ドイツ語日常会話【Es gibt ~/ ~がある】の説明と具体例

ドイツで生活していると毎日のように使うドイツ語がいくつもあります。

「Es gibt ~ / ~がある」というドイツ語もその一つです。

 

ドイツ語の日常会話を学習中の方、


ドイツ語の「Es gibt~」って日常会話でよく聞くけど、どう使えばいいかわからない。簡単な文法説明や使い方の具体例を知りたい。

 

このページではこのような疑問にお答えします。

 

 

前半は「es gibt ~」の意味と文法上の決まり、後半は具体例を交えた使い方についてご説明します。

 

 

ドイツ語【es gibt】の意味と文法上の決まり

 

「es gibt~」(エス ギープト)は”es”と”gibt”の二つの単語から成り立っていますが、

単体の単語を合わせた意味ではなく、両方合わせて”~がある”という意味になります。

  • “es gibt~”の意味: “~がある”

 

英語だと”There is ~” と似た表現になりますが、

英語と違って”There are”という複数形はなく、

常に”Es gibt~”の形で使います。

 

【Es gibt ~ / ~がある】以外の意味

“es gibt~”の大元の意味は「~がある」ですが、日本語でいう「~がある」という意味だけではなくそこから派生する他の場合にも使うことがあります。

以下に使用例を紹介しますが、すべて「~がある」から派生した意味になります。

一つ一つの日本語を暗記するのではなく、すべて元は「~がある」から来ているというイメージを持ってください。

そうすると誰かに言われた時も理解しやすいですし、自分でもどんな時に使えばいいかわかるようになってきます。

es gibt ~の3つの意味: 

  1. ~がある
  2. ~がいる
  3. ~になる

 

1.~がある

es gibt ~のもっとも代表的な意味は「~がある」です。

家がある、駅がある、本がある、パソコンがある、理由がある等々、具体的な物にも抽象的な物にも使えます。

ドイツ語の具体例は後半でご紹介します。

 

2. ~がいる

日本語では物を指す場合には”~がある”、人がいる場合には”~がいる”と区別しますが、

ドイツ語では人でも物でも区別なくどちらも”es gibt~”を使います。

子供がいる、サンタがいる、テニス選手がいる、Aさんがいる、等誰にでも使えます。

こちらも具体例は後半でご紹介します。

 

3. ~になる

その他の”es gibt~”の意味として、~になる、~が起きる、~が生じる、などの意味に使われることもあります。

日本語だと色々な言い方になりますが、どれも根底にある意味は”~がある”と同じです。

日本語での言い方を覚えるのではなく、xxがある、ということを言っているという本質を理解するのが言語習得の近道です。

例えば、雨になる、(クリスマスは)ご馳走だ、(夕食には)ビールが出る、戦争が起きるなどの使い方をします。

どれも原意の”~がある”形、つまり、雨がある、(クリスマスは)ご馳走がある、(夕食には)ビールがある、戦争がある、を違う日本語に置き換えただけで本質は変わっていません。

置き換えた日本語ではなく、原意の”~がある”を覚えておけば、どんな表現をしたいときに”es gibt”を使えばいいのかわかってきます。

 

次は”es gibt~”の文法上の決まりをご説明します。

そんなに難しくはありませんし数もたった3つですので

ここで覚えてしまいましょう。

 

文法上の決まり

“es gibt~”の文法上の決まりで大切なのは以下の3つです:

1.平叙文の形、2.疑問文の形、3.”es gibt ~”の”~”の部分に来るもの。

 

  1. 平叙文の作り方: Es gibt ~ → (意味)~があります。: 文法上はEs が文の最初、2番目に動詞のgibt が来ます。しかしEsはいわゆる仮主語というもので、意味は持ちません。
  2. 疑問文の作り方: Gibt es ~ → (意味)~がありますか?: 疑問文なので最初に動詞のgibt, その後に主語のesが来ます。esは仮主語で意味はありません。
  3. “es gibt ~”の”~”の部分に来るもの → 形式 Es gibt + 4格名詞: “~がある”、ですから必ず”~”の部分で”何が”あるのかを伝える必要があります。文法的には”~”の部分には必ず4格の名詞がきます。

 

“es gibt ~の後に4格名詞の目的語”が必ず必要、これが最重要です。

★Es gibt + 4格名詞

 

次はドイツ語の日常会話でよく使う”es gibt の具体例”をご紹介します。

ドイツ語【es gibt~】の具体例

ドイツ語の日常会話で使われる具体例を大きく3つに分けてご紹介します。

1.基本形【es gibt +4格名詞】

 

“es gibt”の後に来る4格名詞は男性名詞・中性名詞・女性名詞・複数形(すべての性で同じ形)の4種類があります。

具体例基本形

平叙文: es gibt + 4格名詞 / ~がある

  1. Es gibt einen Baum. (エス ギープト アイネン バウム)「木がある」4格男性名詞
  2. Es gibt ein Haus.(エス ギープト アイン ハウス)「家がある」4格中性名詞
  3. Es gibt eine Flasche. セス ギープト アイネ フラッシェ)「ビンがある」4格女性名詞
  4. Es gibt Stühle. (エス ギープト シュトゥーレ)「椅子がある」4格複数形

疑問文: Gibt es + 4格名詞 / ~が(は)ありますか?

  1. Gibt es einen Baum? 「木がありますか?」4格男性名詞
  2. Gibt es ein Haus?  「家がありますか?」4格中性名詞
  3. Gibt es eine Flasche?「ビンがありますか?」4格女性名詞
  4. Gibt es Stühle?「椅子がありますか?」4格複数形

 

2.Es gibt +4格名詞+修飾語句

次に応用編としてEs gibt +4格名詞+修飾語句の形をご紹介します。

修飾語句をつけると「~がある」と合わせてより複雑な表現が可能になります。

ドイツ語の日常会話で一番よく使うのがこの形です。

特に知らない場所へ行ったとき、この形の疑問形をマスターしておくととても便利です。

 

Es + gibt + 4格名詞+場所

  1. Es gibt eine Bank neben der Kirche.「銀行は教会の隣にあります 」
  2.  Es gibt hier in der Nähe ein leckeres Restaurant.「この近くに美味しいレストランがあります」
  3. Es gibt einen Supermarkt vor der Schule. 「学校の前にスーパーマーケットがあります」
  4. Es gibt solche Männer. 「そういう男性たちもいます」
  5. Es gibt eine gute Idee. 「ひとつ良い考えがあります」
  6. Es gibt einen guten Grund dafür.  「それには充分理由があります」
  7. Es gibt bald regen. 「もうすぐ雨になります」

 

場所 + gibt + es + 4格名詞

ドイツ語では動詞が文の2番目にくれば主語はどの場所に来ても大丈夫です。

そのため、場所を強調した時などは、場所を表す単語が文頭にきてそのあと動詞gibtが来て3番目に仮主語のes が来ることも多いです。

  1. Hinter der Post gibt es eine gute Café. 「郵便局の後ろにいいカフェがあります」
  2. In der Nähe gibt es einen Parkplatz. 「近くに駐車場があります」
  3. An dem Schalter gibt es Briefmarken. 「切手は窓口にあります(窓口で買えます)」
  4. In der Schule gibt es noch Schüler. 「学校にはまだ生徒たちがいます」

 

3.疑問文 (Wo/Was) + gibt es + 4格名詞

es gibt の疑問形の基本形はgibt es (~はある?)になります。

さらにWo(どこ)やWas(何)を加えて”Wo/Was gibt es + 4格名詞”(~はどこに/何がある?)という使い方もします。

「お勧めのレストランはありますか?」「中央駅はどこにありますか?」など、

“es gibt”の疑問形は知らない場所、特に旅行に行ったときにものすごく使います。

便利なので、ぜひ暗記しておくことをお勧めします。

 

疑問文 Gibt es + 4格名詞 → ~はありますか?

・この近くにいいレストランはありますか。
Gibt es hier in der Nähe ein gutes Restaurant?
(ギープトゥ エス ヒアー イン デア ネーエ アイン グーテス レストラン?)

この近くに公衆トイレはありますか。
Gibt es hier in der Nähe eine öffentliche Toiletten?
(ギープトゥ エス ヒアー イン デア ネーエ アイネ オッフェントリッヒェ トイレッテン?)

・近くに駐車場はありますか。
Gibt es  in der Nähe einen Parkplatz?
(ギープトゥ エス イン デア ネーエ アイネン パークプラッツ?)

 

【hier in der Nähe gibt es + 4格名詞/ この近くに~4格名詞)はありますか? 】

“ヒィアー インデアネーエ ギープト エス ・・・”のフレーズを旅先で何度

使ったことか。

おすすめ3つ暗記必須ワード:

  1. この近く→hier in der Nähe 
  2. ここに→hier
  3. 近くに→in der Nähe

 

疑問文 Wo/Was + gibt es + 4格名詞 → ~はどこに/何がありますか?

・中央駅はどこにありますか。
Wo gibt es den Hauptbahnof?
(ヴォ― ギープトゥ エス ハウプトバーンホーフ?)

・トイレはどこにありますか。
Wo gibt es Toiletten?
(ヴォ― ギープトゥ エス トイレッテン?)

・今日のお昼ご飯はなに?(家庭などで)
Was gibt es heute zu essen?
(ヴァス ギープトゥ エス ツー エッセン?)

・付け合わせは何ですか(レストランなどで)
Was gibt es dazu?
(ヴァス ギープトゥ エス ダツ―?)

 

3.慣用句として使われる【es gibt ~】

最後に日常会話でよく使われるものをいくつかご紹介します。

  • Was gibt es neues bei dir ? / 何か新しいことあった?

知り合いや友人と会う時最初の挨拶代わりによく使われます。

最近どうしてる?くらいの意味で、会話のきっかけに使ったりします。

 

最近ネットなどで毎日のように見る表現はこちら:

  • Was gibt es Neues von corona? / コロナに関して何が新しく起こったか
  • Was gibt es Neues in Hessen Coronavierus? / ヘッセン州でコロナウイルスに関して何が新しくあったか

 

この表現も会話でちょくちょく出てきます。

  • So etwas hat es noch nie gegeben. / そんなこと今まで起きたことがない(前代未聞だ)

 

次は今までの重要ポイントのまとめです。

ドイツ語【es gibt ~】まとめ

es gibt ~の3つの意味: 

  1. ~がある
  2. ~がいる
  3. ~になる

 

es gibt: 文法上の3つの決まり

1.平叙文、2.疑問文、3.”es gibt ~”の”~”の部分に来るもの:

  1. 平叙文の作り方: Es gibt ~ → (意味)~があります。: 文法上はEs が文の最初、2番目に動詞のgibt が来ます。しかしEsはいわゆる仮主語というもので、意味は持ちません。
  2. 疑問文の作り方: Gibt es ~ → (意味)~がありますか?: 疑問文なので最初に動詞のgibt, その後に主語のesが来ます。esは仮主語で意味はありません。
  3. “es gibt ~”の”~”の部分に来るもの → 形式 Es gibt + 4格名詞: “~がある”、ですから必ず”~”の部分で”何が”あるのかを伝える必要があります。文法的には”~”の部分には必ず4格の名詞がきます。

★Es gIbt + 4格名詞

 

【es gibt ~】具体例

es gibt: 具体例 基本形

平叙文: es gibt + 4格名詞 / ~がある

  1. Es gibt einen Baum. (エス ギープト アイネン バウム)「木がある」4格男性名詞
  2. Es gibt ein Haus.(エス ギープト アイン ハウス)「家がある」4格中性名詞
  3. Es gibt eine Flasche. セス ギープト アイネ フラッシェ)「ビンがある」4格女性名詞
  4. Es gibt Stühle. (エス ギープト シュトゥーレ)「椅子がある」4格複数形

疑問文: Gibt es + 4格名詞 / ~が(は)ありますか?

  1. Gibt es einen Baum? 「木がありますか?」4格男性名詞
  2. Gibt es ein Haus?  「家がありますか?」4格中性名詞
  3. Gibt es eine Flasche?「ビンがありますか?」4格女性名詞
  4. Gibt es Stühle?「椅子がありますか?」4格複数形

 

es gibt~】 具体例応用

具体例 : Es + gibt + 4格名詞+場所

  1. Es gibt eine Bank neben der Kirche.「銀行は教会の隣にあります 」
  2.  Es gibt hier in der Nähe ein leckeres Restaurant.「この近くに美味しいレストランがあります」
  3. Es gibt einen Supermarkt vor der Schule. 「学校の前にスーパーマーケットがあります」
  4. Es gibt solche Männer. 「そういう男性たちもいます」
  5. Es gibt eine gute Idee. 「ひとつ良い考えがあります」
  6. Es gibt einen guten Grund dafür.  「それには充分理由があります」
  7. Es gibt bald regen. 「もうすぐ雨になります」

 

具体例 : 場所 + gibt + es + 4格名詞

  1. Hinter der Post gibt es eine gute Café. 「郵便局の後ろにいいカフェがあります」
  2. In der Nähe gibt es einen Parkplatz. 「近くに駐車場があります」
  3. An dem Schalter gibt es Briefmarken. 「切手は窓口にあります(窓口で買えます)」
  4. In der Schule gibt es noch Schüler. 「学校にはまだ生徒たちがいます」

 

具体例 : 疑問文 Gibt es + 4格名詞 → ~はありますか?

  1. ・この近くにいいレストランはありますか。
    Gibt es hier in der Nähe ein gutes Restaurant?
    (ギープトゥ エス ヒアー イン デア ネーエ アイン グーテス レストラン?)
  2. ・この近くに公衆トイレはありますか。
    Gibt es hier in der Nähe eine öffentliche Toiletten?
    (ギープトゥ エス ヒアー イン デア ネーエ アイネ オッフェントリッヒェ トイレッテン?)
  3. ・近くに駐車場はありますか。
    Gibt es  in der Nähe einen Parkplatz?
    (ギープトゥ エス イン デア ネーエ アイネン パークプラッツ?)

 

旅行でよく使う表現: この近くに~はありますか?

  • 【hier in der Nähe gibt es ~ 】(ヒィアー イン デア ネーエ ギープト エス ~)

おすすめ暗記ワード:

  1. この近く→hier in der Nähe 
  2. ここに→hier
  3. 近くに→in der Nähe

 

 

疑問文 Wo/Was + gibt es + 4格名詞 → ~はどこに/何がありますか?

  1. ・中央駅はどこにありますか。
    Wo gibt es den Hauptbahnof?
    (ヴォ― ギープトゥ エス ハウプトバーンホーフ?)
  2. ・トイレはどこにありますか。
    Wo gibt es Toiletten?
    (ヴォ― ギープトゥ エス トイレッテン?)
  3. ・今日のお昼ご飯はなに?(家庭などで)
    Was gibt es heute zu essen?
    (ヴァス ギープトゥ エス ツー エッセン?)
  4. ・付け合わせは何ですか(レストランなどで)
    Was gibt es dazu?
    (ヴァス ギープトゥ エス ダツ―?)

 

慣用句として使われる【es gibt ~】

  1. Was gibt es neues bei dir ? / 何か新しいことあった?
  2. Was gibt es Neues von corona? / コロナに関して何が新しく起こったか
  3. Was gibt es Neues in Hessen Coronavierus? / ヘッセン州でコロナウイルスに関して何が新しくあったか
  4. So etwas hat es noch nie gegeben. / そんなこと今まで起きたことがない(前代未聞だ)

 

いかがでしたでしょうか。

この記事で少しでもドイツ語のes gibtの使い方をわかってもらえたら嬉しいです。

効率よくドイツ語を学ぶには

ドイツ語は英語に比べて文法がややこしい、と言われています。

確かにざっくり見てもドイツ語には英語にないこれだけの文法上の決まりがあります。

 

ドイツ語と英語の文法上の違い:

  1. 名詞に女性名詞・男性名詞・中性名詞の3つの性があること(英語にはない)
  2. 主語によって動詞の形容が変わること(英語には3人称単数のsのみ)
  3. 様々な形の複数形が存在すること(英語の複数形はsが大半)
  4. 形容詞の形も変化すること(英語は変化なし)
  5. てにをは、によって定冠詞と不定冠詞が変化する(英語はtheとa/anのみで変化なし)

 

ここでつっかかってドイツ語学習を挫折してしまう人が多いのも事実です。

しかし、それではもったいなすぎる。

日常ドイツ語でこれらをすべて覚える必要はありません。

それではどれを覚えればいいのか???

 

ドイツ語の日常会話で最低限覚えればいい文法とは?

私はその一定の答えを出しました。

 

ドイツ語学習中の方、またはこれからドイツ語学習を始めようと思っている方はまず最初にこの記事をご一読下さい。

今後のドイツ語の学習効率があがると思います。

ってよく聞きます。 女性名詞、男性名詞、中性名詞、と聞くだけでもうおなか一杯っていう人もいるかもしれません(^^)/。 気持...

 

記事を読んでもっと詳しく知りたい、と思った方はこちらもご覧ください。

https://coconala.com/services/651103

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ハイデルベルク大学修士卒業・ハンブルクの企業で代表を務め、社内ベンチャーで異業種起業をして繁盛店にする。

記事執筆・翻訳通訳・ドイツ語個人レッスン経験あり。

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