、具体例をたっぷり踏まえてご説明したいと思います。

 

最初に知っておいた方がいいこと

まずは、最初にお役所関係の対応全般についてご説明します。

大まかな説明から、自分の留学目的や、どんな種類のビザを申請すればいいのか、参考にしてもらえると嬉しいです。

どのビザが欲しいかが決まれば、どんな書類を用意すればいいかも決まってきます。

その後、実際のビザに関する説明をします。

これからの説明は、私自身のビザ取得経験(仕事探しビザも含めれて5種類のビザ。経緯を知りたい人はこちら)に加えて、仕事上で、数十人のビザの取得を通して経験した、約20年にわたる事実をもとにしています。

一つ忘れてはいけないのは、外国に滞在するにおいて、ビザは命の次に大切なものだということ。

他のどんな約束があっても、ビザ取得に関するアポイント、特に役所とのアポイントを最優先事項にしてください。

相手にも、ビザのためと言えば、大抵の約束は変更可能です。

ドイツのお役所の仕事の仕方

まず、ドイツのお役所仕事の決まり事を説明します。

ドイツのお役所の仕事は、大きな規則は決まっていても、実際は、地域によっても担当者によっても、それぞれ対応が違います。

規則は細かく明文化されているわけではなく、明文化されていない個々のケースで起きるグレーゾーンは、各担当者が判断します。

例えばというか、これは実例ですが、あるレストランで、まったく同じ条件でAさんとBさんの二人を雇用しました。

各自が同じ書類を用意しビザの申請に行ったのですが、担当者が違ったため、Aさんは3年ビザがもらえたのに、Bさんは1年しかビザがもらえませんでした。

この場合は、レストラン側がそれを把握して、Bさんの役所の担当に、Aさんのビザを見せて苦情を言ったところ、Bさんのビザを3年に延ばすことができました。

ただし、これは稀有な例です。もし同時期に同じ店で申請したAさんがいなかったら、Bさんのビザは1年のままだったでしょう。

そして、担当者だけでなく、地域によっても違いがあります。さらに、その時の国の状況によって、判断基準の変化が起こります。

例えば、難民問題が大きくなり、難民申請者が多くなるにつれ、難民ではない日本からのビザ申請も明らかに厳しくなりました。

従業員を雇おうと思った時、数か月前に他の従業員を雇った時と同じ書類を用意したのに、却下されてしまったことがあります。

そして、今まで要求されなかった書類を要求されたりします。

そして、結局、特に難しいケースはないはずだったのに、最後には弁護士のお世話になってしまったのです。

この場合も、最後にはビザは出ましたが、期限が短かったり、提出書類が増えたり、弁護士費用がかさみました。

これに懲りて、これから新規従業員を雇うのは控えようかと思ったくらいです。

加えて、今までより待ち時間が伸びました。通常申請から取得まで、3か月計算すればよかったものを、それでは厳しくなってきました。

なぜこのような違いが起こるかというとドイツでは担当者の裁量が非常に大きいからです。

担当者が従う義務があるのは、明文化された規則だけです。

明文化されていない、いわゆる”グレーゾーン”は、すべて担当者の裁量になります。

(おまけに、規則によっては、改正を重ねて、その結果他の規則との矛盾が生じたり、たまに実行不可能なくらい厳しくなったりします。そういう時は、どこで現実と折り合いをつけるのか、それぞれ担当者の裁量に任されてしまうのです。)

 

なので、危険のないビザの申請は、できるだけスタンダードな、明文化されている事象を選ぶ事。

やむを得ず明文化されていない事を選ぶ場合は、可能な限り自分の担当者の指示に従う事(他の人の助言を取り入れる等、担当の指示通りしなかった場合、審査が一からやり直しになったり、最悪の場合こじれて弁護士相談ケースになります)。

更に、担当者というのは短い時間で変更になったりします。新しい担当になったら、前の担当が言ったことは大抵無効になります。前任者がOKと言っても、現担当者がNoと言ったらNoなのです。なので指示を受けたら、速やかに実行しましょう。

最悪のケースでは、時間が経つと同じ担当者でも言うことが変わることもあります。

例えば、大学の夏休み前に、外人局に赴き、自分の状況を説明し、ビザの延長が可能かどうか、担当者に相談したらOKと言われたので、安心して日本に一時帰国して、いざビザの延長申請をすると、同じ担当者にNoと言われてしまった!

このケースは、手を尽くすも結局ビザの延長はできず、志半ばで、日本に帰国になりました。

どうしても担当者の指示通りにできない場合も、(言われた書類や必要費用が集まらない、日本に頼まないといけないため、期日まで書類が揃わない等)役所との約束に手ぶらではいかない事。

少なくとも彼らが意図していることを証明できる代わりになりそうなものを、目に見える形で用意しておく事。

それで担当者が納得してくれない時は、弁護士に相談すると効果がある。弁護士の料金は安くはないが、1時間程度の助言、もしくは短い文書を書いてもらうことでビザが下りるケースもあるので、検討の余地あり。

本当にややこしいケースになって、弁護士に10時間も知恵を絞ってもらう場合に陥ると、最終的にビザが下りたとしても(しかも下りない場合も考えられる)相当のお金と時間を浪費するので、ここまで来ないように注意を。

そして、困ったときは恥ずかしがらずに、みんなに助けを求める。

自分が困っているということを、訴えると、ひょんなことから、助けの輪が広がったりします。

種類によって、ビザの取りやすさに大きな違いがある

ビザ(滞在許可)には種類が色々あります。

具体的な種類は後から説明しますが、例えば自営業ビザや、社長ビザなどは、取得するのがとても難しいです。そして、問い合わせしただけでは、具体的にどんな書類を用意すればわからないケースも多々あります。

つまり、スタンダード化や、明文化が難しい分野です。

しかし、申請前の段階では、問い合わせをしても、役所からは、通り一遍の手続きに必要な情報が来るだけで、個々のケースに対応した返事はくれません。


本当に申請するかもわからない単なる問い合わせの段階で、個々の状況に合わせて対応すると、時間がいくらあっても足りない。

しかも提出前は、担当者も決まっていない。

各個人の具体的な審査をするのは、まず、書類を提出してから。

これが役所の言い分ですが、わからなくはないですが、こちらは情報を知ってから判断したいこともあるので、最初はずいぶん戸惑いました。

この場合は、自分に特化した返事はあきらめて、とりあえず一般情報の中から、自分が必要だと思われる書類を用意し、役所に提出してしまいます。

この場合一番やってはいけない対応は、完ぺきに書類が揃うまで、書類の申請を待つことです。

そうすると、時間が無駄にどんどん過ぎてしまい、結局ビザなしで滞在できる3か月を過ぎ、一度日本に帰国する羽目になる事も(実際、そうなった人もいます)。

繰り返しますが、こういう場合は、不十分でも自分でできるだけの書類をそろえて、提出をしておかないといけません。

書類さえ提出してしまえば、次のステップに進めますし、申請中は、結果が出るまで、滞在日数も延長されます。

書類提出をしていれば、たとえ不備があっても、審査中は滞在許可が延長されます(例え決められた期限が過ぎていても)役所に一筆書いてもらうのもいいでしょう。

少しお金はかかりますが、”仮ビザ(Fiktionsbescheinigung)”を発行してもらうこともできます。(証明が必要な場合はお勧め)

申請をしておかないと、滞在の意思がないとみなされ、場合によっては日本帰国が待っています。

この違いは大きいのです。

書類を提出したら、初めて審査が始まります。

もし不備があっても、〇〇の書類を〇月〇日までに提出するように、と具体的な指示が役所から出てきますので、それに従えばよいのです。

とりあえず、審査の一歩目を踏み出せたことになります。

具体的な個々のケースに対応を始めるのは、書類を実際に提出した後。

どの書類をそろえればいいか問い合わせて、返事が来ない場合、誰かに相談したり、自分なりに考えて、とりあえず提出すること。

 

ビザの種類・単なる滞在許可と労働許可は別のもの

ビザの種類は色々ありますが、大きく考えると、以下の二つに分かれます。

働いていいビザと、働いてはいけないビザです。

 

どちらのビザも、窓口は外人局です。

働けないビザの場合は、外人局が単独で滞在許可を出せるか判断します。

ビザ申請者も、外人局の担当者と直接話せますから、コミュニケーションは取りやすいです。

 

働けるビザの場合は、労働局からの労働許可が必要なのですが、本人が直接労働局に申請はできません。

その場合、外人局が労働局に書類を回し、労働局からの結果を待ちます。

労働局から労働許可が下りなかった場合、外人局からの滞在許可も出ません。

労働局から、労働許可が降りた場合は、外人局が滞在許可の判断をしますが、たいていは労働許可があれば、滞在許可は出ます。

外人局が窓口になるため、労働局と申請者は直接話ができないので、こじれると弁護士の助けを借りるケースが増えます。

雇用主が、新しい社員雇用のために外人局にビザの申請をした場合、まれに労働局から電話がかかってくることがあります。

その場合、会社の代表として、労働局と一緒に、どうすれば該当社員の労働許可を出せるか、話し合いをすることができます(あくまで、労働局主導で、もし親切に連絡してくれればの場合ですが。問答無用で、却下の書類が来て、反論がある場合は2週間以内に文書を出せ、と言われる場合もあります)。

例として、ある時、私は同時期に同じ条件で二人を半日ジョブで雇用し、いつも通り外人局に書類を申請しました。

すると、しばらくたってから労働局から電話が来て、個々の申請者の、家賃、日本で仕事の有無、子供の有無、配偶者の有無、等の背景を話した結果、一人は半日ジョブ、もう一人は4分の3ジョブにすることで、労働許可が下りました。

このように、同じ労働条件を提出しても、個人の事情によって、判断基準が異なります。

例えば半日ジョブは、フルタイムのように、明文化されたスタンダードがほとんどなく、そのような場合は、個々の背景に基づく話し合いになるケースも多く、なかなか面倒で時間もかかるので(こういう場合はドイツ語オンリー)、特にドイツ語の不自由な外国人経営者の場合、やりたがらない人も多いです。

経営者が協力してくれない場合は、場合によっては本人が全部引き受けるか、あきらめるかどちらかしかないでしょう。

 

基本的にビザの問題は、本人にとっては命の次に大事な問題ですが、ドイツの外人局や労働局からすれば、何十万人の中の一人の問題で、ルーチン作業の一つです。

あちらが親身になって考えてくれることはまずないと考えて、自分でできるだけの事をするしかありません。

 

ビザの種類は、ざっと上げると以下のものがあります。

一つ目は、労働許可付きのビザです。

1.働けるビザ: 滞在許可+労働許可

許可が必要な役所: 外人局・労働局

1.1.ワーキングホリデービザ(30歳までなら申請可能)

1.2-1.労働契約書締結に基づいて取得した雇用ビザ(社長以外)

1.2-2.社長ビザ

1.3.フリーランスビザ

1.4.独立ビザ

1.5.永久ビザ

1.6.配偶者ビザ(ドイツ人と結婚した場合)

二つ目は、労働許可がない、滞在のみのビザの種類です。

2.働けないビザ: 滞在許可のみ

許可が必要な役所: 外人局

2.1.語学学校生ビザ

2.2.大学生ビザ(90日までなど、制限付きの労働許可)

2.3.配偶者ビザ (永久ビザのない外国人と結婚した場合など)

 

例えば私の場合は、まず2.1の語学学校生ビザを取得しました。これは1年間の期間限定なので、その後2.2の大学生ビザに切り替えをしました。

大学卒業後は、一年間の仕事探しビザをもらえるので、その間に就職活動をして、1.2の雇用ビザに切り替えをしました。数年後、前職の関連会社の代表を引き受けるにおいて、雇用ビザを書き換える必要が出ましたので、1.2-2の社長ビザ1.2-5の永久ビザの取得条件を比較したところ、永久ビザの書類を揃える方が断然簡単でした(社長ビザの取得も仕事でやったことありますが、本当にそろえる書類が多くて面倒です。しかも規則間に矛盾あり)。

私の場合は幸い永久ビザの条件を満たしていたので(無期限労働契約書・5年間年金支払い済み・ドイツ語B1レベル以上)、永久ビザに変更をして、ビザ申請のストレスからは解放されました。

永久ビザを取得してしまえば、会社の代表にも、フリーランスにも、独立でも好きなように仕事形態を選べます。

この永久ビザは、ドイツのパスポートを持つこととほぼ同じです。

一つ違うのは、ドイツの選挙権がないこと、そしてこのビザは本人が、ドイツに滞在している限りにおいて有効、という点です。

つまりせっかく取得した永久ビザも、いったん日本に長期間帰国してしまったら、また一からやりなおしということです。

だからといって、ドイツのパスポートを取得する気持ちはありません。

一度、ドイツのパスポートを取得しませんか、という案内が来ましたが、やはりそれをする気にはなれませんでした。

ドイツのパスポートを取得するということは、日本のパスポートを諦めるということで、日本人ではなくなるということ、例えば、3か月以上の日本滞在は許されません。

これだけドイツに住んでいても、やはりいつかは日本に帰りたいと思っているので、私の場合はドイツのパスポートの取得は全く考えませんでした。

(他の国の人で、ドイツのパスポートが欲しくてたまらない人はたくさんいると思います。その点でいくと、日本で生まれたことはラッキーだったんだな、としみじみ思うのです。)

 

その他業務上、日本人従業員の1.2-1の雇用ビザの取得の担当をしていたので、そちらの事例はかなり多く体験してきました。

余談ですが、雇用側の視点でいうと、誰かを雇おうと思った時、ワーキングホリデービザを持っている人がいると、そのまま雇用できるので、とても助かりました。

PC関係では、ドイツ語力や他のスキルが必要なので一概には言えませんが、レストランの労働力であれば、ドイツ語力がそれほどでもなくても、戦力になりますので、ワーキングホリデービザがある人は就職には有利だと思います。

正式な雇用ビザを取得する前に、ワーキングホリデービザで働いてもらえたので、数か月の待ち時間を節約できたのです。

”まずドイツに行ってみたい”人にお勧めコース

ドイツに住んでみたい!と思ってせっかく苦労してビザを取ったのに、食事、風習、人間関係など、どうしても合わなくて、帰国してしまった人もたくさんいます。

fujiko

fujiko

なにはさておいても、来てからじゃないとわからないことはたくさん!

義務じゃないし、どうしても違うな、と思ったら、無理に頑張ることはありません。

病気になってしまうよりも、その前に帰国の判断をすることも決して恥ずかしいことではありません。

次のあなたに合う何かを探す時間を早めに見つけられるかもしれません。

というわけで、取得ビザのお薦めは、最初はハードルの低いところから。

30歳以下の方でしたら、まずはワーキングホリデービザで滞在をお勧めします。

取得も、語学学校生ビザと並んで取りやすいので、ぜひお薦めします。

この一年を使って、勉強するも、働くも、旅行三昧をするもあなたの自由です!

そして、さらにおまけに、もしワーキングホリデービザが切れて、まだドイツに滞在したいと思った時、次の可能性”語学学校生ビザ”に切り替えることも可能です。

最初に語学学校生ビザを取得してしまうと、人によっては30歳をすぎてしまって、ワーキングホリデービザ取得ができない年齢になってしまいます。

目的がフリーランスビザや独立ビザの人も同様。まずはワーキングホリデービザか語学学校ビザを取って、一年間のドイツ滞在を確実にしてから、フリーランスビザや独立ビザの準備をすることができます。

飲食店で働きながら、ドイツ語を一から勉強するのは無理

お薦めしないのは、飲食店などでの雇用ビザでドイツに来ることです。

特にあなたがまだドイツ語が不十分な場合、”飲食店で稼ぎながら、ドイツ語の勉強ができて一石二鳥”と思っているとしたら、これは本当にお勧めできません。

あなたは、ドイツでドイツらしい経験をしたくて、くるはず。

それなのに、日本人のスタッフに囲まれる生活をしていては、ドイツらしい経験を積むことは至難の業。

しかも、飲食店は、仕事時間が長く、仕事もきついところが多く、仕事が終わったあとドイツ語の勉強をするのは、かなり難しい。

かくして、長年ドイツで働いているのに、年月ばかり経ってしまい、目標だった言語は上達せず、体力的にはだんだんきつくなり、いざ退職しようとしても、退職イコール、ビザが切れる、日本帰国を余儀なくされるために思い切れない人もたくさん。

自分は何のためにドイツにきたの?という羽目に陥るケースも非常に多いです。

やみくもに飲食店で働くのが悪いと言っているのではありません。

例えば、すでにあなたがある程度のドイツ語または英語の知識があり、ドイツに日本食を広めるという志をもって、ドイツに来るのであれば、もちろん飲食店で働くのに何の問題もありません。

もしあなたの目標が語学上達で、”飲食店で働きながら、ドイツ語を一から学ぼう”、だとしたら、それは回り道になるので、やめたほうが懸命だと言いたいのです。

その他のビザ

最終的には1.5の永久ビザがもらえると一番楽ですが、ドイツで年金を5年支払っている事、という条件があるために、すぐに取得は不可能です。

1.2-2の社長ビザも、オーナー社長であれ、日本の本社から送られた雇われ社長であれ、普通は社内に、手続きを遂行してくれる人がいるので、その人にお任せするしかないでしょう。

上で少し述べましたが、実際私が仕事でオーナー社長のビザ申請をした時は、かなり難しい状況になりました。

というのは、揃える書類の多さもさることながら、特殊ケースの場合、法律に矛盾が生じる場合があるのです。

規則A ビザを申請する条件として、ドイツの健康保険に加入していること

規則B ドイツの健康保険に加入する条件として、ビザを取得していること

fujiko-panic

fujiko-panic
何これ、一体ビザが先なの、それとも保険が先なの???

それもこれも、オーナー社長は保険加入が義務ではないことから生じた矛盾でした。

保険会社では、ビザが先、ビザの申請では保険が先、とたらい回しにされて、解決策を見つけるのに結構苦労しました。

他にもEUの規則とドイツの規則間に矛盾があり、一体どうすればいいの?となったこともあります。

規則は所詮人が作ったもの、穴はいくらでもあります。

そういうこともあるので、なるべく特殊ケースに陥らないように、可能な限り、たくさん事例のあるスタンダードケースを選ぶのがお勧めです。

 

1.2-1の雇用ビザも、会社主導ですので、基本的には会社の指示に従えばいいですが、まれに全部自分でしなくてはいけないこともあります(私の場合はそうでした。小さい会社だと担当者がいないことも。)。その場合は、まず外人局に問い合わせて、指示を仰ぎましょう。一般的な情報や必要書類はすぐもらうことができます。

1.3のフリーランスビザや、1.4の独立ビザは、職種によってどちらを選ぶか異なってきます。しかし、どちらにしても、どの分野で生計を立てたいのかによって、必要書類も変わってくるので、個々に役所と対処するしかありません。スタンダードケースを使えないので、あまりお勧めしません。

業種によって、ドイツにとって有益とみなされないものは、却下され、ビザが下りないこともあります。知っているケースでは、手作りテディベアを売りたいと希望した場合、ビザが下りなかったことがあります。わざわざ外国人がドイツのものを売ってもドイツの益にはならないと判断されたのでしょう。

芸術家、カメラマン、デザイナーなども新規でビザ取得はなかなか困難で、弁護士の力を借りたり、かなり長くかかったりします。しかも絶対ビザが取れるという保証もありません。

基本的に、ドイツにとって一番大切なのは、ドイツ人、二番目はドイツにすでに滞在して権利を所有している人、第三に新規外国人、という順番になります。

加えて、ルーチン化されていない込み入ったケースになると、外人局の人もそこまでの英語は追いつかず、ドイツ語での会話になることも多いです。

こちらのドイツ語が弱いと、状況がよく把握できず、ますます不利になります。いくら弁護士の助けがあったとしても、弁護士は日本語ができませんから、弁護士との意思疎通っができる、ある程度のドイツ語、最低でも英語力がないと、日本語とドイツ語の通訳の助けが必要になり、ますますお金と時間がかかります。

これらの問題を解決するウルトラC

特に、フリーランスビザや独立ビザは、本当に取得が難しいようです。企業ビザと違って、会社の後押しもありません。

ビザの問題でどうにもならなくなった時。

どう頑張って書類揃えても、できる限りのことをやっても、取りたいビザが取れない時。

ドイツ人のパートナーと結婚する

ドイツ人のパートナーがいる人は、結婚ということで、問題の解決ができます。

ドイツ人と結婚すれば(偽造婚を疑われないように、最低限のドイツ語ができる必要はある)、ビザ問題から解放されます。滞在だけでなく、もちろん働くこともできるのです。

自由業で、ドイツ人の配偶者を持っている人は多いです。

ビザ目的に結婚するのは、もちろん論外だけど、パートナーのドイツ人とこれをきっかけに結婚するのは、悪くない選択だと思う。

(もっとも、ドイツ人は、自分に正直。”愛”がなくなったら、すぐ離婚します。知っているドイツ人の半分は離婚経験者。なので、結婚で安泰せずに、その期間を自分を磨くために大いに使いましょう。特にドイツ語はできていて損になることは絶対にありません。離婚騒ぎが起こってから、あたふたしても遅いのです。)

イタチごっご

こう書くと、ドイツのビザの申請は厳しいと思うかもしれませんが、そんなことはありません。

日本に比べたら、移民もけた違いに多いですし、受け入れ態勢も整っており、寛容です。ドイツに在住している外国人の割合は、もちろん日本よりずーっと多いです。

ただ、あまりにも多くの国の人がドイツでの永久滞在を望んでおり、そのためには嘘もごまかしもなんでもあり、なりふり構わない行動をする人もいます。

”共通の言語がなくお互いの意思疎通ができない状態で結婚した人”、”学生だと偽って税金を支払わずに働き、外人局からの退去命令が出そうになるとどこかに逃げる人”、または”申請却下に不服の申請を出して、その間の時間稼ぎをして、少しでも国に仕送りをたくらむ人”、”20歳をすぎているのにどうにかして養子縁組を計画する人”、”難民の条件を満たすか怪しいのに難民申請をする人”。

それらの多くの人が、貧しい国から来ていて、一生自分の国には戻りたくない人です。

こういう人たちには綺麗ごとを言っても仕方ないし、その人たちの人生を保証できるわけでもない傍観者の自分が、何を言っても無駄でしょう。

ドイツももちろん、そのための対策として、規則を厳しくしたりするのですが、そうすると彼らはまた抜け道を考え出します。堂々巡りです。

結局、厳しくなった規則で割を食って、本人の意に反して母国に帰国を余儀なくされるのは、真面目にやっている日本人だったりします。

学業の単位がちょっと足りない、とか、稼いでる金額が規定に少し足りない、ということで滞在許可が伸びず、志半ばで、日本に帰国した人は何人もいます。

この矛盾をどうしたらいいのか、混沌としてもちろんはっきりした解決策があるわけはないのですが、時間は流れていきますので、とりあえず自分がいいと思うことをやってみるしかありません。

観光ビザで、まずドイツに来るのがお勧め

日本は、ドイツと特別な条約を結んでいるので、長期滞在の場合も、まず最初はノービザでドイツに来てから、ビザの申請をすることができます。

つまり、ドイツに来てから申請をすれば、日本で全部申請を終えてから日本に来るより、長くドイツに滞在できます。

基本的にそろえる書類は同じなので、申請はドイツに来てからする方をお勧めします。

実際に準備しておく書類は、こちらを参考にしてください。

 

ワーキングホリデービザの場合はこちら→ドイツ領事館

語学学校ビザはこちらが参考になりそうです→ハイデルベルク留学

 

基本は、ドイツで住む家と、健康保険加入証明書、生活できる残高がある銀行口座証明、期限が残っているパスポート、写真、語学学校ビザの場合は語学学校の証明書、ですね。

  • 健康保険

ちなみに、健康保険は私は日本で1年分の海外健康保険に入り、その保険会社の英語の保証書をもって、近所のドイツの保険会社に行き、きちんと保険に入っているという証明書を発行してもらいました。

Anerkennungして下さいって言ったらしてくれました。

その保険が切れた2年経過以降は、学生の間はかつてのDeutscher Ring(現在のSignal Iduna)のプライベート保険、社会人になってからはTechniker Krankenkasseに入りました。

ただし、今はその他にもネットで気軽に申し込める安価な保険もあるので、そちらを申し込んでもいいかもしれません。

健康保険はワーホリでも語学学校生でも同じく必要です。

 

  • 住居

しかし、何と言っても一番大事なのは、ドイツの住民登録で必要な住居です。

まず家をみつけて、住民登録してからでないと、銀行口座の開設等の他の手続きが何も進みません。

語学学校の寮がある場合もありますので、寮付きの語学学校を探す、または語学学校に相談、ネットで探す、不動産屋で探す、等々色々方法があります。

ドイツの行きたい地域を決めたら、その次は住居探しを目標にしてください。

語学学校に相談する他、以下のようなネットでも探すことができます。

ドイツ全般

ハンブルク地域

このような掲示板に情報が載っていたり、自分でお問い合わせをするのも可能です。

普通にドイツの不動産のネットでも探すのは可能です。私はここでハンブルクの家を見つけました。

シェアハウスならこちら。私もハイデルベルクの学生時代はシェアハウスに住んでいました。

その他ドイツの各地域に様々な日本人コミュニティーがあります。

行きたい場所が決まったら、検索してみると色々出てくると思います。

上記は参考までに。

 

  • 住民登録

住民登録に関しては、行く地域によって、予約の有無、場所、その他諸条件、すべて変わってきますので、これも行く地域を決めてからネット等で調べるのがよいでしょう。

ちなみにハンブルクでは、他のドイツの各地域同様に、各自治体の役所でも住民登録を受け付けていますが、これには予約が必要でとても混んでいます。

しかし、その他にウエルカムセンターというところでも、住民登録を受け付けており、ここは予約なしで住民登録ができてとても便利です。急ぎの時は、私はいつもここを使っていました。

ハンブルクウエルカムセンター

ウエルカムセンターは外国人のビザに関する手続きを行っている機関です。

ハンブルクに留学を決めている人は、ウエルカムセンターにメールで問い合わせをすれば、必要書類や必要事項、そしてアポイントも連絡してくれます。

日本にいる間にメールで問い合わせをするのがいいと思います。

英語でもドイツ語でも受け付けてくれます。

言葉の問題が生じたら、知り合いのドイツ人や、ドイツ語のできる日本人に頼んだら助けてくれたりもします。最初は、頼れる人にお願いするのもいいと思います。

みんな自分が苦労したことを覚えているので、大抵の人は快く助けてくれます。

その代わり、お願いする人が動きやすい用に、頼み事は具体的かつ、明確にすることをお勧めします。

ちなみに私の場合は、ドイツに来た当初言語はできませんでしたが、頑張って自力でやって、無理そうなところはやはり、知り合いに助力をお願いしました。

海外では持ちつ持たれつのところがあるので、私も自分で語学を習得できた後は、過去に助けてもらった恩返しも込めて、できる限り、困っている人がいたらお手伝いしてました。

こういう所は、海外ならではの所ですね。

 

今は日本にいても、ネットで色々情報検索できます。

ビザの具体的な取得方法をシェアしてくれているサイトもたくさんあります。

自分で調べると、イメージも湧いてきますので、自分で色々調べてみましょう!

方向性が決まれば、情報は完ぺきでなくても構いません。

ご説明したように、ドイツは担当者の裁量が強いので、結局やってみないとわからない事が多いのです。

しかもすべての参考情報は、すべて過去のもの。今現在の状況は、結局自分でやってみるまでわかりません。

このサイトもそうですが、すべての情報を参考程度にとどめ、ある程度情報集めたら、後は実行してみましょう!

そうすると物事が動きます。

 

特に、他のビザと違って、“ワーキングホリデービザ”と”語学学校生ビザ”は、ドイツも、滞在許可を出す前提で存在しているビザです。

なので、必要書類さえ揃えれば、問題なく許可は下りるのです。恐るるに足らず!

まとめ

お薦めコース: 観光ビザ入国→ワーホリ/語学学校ビザ→次のステップ

ドイツの住居とお金があればなんとかなる

外人局のアポイントを取ったら、あとは外人局が言う必要な書類を集めるのみ!

 

一歩一歩目の前に現れたことをクリアすれば、目標達成できますので、頑張って下さいね(^^)!

 

fujiko

fujiko

他にも、ビザやドイツの事で知りたいことがあったら、コメント欄にメッセージお寄せ下さい(^^)。

 

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ハイデルベルク大学修士卒業・ハンブルクの企業で代表を務め、社内ベンチャーで異業種起業をして繁盛店にする。

記事執筆・翻訳通訳・ドイツ語個人レッスン経験あり。

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