2021年9月中旬、ドイツではコロナのワクチン接種証明があれば
比較的自由に行動できるようになりました。
私も7月末に二年ぶりの日本への一時帰国から戻ってすぐ一度目のワクチン接種。
8月末に二度目も終わり、9月中旬から晴れて有効なワクチン接種証明を
手に入れることができました。
ワクチン接種証明があれば、コロナ陰性証明の必要なく
レストランにも入れるしホテルにも泊まれます。
いちいちコロナ検査を受ける必要がなくなったので、
行動の範囲ががぜん広がりました。
次にするのはもちろん旅行。
2020年3月に突然コロナ渦での行動制限が始まってから
いくつの旅行予定をキャンセルしたことか。
というわけで早速ドイツ国内旅行を計画。
予定は三泊四日、目的地は3カ所。
初日はドイツのメルヘン街道の中間にあるトレンデルブルクにてグリム童話ラプンツェルの塔のモデルになったドイツ初の古城ホテル、ブルクトレンデルブルクに宿泊。
翌日ハルス地方の木組みの家と魔女の町として有名なヴェルニゲローデに移動、
そこでこれまたラプンツェル城のモデルと言われるヴェルニゲローデ城見学、
更に鉄道でブロッケン山へ登り、
最後にヴェルニゲローデから電車で約30分の世界遺産もある古都ゴスラーにて
可愛らしい街並みを堪能する予定です。
コロナワクチンパスポートで移動の自由が広がったとはいえ、
ドイツ外を旅行中に突然ルール変更でドイツ入国に縛りが出ると大変。
というわけで、今回は思いっきりドイツを楽しむことにします。
ここでは初日のデュッセルドルフから古城ホテルトレンデルブルクまでの道のり、
宿泊先のトレンデルブルクの古城ホテルの様子、ラプンツェルの塔、ホテル内の素敵なレストランの様子をご紹介します。
タイトルから好きなところに飛べますので、
行き方や珍道中に興味のある方は最初から、
きれいな写真を見たい人は後半がお勧めです。
トレンデルブルクまでの道のり
トレンデルブルクはデュッセルドルフの東にあります。
人口5000人弱の(2020年末)小さな町です。
更に周りに大きな都市がなく、三つの州の境目に位置することも関係してか、
電車の便はあまりよくありません。
しかし今回は現地まで電車で行く予定。
デュッセルドルフからトレンデルブルクまでの電車を調べたところ、
いくつかのルートがあるのですが、タクシーなどの手段を使わず
公共交通機関で最後までたどり着くのは、
“電車2回乗り換え+バス”の方法が一番良さそうです。
デュッセルドルフからトレンデルブルクの行き方: 所要時間は約4時間
- デュッセルドルフ→REで約2時間でパーダーボルン(Paderborn)へ。
- NWBで約1時間でバードカールスハーフェン(Bad Karlshafen)へ。
- バスで約30分でバス停リーバートレンデルブルク(Lieber Trendelburg)へ。
- 徒歩約10分でホテル着。
4時間くらいで到着するのはいいのですが、問題は乗り換え時間。
なんとパーダーボルンで5分、バードカールスハーフェンでも6分しか乗り換え時間がないのです。
遅れがちなドイツバーンでこの乗り換え時間はまずい。
そう思って他にもう少し乗り換え時間に余裕がある接続を調べたのですが、
それだと更に2時間前に出発とか、そもそも全然違う路線を使って最後はタクシーなど
よい別案がありません。
仕方がないので、5分と6分の乗り換え時間で間に合うことを祈りつつその電車チケットを購入しました。
果たして間に合うのか。
出発当日
出発当日、電車の遅延が何より恐ろしかったのですが、
幸いデュッセルドルフからは予定通り発車するようです。
万が一にも最初に乗り遅れがないよう、30分くらい余裕を持って
デュッセルドルフの中央駅の向かい、そこで電車の到着を待ちます。
時間に余裕があったので、ゆっくり掲示板を見ていると、私の乗る電車が予定外に2車両編成になったらしく、途中で前後の車両の行き先が分かれるとのこと。
間違えて違う行き先の電車に乗らないように気を付けないと。
無事に電車は定刻通り到着、目的地のパーダーボルン行きの車両に乗り込みました。
乗ってしまえばあとは5分の乗り換えに間に合うように、
電車が定刻通りに着くのを願うだけ。
しかし、電車は途中で1分、2分と遅れていき、
乗り継ぎに間に合うか時計とにらめっこ。
最終的に3分遅れでパーダーボルンに到着します。
乗り換えのバードカールスハーフェン行き電車は違うホームなので、
電車の出口で待機、ドアが開いたらすぐさま乗り換え電車のホームへ急ぎます。
走ってホームを移動、次の電車がすでに待っていたので、
急いで目の前の車両に乗り込みました。
なんとか最初の乗り換えに間に合いました!
アクシデント発生
しかし油断は禁物。
次の電車からバスへの乗り換え時間も6分しかありません。
15時ホテルチェックインの予定なのですが、バス到着予定は大体14時45分。
ホテルまで歩く時間を考えると15時ぎりぎりです。
しかも、数時間前に現地で合流予定の友人が遅れ、
チェックインの時間に間に合わないことが確定しているので、
私だけでも辿り着かなくては・・・
幸い電車は順調に進んでいます。
あと2-3駅で目的地Bad Karlshafenに到着。
これならバスにも間に合いそうです。
ところがそこからアクシデント発生!
あと「あと二駅で到着」と思ったのに目的のBad Karlshafenの駅名が出てこない!
最初は「まだ途中の駅なのかな、もう少しで到着するのかな」
と軽く考えていましたが、Bad Karlshafen駅に到着の時間になっても全然到着の気配がありません。
なんで到着しないの?
しかもこの先到着する駅名の中にもBad Karlshafen駅が出てこないんだけど!?
流石に心配になった私は通路を挟んだ隣にいたドイツ人に尋ねます。
すると衝撃の返事が!
数駅前に車両は分離して、この車両はBad Karlshafenには行かないよ。
この電車Bad Karlshafenに行かない⁉
なんと、最初にデュッセルドルフで乗った電車と同じく
この電車も車両毎に行き先が違ったのです。
そんなアナウンス全然気が付きませんでした。
というか、そもそもアナウンスなかった気がする。
駅の掲示板では文書の表示があったのかもしれませんが、
乗り換え時間がギリギリでそんなの気が付きませんでした。
「どうして口頭で一言アナウンスしてくれないんだよー!」
以前は表示だけではなく、口頭でのアナウンスもあったと思います。
コロナの影響か、アナウンスを極力減らしているのでしょうか・・・
焦る私に
ご親切にそのお兄さんは私のスマホでDBアプリ検索してルートを出してくれました。
とりあえず次の次の駅くらいでこの電車を降りて、逆方向電車に乗るのが正解らしい。
ただ電車でそのままBad Karlshafenに戻るのはできないのか、二駅くらいで降りて
そこからバスに乗り換えの表示が出ています。
バスに乗るのが本当に正解なのだろうか・・・
“ここから降りて逆方向の電車を待ってBad Karlshafenに行くのは不可能なのか”、”バス以外の他のルートがあるのではないか”、という考えもぐるぐる頭をよぎります。
でもとりあえずわかるのは、この電車に乗っていてはいつまでたっても目的地に到着しない、それどころかどんどん目的地から遠ざかっているということ。
ひとまずアプリのおすすめ通り二つ先の駅で下車。
そこから今来た方向に戻る電車に乗りました。
戻り方向の電車に乗りながら、DBアプリがお勧めした方法をもう一度確認します。
二つ先の駅でいったん下車して、バスに乗り換えるまでは確認していましたが、
それで目的地に着くわけではなく、そのあともバスで乗り換えしろといっています。
しかもバスの乗り換えは一回だけではなく、なんと3-4回もある!
流石に多すぎ!
見知らぬ土地、しかもどこに行くかわからないバスを何回も乗り換えて
無事に到着できるのか、何か他に方法はないのか・・・
電車に乗りながら、色々やり方を変えてDBアプリとグーグルマップで検索、
バスの乗り換えがもっと少ない方法、電車で戻る方法を探しますが、
やはりそれだと到着時間がもっと遅くなる。。。
今回の目的はラプンツェルの塔のモデルになったという古城ホテルに泊まり、
ホテルの中とラプンツェル塔のモデルになった塔に登って、その周辺を散策すること。
できたらホテル内部の眺めの良いレストランで景色を見ながらカフェなども楽しみたい。
つまり明るいうちに着かないと予定台無しの計画なのです。
電車を間違えた時点ですでに約一時間到着が遅くなっています。
バスの乗り換えを避けて他の方法を取ると、到着時間が更に伸びるかもしれない。
そうやって色々検索している間も乗り換え時間がタイトなのか、
現在位置からの検索結果が刻々と変わり、到着時間が更に伸びています。
今ならぎりぎり1時間遅れで日が暮れる前の16時くらいに到着できそうですが、
ここで選択を間違うと17時到着とか余裕でありそう。
動きながら頭でどの方法がいいかぐるぐる検討。
そしてとりあえずアプリのおすすめ通り、いったん電車を降り、
バスに乗ってみることにします。
バスに3回乗り換えるか、それとも少し乗り換えが少ない方法を選ぶかは
乗る時に考えよう。
ところが、アプリのいうマイナーな駅で降りたら、バス停が見当たらない!
ローカル過ぎてバス停の表示もなく降りる人もまばらの駅でポツンと一人になった私。
あわてて同じ電車で降りた人にバス停の場所を尋ねると、幸い同じ方向に行く人らしく、
バス停まで連れて行ってくれることになりました。
途中で経緯を説明すると
と衝撃の一言!
私も一瞬本当に今降りた電車のホームに戻ろうか迷ったくらいですが、
しかしそれではここで降りた意味がない。
そしてこれから新しい電車を待っていたら到着が更に遅れる、
検索して考えている時間ももったいないので、そのままバス停を目指します。
バス停は結構離れた場所にありました。
10分近く歩いたと思います。
助けがなかったらたどり着けなかったと思います。
連れてきてくれた親切な人に感謝。
バス停は現在正規のバス停が工事中なのかわかりませんが、
臨時バス停の表示がありました。
時間通りバスが来ますように。
ここで乗るバスはR22番。
アプリが表示するお薦め目的地のトレンデルブルクのブルクホテルまでは
何度検索してもバスを何度も乗り換えろ、との指令。
この乗り継ぎが到着時間が一番早いルートなのかもしれません。
でもこんなにバスを乗り換えていいのか。
ちょっとでも遅れたら次のバスに間に合わないし、
そもそもバス停の場所をスムーズに見つけられるのか・・・
今みたいにバス停探しに迷って乗り遅れたらどれくらい遅くなるかわからない・・・
なんか危険がいっぱい・・・
別案として、思ったのがバスの乗り換え極力減らす方法。
検索中に気が付いたのは、これから乗ろうとしているバスR22番の
最終目的地は私が電車で行こうとしていたBad Karlshafenだということ。
当初の予定では、そこからバスでトレンデルブルクへ向かう予定でした。
トレンデルブルクのホテルに行くには少し遠回りなのかもしれないけど、
いったんR22バスで乗り換えなしで最終地のBad Karlshafenまで行って、
そこからホテル方面のバスに乗ったほうが安全なのでは・・・
しかし1時間に1本くらいしかないホテル行きのバスを待ってたら
ホテルに着くのはいつになるのか、、、明るいうちに到着できるのか・・・
そもそもどうせそんな安全策を取るなら電車で戻れば良かったのでは・・・
んー、ぐるぐる考えても結論が出ません。
幸いR22番のバスは予定数分遅れくらいで到着しました。
バスに乗り込む際に運転手さんに最終目的地のバス停の名前を伝え、
どうやっていくのが一番近いか尋ねたところ
それならこのバスが行くから、そのまま乗ってればいいよ。
降りる所になったら教えてあげるから。
え???
アプリではこんなにたくさん乗り換えしろと出てくるのに、まさかの直行?
確かR22バスの最終地点はBad Karlshafenだったはず。
本来ならば、そこからまた180番か523番だか(番号うろ覚え)のバスに乗り換えて30分くらい
走らないとホテルに着かないはずなのに、このバスがそのまま行くってどういうこと?
最終目的地より先にバスが行くなんてありえる?
とりあえずBad Karlshafenまでは行くから
そこまで乗って行けっていう意味なんだろうか???
それとも終点に行く前に目的地のホテルの近くを通るから、
そこで教えてくれるっていう意味なのだろうか???
頭の中は疑問で一杯ですが、ごちゃごちゃ聞いて運転中の
運転手さんの邪魔をするのも憚られるので、
「まずは運転手さんのおすすめ通りこのまま乗り換えずにこのバスに乗っていこう!」
と決めました。
少なくともBad Karlshafenまでは行くわけですし、何回も乗り換えするより
少しでも目的地に近づいた方が安心。
その上、運転手さんの言うことを信じれば、このまま最後まで乗っていたら
ホテル近くまで行くみたいだし(でもどうやって???)、そう言われて途中下車の選択はないでしょう。
奇跡おきた
そんなわけで全く乗るはずのなかったR22番バスの中で山道を走っている不思議な状態。
ところどころに小さい集落のような箇所はありますが、その他はひたすら緑の山道を走ります。
せっかくだから電車では絶対見られなかった景色を楽しみながら、ホテルで合流する予定の友人に連絡。
予定より遅れた友人ももうすぐBad Karlshafenに到着とのこと。
この感じだと偶然にも私とほぼ同じ時刻にBad Karlshafenに到着しそうです。
(こうやってリアルタイムで連絡ができるとは、本当に便利な世の中になったものだ。)
30分ほど山道を走ったでしょうか。
バスはもうすぐ終点のBad Karlshafenに到着です。
途中で180番のバスとすれ違いました。
すれ違ってから気が付いたけど、多分このバスにこれから合流する友達が乗っているはず。
Bad Karlshafenでバス待ちしていたら、乗る予定の523番より早く来た180番もホテルに行くのでそれに乗ると連絡があったばかり。
すれ違った時に気が付いてたらバスの中を確認したのですが、ちょっと遅かったです。
まあ、すぐ会えるからいいとしよう。
そうこうするうちに、私の乗っているR22番のバスは終点Bad Karlshafenに到着しました。
結局降りる場所になったら教えてくれると言ったバスの運転手さんには終点まで声をかけられませんでした。
乗っていた乗客が全員降りて、中にいるのは私一人。
ここはまだBad Karlshafenだから。
でもここって終点じゃ・・・?
と思ったら、バスがそのままスーッと走り出しました。
「え?」と思ってバスを見ると、なんとバスの番号がいつの間にか
R22から523番に変わってる!
そう、523番はホテル行きのバスの番号。
まさかここでホテル行きのバスにチェンジするとは!
乗っていたバスが自動的にホテル行きのバスに変わってしまいました。
ラッキーすぎる偶然。
523番ならば確かにこのまま乗っていればホテルまで連れて行ってくれます。
運転手さんが言ったことは正しかったのです。
本当にバス乗り換えしなくて良かった、そして電車で戻ってくる選択しなくて良かった。
おかげで乗り換えなしで、目的地のホテル近くのバス停に到着することができました。
最後の乗客は私一人だけだったので、バスの運転手さんと最寄りバス停の相談もできて良かったです。
運転手さんどうもありがとう。
ホテルはそこから歩いて10分くらい。
もう少しです。
グーグルマップの力と看板の力を借りて歩いていると、
ホテルが近づいてきた実感が湧いてきます。
ホテルへの道も雰囲気があって、ワクワクします。
ホテルの姿が見えてきました。
あの丸っこい塔がラプンツェルの塔に違いありません。
ラプンツェルの塔【古城ホテル-ブルクトレンデルブルク】
この橋の向こうがいよいよホテル。
橋を渡る感じが風情があります。
橋の手前にはラプンツェルをモチーフにした顔を入れられる看板。
すぐそばに併設レストランのメニュー。
橋からの景色。
入り口をくぐる前に塔から垂れ下がるラプンツェルの髪の毛を発見。
ここから王子様が塔を登って行ったのですね。
三つ編みの最後はリボンで縛られているのかな?
そしていよいよ橋をくぐり、
その先にホテルの入り口が見えました。
無事ホテル到着!
中では一足先に到着した友人がちょうどチェックインしている最中でした。
結果として電車乗り間違えのアクシデントはあったものの、
外はまだ明るく、しかも遅れた友人とほぼ同時刻に到着。
ダメージは最小限で済んだのではないでしょうか。
全てのタイミングがちょうど良かった。
これからは古城ホテルを楽しむだけです。
チェックインのあとは部屋に向かいます。
ドイツで最初の古城ホテルと言われている”ホテル-ブルク-トレンデルブルク”は、
昔はトレンデルブルク城という名前のお城でした。
今でもその雰囲気は充分残っていて、本当にお城の中を歩いている感じ。
部屋に行く途中に通る階段や踊り場もすべてが現役のお城のようです。
ドイツでは貴族が住むようなキラキラのお城はシュロス(Schloß)、戦う騎士が住むお城はブルク(Burg)と違う単語で区別しています。
Burgはお城というより要塞という単語がぴったりきます。
この古城ホテルの名前は”Hotel Burg Trendelburg(ホテル ブルク トレンデルブルク)”と、ブルクがついているので元は要塞の方のお城です。
内装も華やかというより、重厚という雰囲気がぴったり。
飾られてある家具を見ても重々しいです。
盾や剣が飾られていてやはり元要塞という感じが漂います。
鎧もあるし。
肖像画に描かれているのはかつての城主でしょうか。
暗い赤を基調にした造りになっています。
なかなか恰好いいです。
そして部屋はこちら。
部屋の中は明るめの可愛らしいしつらえになっています。
そして手作り風のウエルカムケーキがおいてありました。
クッキーやグミならよく見かけますが、
チョコレートケーキがおいてあるとは流石のおもてなし。
お味もしっとりしていて美味しかったです。
部屋の中をざっとみて荷物を置いた後は、さっそこうホテルの外を散策です。
特にホテルの隣にあるラプンツェルの塔には明るいうちに絶対登らないと。
ラプンツェルの塔に登る
ラプンツェルの塔は、ホテルの隣にあります。
予想通り、ホテルの敷地に入る際に外から見えていたのが塔でした。
さっきラプンツェルの髪を伝って王子が塔を登ったであろう、
という箇所に束ねた髪が垂れ下がっていた塔です。
こちらが入り口。
本当にラプンツェルの話に出てくる塔にそっくり・・・というかこれが童話のモチーフの一つになったのは間違いない、という感じ。
ただ、かわいいというよりはおどろおどろしい。。。
子ども用に書かれたハッピーエンドでかわいい童話というよりは、
もともとのグリム童話の恐ろしい面が前面に出ている塔にみえます。
塔の外観からだけでも要塞・幽閉という単語がピッタリきます。
ホテルのフロントの方が言うには、ホテル宿泊客は24時間いつでも塔に登っていいとのことですが、暗くなってから登るのはちょっと勇気がいりそう。
17時過ぎでまだ明るい今のうちに登ることにします。
入ってすぐ上と下への階段がありました。
どうやら地下もあるようですが、まずは上を目指します。
途中までは薄暗いながらも普通に登れます。
塔の中にはラプンツェルのモチーフで作られた作品は舞台の紹介などもありました。
しかし飾られている騎士や全体の雰囲気はやはり最初の印象通り、
可愛いメルヒェンというイメージとは程遠く、”幽閉”という単語がピッタリ。
騎士が塔を守ってくれているのだろうか。
侵入者の私たちは見張られているような気がしないでも・・・
これは日本の侍???
塔の途中、ラプンツェルの髪を伝って塔を登ったという童話のストーリーを
イメージした場所がありました。
ここが塔の中で一番ラプンツェルを思わせる場所です。
ラプンツェルの髪の毛はまるで頑丈なロープのようです。
これだけしっかりしていれば確かに塔の上まで登って来られそうです。
よく見ると壁から外に出ていくようです。
これが外から見た塔に髪の毛が垂れ下がっていた箇所とつながっているのかな。
そしてこれまた塔の途中に、下をのぞける箇所がありました。
そこから下をのぞいてみると!
地下に幽閉されたまま一生を終えたxxがこちらを見ていました。
(勘の良い人はピンとくると思いますが、xxが何かを知りたい人は最後で)
んー、ただでさえ幽閉感の漂う塔の地下に、
更に厳しい完全なる幽閉部屋があるようです。
そして、更に塔の上を登り続けます。
上の方はこれまでより更に細くて急な螺旋階段になっていました。
しかも下が丸見え構造!
この造りは結構怖く、高所恐怖症の人は多分無理かも。
一人立ち止まるとそこで完全に人の流れがストップしてしまうので、
怖くなっても頑張って登るしかありません。
幸い私たちの他は誰もいなく貸し切りで登れたので良かったです。
これが頂上からの眺め。
オレンジの屋根を見るとドイツの都市だなって思います。
とはいっても住宅があるのはほんの一部であとはひたすら自然がいっぱい。
町の様子が一望できます。
緑と山が大半を占め、民家はほんの少し。
しばらく塔の上で眺めを楽しんだ後、下に降ります。
再び螺旋階段を降りて地上に戻り、
そのまま来るときは見なかった地下に進みます。
地下に行ったらさっき上から眺めたxxに遭遇するのか?
地下に入ってすぐ陳列されているのはがっちりとした鉄製の
いかにも頑丈そうな手錠みたいな何か。
内側にとげの突起がついている。。。
何かと思ったら、なんと拷問器具だそうです・・・
大きな城の地下には拷問部屋があることも多いけど、
こんな小さな塔の地下に拷問部屋があるとは・・・
幽閉という単語がぴったりくる塔だと感じていましたが、
本当に地下では拷問が行われていたようです。
ここにしれっと展示されているのもちょっと怖いです。
更には本物かわかりませんが、つるされた骸骨までありました。
しかし、地下の全てを見終わっても、先ほど上から私たちを見ていた
骸骨はいませんでした。
ということは出入り口がない幽閉部屋にいるということなのか・・・
そう、先ほど塔の途中から下をのぞいたときに目が合ったのは
こちらを恨めしそうに見ている骸骨なのでした。
地下は長く滞在する雰囲気ではなかったので、さくっと終了。
塔の外に出ます。
ホテルのフロントの人に24時間いつでも塔に行っていいよ、
と言われたけど夜にここに来るのは怖すぎる・・・
今行っておいて良かったです。
まだ暗くなるまで少し時間があるので、夕食前にちょっとだけホテルの外に出て
町の散策に行く事にします。
とはいってもさっき塔の上から眺めた時は、周りには何もなく、本当にこの古城ホテルがメインの町だとわかったので、さっくり夕食前の腹ごなし程度に軽く回ります。
実際回ってみると教会と市庁舎があるちょっとした広場が町の中心で、
その他は民家ばかり。
どんな小さな都市にもある教会。
市庁舎のようです。
市庁舎の掲示板にラプンツェルの写真が。
さっき塔の髪の毛が下がっている箇所を見た時は窓が閉まっていましたが、
この写真では窓が開いていてラプンツェル風女子が微笑んでいます。
どこで撮ったのだろう?
塔の別の場所、それとも写真用に塔の窓を開けたのかな???
と思っているとそこに人懐っこい猫が現れたので、
思わず戯れてしまいました。
カメラを向けると目を背けるけど、なでさせてくれてかわいい猫でした。
まるまるとして毛づやもよかったので誰かに飼われているのでしょう。
そのあとお水を買おうと思ってちょろちょろしたのですが、
たまにあるパン屋さんや軽食屋さんも今の時間は全部閉まっていました。
結局お水は買えずじまい。。。
ホテルが夕食・朝食付きなのがわかりました。
お店がないから泊り客はホテルで食べるしか選択肢がない。
こんなに小さな町なのに何匹もの猫に会いました。
満足してホテルに戻ると、ホテルにも猫がいました。
この猫も良い子で触らせてくれました。
猫好きにはたまらん。
癒されますね。
首輪をつけていたのでこのホテルで飼われているかも。
これが私たちが泊っている古城ホテルの外観。
ホテルの隣に見学した塔があります。
中庭もなかなか風情があってよい感じです。
建物の先にレストランのテラスがあって、そこも見晴らし良かったです。
こちらがテラス。
テラスからの眺めもいい感じ。
こんな風に散策している間にちょうどレストラン開店の18時になったので、
もう一つのお楽しみ、レストランでの食事を楽しむことにします。
ホテル内の眺めがよい素敵レストランで夕食
本日のメインイベントの一つ「素敵レストランで夕食」です。
フロントに降りて右手に行くとそこがレストラン。
レストランは「かわいい!」の一言。
景色もよく、内装もかわいらしく、しかも私たち専用のメニューが用意され、
一番上には私たちの名前が。
しかもラプンツェルにあやかってか、宛名がxxxプリンセス!
真ん中に立っているのがメニュー表です。
まさか、自分がプリンセスと呼ばれることがあるとは(笑)!
これが私たちが案内された席。
コースはスープとメインとデザートと決まっており、
あとは自由に食べ物に合う飲み物をオーダーします。
私は前菜には白ワイン。
メインには赤ワイン。
デザートはコーヒーをオーダー。
ゆっくり休暇に来られる環境、それを友人の楽しめる状況、
食事もそれに合うワインも、サービス担当の親切なドイツ人
お兄さんとの話も弾み、完ぺきな時間でした。
その後ちょこっと夜の周辺散歩へ行きました。
夜のラプンツェル塔。
ライトアップで垂れ下がっているラプンツェルの髪の毛が目立ちます。
朝食そして地下散策
朝は再び素敵レストランにて朝食。
通常ならばバイキングのようなのですが、
コロナ渦ということもあり、私たちの名前が書かれた
席に座り、サービスを待ちます。
チーズにハムにパンにコーヒーオレンジジュース、ヨーグルト
ムスリにサラダにメインの卵料理があったので
これで充分満足でした。
朝食後フロントの側を通ると、見知らぬ地下へのドアを発見しました。
フロントの人が見学に行ってもいいよ、というので早速見学。
何の部屋かと思ったら、パーティ会場でした。
ここで結婚式が行われたりするようです。
楽しかったトレンデルブルクの古城ホテル滞在もそろそろ終了、
チェックアウトの時間です。
チェックアウトの後、少しだけ時間があったのでもう一度塔に登ることにします。
最後にもう一度ラプンツェル塔へ
螺旋階段を登って塔のてっぺんへ。
昨日の曇り空よりは少し明るい景色が見えるかな?と思ったけど
本日も曇り空であまり変わりませんでした。
この下がちょうどホテルの入り口ですね。
最後まで古城ホテルを楽しんで、
名残惜しいですがいよいよ出発。
次の都市に向かいます。
さようなら、古城ホテル。。。
久し振りのドイツ旅行が楽しく、あまりにも素敵だったので、思わず本日取った写真を
東京にいる欧州好きのお友達のお母さんに送ってしまいました。
旅行の写真を送ったのは初めてだったので、突然びっくりしたかな、
と思いましたが、気に入ってくれたようで、なんとブログで紹介してくれました。
ヨーロッパ好きとのことで、もう7-8年くらい前に
最初にハンブルクでお会いしたのが縁で、それ以来
私が東京に行く時にはいつも食事に連れて行ってもらっています。
今はコロナで旅行もままならない時期なので、余計喜んでくれたようです。
https://ameblo.jp/makotoarakimama/entry-12698743122.html
次の都市はヴェルニゲローデ
トレンデルブルクを離れてこれから新しい都市、ヴェルニゲローデに向かいます。
ヴェルニゲローデはここからローカル電車で2時間くらい、ハルス地方にあり、
可愛らしい木組みの家と、魔女の町として有名な都市です。
そしてラプンツェルの城のモデルになったと言われるヴェルニゲローデ城があります。
(今日いるホテルトレンデルブルクはラプンツェルの塔のモデルとして有名です。
レストランのお兄さんに「明日ヴェルニゲローデに行く」と言ったら
「ライバルだね、オリジナルはうちだから(笑)」言われました。)
更にヴェルニゲローデはブロッケン山行きの鉄道の出発地点でもあります。
ドイツに残る【4月30日の夜に魔女が集まり饗宴をする「ヴァルプルギスの夜」伝説】
とはこのブロッケン山の山頂のお祭りだそうで、その様子は
ゲーテの「ファウスト」にも登場しています。
一度行ってみたいと思っていた都市なのでとても楽しみです。
明日の旅へつづく
ドイツで快適な生活を送るために
電車を乗り間違えた時に助けてくれた隣の席の人、バス停がわからなかった時そこまで連れて行ってくれた親切な人、ベストな行き方を教えてくれたバスの運転手さん、仲良く会話してくれたホテルのレストランの人。
ピンチの時に色々な人の助けを借りながら問題を解決して、無事に目的達成できたのもすべてドイツ語を習得していたから。
もしすべてを英語で解決しようとしていたら、ホテルへの到着時間がもっと遅れたり、最悪たどり着けない可能性もあったかもしれません。
現地で生活する上で現地の言語ができて損することは一つもありません。
もしこれを読んで効率よくドイツ語を学びたい、
と思った方はぜひ私が書いたこの記事を読んでみて下さい。
更にドイツ語をもっと学びたいという方はこちらもぜひ。
https://coconala.com/services/651103
当ブログの人気記事「ドイツ語会話で必要な文法はこれだけでいい!」を改良し、わかりやすくまとめました。
テキスト部分と学習ノートの2部にわけ、例文も盛りだくさんです。
最短で効率よく実用ドイツ語をマスターするために、ぜひお役立てください。
ドイツ語会話に最低限必要な4つの文法教えます ドイツ在住・留学、実用ドイツ語会話を今すぐ身に着けたい方へ
オプションで、テキストに関する質問、その他ドイツ生活に関する質問も受け付けています。
その他、ドイツ語やドイツ生活に関するご希望テキストがあればリクエストを受け付けます。
お気軽にメッセージをお寄せ下さい。
ハイデルベルク大学修士卒業・ハンブルクの企業で代表を務め、社内ベンチャーで異業種起業をして繁盛店にする。
記事執筆・翻訳通訳・ドイツ語個人レッスン経験あり。
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