ドイツで学んだ日本文学・阿部公房【砂の女】の怖さときたら。。。

ドイツの大学で私が学んだのは、主専攻【言語学】第一副専攻【ドイツ文学】第二副専攻【日本学】でした。

【日本学】とはドイツで日本のことを学ぶ学科です。

基礎課程では、日本語習得の授業があり、いちから日本語を始めるドイツ人にとってはかなり厳しい学科だといえます。

私の場合は日本語の母国語者として、日本語の授業は免除でしたが、ドイツ語で日本史と日本文学の授業を受けるのはなかなか厳しかったのを覚えています。

日本史の授業は日本でも習いましたが、いったいいつ習ったか忘れるくらい昔の話。

しかも、日本で受けた日本史の授業とは、大学の講義で学ぶ日本史はポイントがまるっきり違いました。

 

もっとも、日本の中学時代(だったと思う)に学んだ、分厚い教科書を縄文時代から時系列で第二次世界大戦まで順番に勉強した日本史と、範囲を狭めて深く掘り下げる大学の講義では日本とドイツの国の違いがなくても、学ぶポイントが違うのは当然かもしれません。

 

日本文学も、日本でそれまで読んだことのなかった本をたくさん知ることができました。

その中で一冊印象に残った本をご紹介します。

その本とは、阿部公房作【砂の女】です。

 

An der Uni. Heidelberg habe ich Japanologie studiert.

Dort beim Literaturseminar habe ich sehr viele interessante japanische Bücher gelesen, die ich in Japan nicht gelesen hatte.

Daraus möchte ich gerne ein Buch vorstellen.

Das Buch heißt “Die Frau in den Düren” von Kobo Abe.

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【砂の女】阿部公房/【Die Frau in den Düren】Kobo Abe

作者の阿部公房は1924年(大正13年)東京生まれの作家です。

生まれたのは東京ですが、両親が北海道開拓移民だったので、本籍地は現在の旭川。

しかし、両親の仕事の都合で生後8か月から満州で育っています。

阿部公房は、満州の日本人小学校で英才教育を受けるのですが、これが後に彼の作品や思想に大きな影響を与えることになります。とても優秀で飛び級で卒業したようです。

 

日本に帰国後、高校時代からドイツ語詩人のリルケ、そしてこれまたドイツの哲学者ハイデッカーから強い影響を受けます。

fujiko

fujiko
ドイツから大きな影響を受けた日本人作家の作品を、ドイツで読むことになるとは思わなかったなあ。

阿部公房は、1948年の大学卒業後から本格的に作家活動を始めます。

三島由紀夫らと並んで第二次戦後派の作家の代表とされ、1951年には【壁―S・カルマ氏の犯罪】で芥川賞を受賞します。

【砂の女】では読売文学賞受賞。彼の作品は海外でも高く評価され、世界30数か国で翻訳出版されてました。

fujiko

fujiko
そんなに有名な人とは全然知らなかったよ~。

しかも、これをまさかドイツで学ぶとは。。。

 

Der Autor, Kobo Abe ist in 1924 geboren. In seiner Studiumzeit hat er von Rainer Maria Rilke und Martin Heidegger einen großen Einfluss bekommen.

Im Jhar 1948 hat nach dem Uni-Abschluss mit seiner autorischen Aktivitäten begonnen.

Er wurde neben Yukio Mishima als Vertreter des Schriftstellers der Nachkriegzeit angesehen und gewann 1951 den Akutagawa-Preis mit dem「壁―S・カルマ氏の犯罪/ Wall-S · Karmas Verbrechen」.

 

砂の女の女の【静かな怖さ】/Stille Furchtbarkeit der Frau

【砂の女】は1962年(昭和37年)に発表された作品です。

ある日、教師の男が海辺の砂浜に昆虫採集にやって来て、事情があって女が一人で住む砂穴に滞在する羽目になり、そのまま出してもらえないという話です。

【砂の女のストーリーとその恐怖】

話の中で、女は声を荒げるわけでもなく、暴力をふるうわけでもなく、物語は不気味ともいえるくらい静かに進行していきます。

男が閉じ込められてるとも気づかずに、女の家に滞在し、出られないと知った時の恐怖。

脱出を試みるもどうしても成功しないもどかしさ。

そんなある日、めったに出かけない女がやむを得ない事情で外出し、男に脱出の千載一遇のチャンスが訪れるが・・・。

これが怖すぎる。

出られないという物理的な怖さより、”精神的な恐怖”でゾッとくる

特に”脱出の千載一遇のチャンスの男の行動”。

あの臨場感、あの恐怖は、読んだ人しか味わえない。

 

fujiko

fujiko
こんな物語があったなんて・・・こんなおっかない、そして面白い本を日本に住んでいた時代に知らずに、まさかドイツで読むことになるとは!

 

【砂の女】は読売文学賞を受賞して、映画化もされました。

世界でも20か国語に翻訳されています。1968年フランスで最優秀外国文学賞を受賞したというのも納得です。

fujiko

fujiko
よくぞ翻訳してくれました!

 

“Die Frau in den Düren”wurde 1962 geschrieben.

Es gewann 1962 den Yomiuri-Preis für Literatur, und 1964 erschien eine englische Übersetzung und eine Verfilmung.

“Die Frau in den Düren” wurde weltweit in 20 Sprachen übersetzt. Kein Wunder, dass der Werk 1968 in Frankreich den Preis für die beste ausländische Literatur gewonnen hat.

 

【Geschichte】: Eines Tages kam ein Lehrer zum Sammeln von Insekten am Strand. An dem Tag musste der Lehrer wegen einer Umstände zu einer Frau übernachten. Ber der Frau, die in einem Sandloch lebt. Die Frau hat eine Absicht, ihn nicht vom Loch raus gehen zu lassen. Der Lehrer widersteht natürlich, und versucht, aus dem Loch zu kommen, allerdings …

 

Das ist eine sehr furchtliche Geschichte.Dabei fühlt sich mentale Furchtbarkeit stärker als körperliche.

Insbesondere “das Verhalten des Lehrers, als die Gelegenheit zur Flucht kam”, war der spannende Punkt.

Das kannt sich nur jemand fühlen, der das Buch gelesen hat.

 

【砂の女】まとめ/Zusammenfassung 【Die Frauen in den Düren】

【砂の女】ちょっと興味がわいてきませんか。

私は日本で知ることができなかった面白い本をドイツで読むことができて、結構感動しました。

作品を読むとすごく昔の作家さんのようですが、実は平成5年まで生きていた、同じ時代を生きた人だというのも驚きです。

阿部公房と【砂の女】についてまとめます。

阿部公房 1924年(大正13年)生まれの作家

満州で育ち、日本帰国後の学生時代はドイツ語詩人のリルケ、そしてこれまたドイツの哲学者ハイデッカーから強い影響を受ける

第二次戦後派の作家の代表で、1951年には【壁―S・カルマ氏の犯罪】で芥川賞を受賞

1962年に出版された【砂の女】では読売文学賞受賞、後に映画化

世界でも20か国語に翻訳されており、1968年フランスで最優秀外国文学賞を受賞した

話自体はそんなに長くないのです。

短い時間で心理的恐怖が味わえるという、夏向きの本かもしれません。

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感想(19件)

Zusammenfassung von Kobo Abe:

Kobo Abe: Schriftsteller geboren im Jahr 1924 (Taisho 13. Jahr)

In seiner Kintheit war er in der Mandschurei aufgewachsen

Während der Studiumzeit in Japan wurde er stark von dem deutschen Dichter Rilke und dem deutschen Philosophen Heidekker beeinflusst

Er ist ein der großen Vertreter des Schriftstellers der Nachkriegszeit gekennzeichnet, und gewann 1951 den Akutagawa-Preis mit 【壁―S・カルマ氏の犯罪/ Wall-S · Karmas Verbrechen】

In [Sand Woman], veröffentlicht im Jahr 1962, erhielt den Yomiuri Literaturpreis, später wurde der Werk verfilmt

“Die Frau in den Düren” wurde weltweit in 20 Sprachen übersetzt.

Der Werk hat 1968 in Frankreich den Preis für die beste ausländische Literatur gewonnen.

Die Geschichte ist nicht  besonders lang.

Falls meine Erklärung Ihnen gefallen würde, würde das Buch sehr empfehlungswert.

“Die Frau in den Düren”

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ハイデルベルク大学修士卒業・ハンブルクの企業で代表を務め、社内ベンチャーで異業種起業をして繁盛店にする。

記事執筆・翻訳通訳・ドイツ語個人レッスン経験あり。

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