インターネットの発達で、今は以前より海外とのコンタクトが簡単になりました。
海外旅行に行くときも、自分でネットを使って飛行機やホテルを取ることもできます。
ただ、それにともなって外国語の文章を読んだり、問い合わせやトラブル時など、外国語でメールを書く機会も増えてきます。
読むだけならまだしも、外国語でメールを書くのは少し敷居が高いですね。
短いメールならほんの数秒の差かもしれませんが、文章が複雑になってくると、コツを知っているのと知らないのとでは大違い!
ドイツ語を例にしますが、全ての言語に応用可能です。
ぜひこのコツをマスターして、日本と同じ気軽さで海外に問い合わせできるようになりましょう!
外国語の文章を日本語に訳さないこと!
例えば、あたなはドイツに旅行の予定をたて、ネットでホテルを探しています。
ドイツ語のサイトがたくさん出てきたとき、あなたは最初に何をしますか?
あなたに必要なのは、【どんな情報が書いてあるのか理解すること】だけです。
つまり最初は、”大まかな概念だけ”理解します。
あー、ここは「ロケーションの説明」、「空き部屋状況と部屋の値段ね」次は「ホテルについているアメニティ」ここは「注意事項の欄」だな。
こうやって大まかに判断するだけでいいのです。
そして優先順位を決め、そこだけ集中します。
私にとって値段とロケーションが大事だから、値段と地図だけみよーっと。
そして候補のホテルを一つか二つに絞ります。
ホテルが絞られあと、先ほどはみなかったアメニティや注意事項などにもざっと目を通します。
その時も、すべてを読むのではなく、全体にざっと目を通しつつ、気になる単語に集中する感じです。
チェックインの時間とWi-Fiの有無は知りたいな。
“check-in” と”WLAN”の単語に注目しよーっと。
質問全体は日本語で考える、ただし名詞はドイツ語で
ドイツ語の文をざーっとみているうちに、頭がだんだんドイツ語になってきます。
特に名詞はそのままドイツ語で頭に浮かんできます。いちいち日本語にする必要性がないからです。
例えば、Wi-Fi(ワイファイ)はドイツ語でWLAN(ヴェーラン)といいます。一回意味を知ってしまえば、”WLAN”単語を探す方がずっと楽です。
しかも、実際メールを書くときに”WLAN”という単語を使うので、最初からWLANと覚えておく方が断然”効率的”です。
てことは、室内にはWLANないのかな、それとも有料だけどあるのかな?
ドイツ語で問い合わせの文章はこう作る!
WLANのことについて問い合わせたいので、ホテルにメールを書くことにします。
問い合わせの文章を作るのですが、このときに大切なのは、【最初からドイツ語で文章を作成する】ことです。
ドイツ語で文を書く手順
1.質問を日本語で頭の中ではっきりさせる【有料のWLANが部屋にあるのかききたい】
2.どうやって質問するか、ドイツ語でいくつかバリエーションを考える(簡単でわかりやすいものでOK。ネイティブのように書こうとしなくていい)。
- Gibt es im Zimmer ein WLAN mit Kosten?
- Könnten Sie mir informieren, ob im Zimmer ein WLAN mit Kosten existiert.
- Ich hätte eine Frage, ob in jedem Zimmer ein WLAN verwendbar ist, auch wenn mit Kosten?
- Ich bin informiert, dass es im offentlichen Bereich ein WLAN gibt, jedoch gibt es im Zimmer ….
このとき注意するのは、【ネイティブのようにちゃんとしたドイツ語を書こうとしなくていい】ということです。
外国人が書いているのは相手もわかっているので、質問の意味さえわかってもらえればそれで大丈夫です。
立派な文を書こうとすると、それだけ敷居が高くなって、面倒になってしまいますから、【まずはできるだけ簡単でも書いてみる】ということが大事です。
短い文をいくつか書くのもいい方法です。
逆に、絶対してはいけないのは【日本語で問い合わせ文章を考える】ことです。
1.室内に無料のWLANはないそうですが、有料のWLANはありますか?
2.部屋にWLANは存在してますか?
3.WLANは公共の場なら無料と書いてありましたが、各部屋に有料のWLANはあるのでしょうか?
時間の無駄だから、絶対やめて!
応用編【もっと複雑なテキストを効率よく書く】
今のはホテルの問い合わせメールでしたが、この方法を使って、もっと複雑な文章を素早く書くこともできます。
例えば、大学で勉強をするとレポート提出は必須です。
多くの本を読んで内容を理解し、テーマに沿って自分の論文の構成を考えレポートを仕上げるわけです。
私の場合、特に100ページを超す卒論を書くときは、苦労しました。
ドイツ語で考えても深く考えることができず、かといって日本語だけで考えても、どうも先に進みません。
以下の方法で書かなければ、たぶん卒論を仕上げることはできなかったでしょう。
こちらがその方法です。
ちなみに、卒論で書いたのはドイツ言語学。読むテキストはすべてドイツ語。書く文章も全部ドイツ語でした。
1.すべてのテキストをざっと一度読む。全体を把握するため。なるべく辞書も使わない
2.もう一回使うと思われるすべてのテキストを読む。今度は多少辞書を使ってもいい
3.論文のテーマ、全体の構成を”日本語で”考える。ただし、日本語で考えるのはテーマと構成のみの大まかなところだけ!その場合も専門用語や名詞はできるだけドイツ語を使う
4.最初の導入は飛ばして、構成1に関するテキストを読みつつドイツ語で書き始める。
5.読んでいるテキストが複雑で構成の考えがまとまらないときは、その部分の構成を日本語で簡単に箇条書きする。
6.日本語の箇条書きに沿ってドイツ語でひたすら書く
7.5と6を繰り返す
8.最後に導入とまとめを書く
インプットの文章もアウトプットの文章もドイツ語なので、頭で理解するのは基本的にすべてドイツ語です。
しかし、理解した情報をもとに、構成などを自分で生み出さなくてはいけない場合、外国語であるドイツ語を使っていると、全然考えが浮かばないか、子供の作文並みのことしか表現できませんでした。
かといって、【最初に日本語ですべて作ってからドイツ語にする】というのも無理でした。
なぜかというと、言語学の専門用語も概念も全てドイツ語で習っているので、【日本語で専門用語や概念の名前、そもそも日本語にそのような概念があるのか自体】知らないためです。
それで、考えた末、この方法に落ち着いたのです。
私が卒論を書けたコツ:
★【骨になる構成だけ深く思考するのが可能な母国語を使い、それ以外はできるだけ最初からドイツ語だけで考えて書く】
バイリンガルや、独り言や思考すらドイツ語に切り替えられる人であれば、まったく日本語は必要ないかもしれません。
ただ、私の場合はやはりドイツ語は外国語です。
通り一遍のことは、日本語を通さず思考からドイツ語を使うのが自然で一番早いのですが、論文などの【自分で熟考して創造する】場合は、日本語なしでは無理でした。
【ドイツ語で効率よく文章を書くコツ】のまとめ
ドイツ語で文章を書くときのコツは以下の通りです。
ドイツ語で文を書く手順
基本: 【構成を考える時だけ日本語を使い、その他は最初からドイツ語を使うこと】
1.質問を日本語で頭の中ではっきりさせる
2.ただし、名詞や簡単な単語は最初からドイツ語をつかう
3.どうやって質問するか、ドイツ語でいくつかバリエーションを考える(簡単でわかりやすいものでOK。ネイティブのように書こうとしなくていい)。
4.絶対やってはいけないのは、”日本語で書くことのバリエーションを考える”こと
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オプションで、テキストに関する質問、その他ドイツ生活に関する質問も受け付けています。
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ハイデルベルク大学修士卒業・ハンブルクの企業で代表を務め、社内ベンチャーで異業種起業をして繁盛店にする。
記事執筆・翻訳通訳・ドイツ語個人レッスン経験あり。
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