ドイツのコロナ状況【初期から4月まで】

2020年の4月になりました。

ドイツでは夏時間が始まり、本来ならばとてもよい季節です。

しかし今年は思ってもいなかった世界中をパニックに陥れているコロナの影響で、生活が一変してしまいました。

状況は毎日変化し、感染者は日々増え続けています。

 

何の危機感も感じていなかった2月から3月の大変化を経て、4月になってもまだコロナは収束の気配が見えません。

 

ドイツでは政府の対策やその議論内容と対応の様子、患者の感染者数や死亡者数なども時間単位でアップデートされその我々に目に見える形で報告されています。

 

ここでは最初にコロナの事を知ってから今まで、ドイツの意識がどのように変化していったかをまとめようと思います。

 

何も危機感がなかった初期~2月

最初に私がコロナの名前を意識したのは2月ごろだったでしょうか。

そのころは中国からの発症、感染者数が多いということで、隣国の日本は大丈夫かな、と心配したのを覚えています。

「日本に帰国予定を立てていたけどちょっと危なそうだから中止した」という人の話も聞き、ヨーロッパはまだ対岸の火事ととらえていました。

変化の3月

3月に入り、イタリアでの感染者数が増えてきましたがドイツはまだそれほどではありませんでした。

「コロナがイタリアで増えてきたけど、それほど恐れることはない」という印象。

 

ドイツで初のコロナ死者が出た時も

「亡くなった人はそれなりの高齢で持病があった人。持病がない人は重症化しない」

と言われていました。

 

「感染者が外に出なければそうそう広まらないだろう。ただ、今まで以上にうがい手洗いはしっかりしよう。」というくらいの気持ちでした。

3月中旬のデュッセルドルフのワインメッセ延期・中止のお知らせ

しかし、国際的な催し物についてはだんだんと影響が出てきていました。

3月中旬に開催予定だったデュッセルドルフのワインメッセが延期、その後中止のアナウンスが出たのです。

延期のお知らせがあったのは3月初旬。

 

しかし、その時点ではまだドイツ国内のサッカーブンデスリーガ、テニスのデ杯は通常通り行われていました。

その時期はまだ「国際的なワインメッセが中止になったのはアジアからの渡航者を防いで感染防止を狙ったのかな。」

「ドイツ国内の催し物があるってことは、ドイツはまだ大丈夫っていう事かな」

くらいの感覚でした。

 

実は私もまだその時期は危機感は全然なくドイツ対ベラルーシのデ杯観戦に行き、ドイツ勝利で盛り上がりました。

私もそうですが、他の観客もコロナのことはある程度知っていたとは思います。

そのため観客も普段なら普通に行う鼻をかんだり咳に気を使っている様子がうかがわれ、いつもより衛生に気を使っていると感じたくらいです。

3月7日の出来事です。

 

3月8日最初の要請【1000人以上の集会禁止】

その後イタリアの感染者数、死亡者数がどんどん増えるにつれて、ドイツでも危機感が高まってきます。

3月8日月曜日、政府は1000人以上の集会自粛要請を出します。

これを受けて無観客試合を遂行しようとしていたサッカーのブンデスリーガ等すべての催しが即日中止の案内を出します。

昨日までデビスカップをやっていたというのに次の日にはもう全面禁止です。

決めてから実行までの時間が早い!というのが感想でした。

 

 

NRW州でも政府からの要請を受けてすぐ少なくともイースター明け4月19日まで、1000人以上の集会禁止の通達が出されました。

スポーツ・コンサート・劇場及は閉鎖、すべての公的・私的の行事は中止になりました。

 

確かにこのような状況では実行が数時間遅れるだけで結果が変わってきます。

【決めたからには即実行】は正しい判断だと思います。

 

ただし、一般庶民の感覚としてはまだゆるいものでした。

【1000人の催し物なんてそんなにたくさんあるわけでもないしそんなに困ることもないだろう。】

それくらいの意識でした。

 

ドイツ国外との国境封鎖・学校閉鎖

しかし状況は更に厳しくなります。

3月11日にはメルケル首相の全ドイツ国民に向けての演説が行われました。

民主主義のドイツで個人の自由を制限しなくてはいけない事態になったこと、そして現在のコロナ状況がどれくらい危険であるか、そして対策として個人の行動の自由を制限が今どうしても必要であること、の説明と国民への理解を求めました。

その中で私は以下の内容を国民一人一人に語り掛けるように話していたのが印象に残っています。

・ドイツは幸い高度な医療体制が整っており、人口当たりのベット数も多い。

・ドイツにとって目的は少しでも発症数を減らしピークを遅らせ、医療体制のパンクを招かないこと。

・医療体制のパンクさえ起きなければ悲劇は抑えられる。

・国は国民のためにできるだけのことをする。

 

具体的な政府の対策として、この時期からドイツ国外のリスク地域が増えてきました。

既に出ていたイタリア、フランスに続き、3月13日にはスペインマドリッド州やオーストリアチロル州などがコロナによるリスク地域に追加されます。

同時にイタリア・スイス・オーストリアへ渡航していた人たちに14日間の自宅待機要請。

 

次いで3月13日からドイツ内の学校や幼稚園の閉鎖措置も始まりました。

NRW州では当面の閉鎖期間は4月19日のイースター明けまで、その後は追って決めるという措置です。

 

ドイツ国内の感染者数もだんだんと増えてきました。

ドイツとの国境を接する東欧、チェコ・デンマーク・ポーランドが国境閉鎖、ドイツからの入国禁止などの措置を取り出しました。

 

だんだんと「大変なことになってきたなあ」という感じはしてきました。

ただ、それでも「ドイツはイタリアやフランスに比べて感染者数もまだ少ないし、死者も全然いない。ドイツはまだそこまでひどくない。」という気持ちがありました。

 

ドイツ政府もこの段階では国として「国境封鎖などの措置は必要ない」としており、

私たちも「イタリアやフランスに行くのは避けたほうがいいけど、衛生に気を付けてドイツ国内でおとなしくしていれば大丈夫」くらいに思っていました。

 

Fujiko

Fujiko
4月のイースターの小旅行、今年はドイツ国内にしておいて良かった。

イタリアやスペインやフランスを計画してたら行かれなかっただろうなあ。

なんてのんきにも思っていたのです。

 

しかも「今はちょっと大変だけど6月くらいには収まっているだろう」と、4月下旬にチケット販売が始まる6月のフレンチオープンテニス観戦の計画を練っていたくらいだったのです。

(現在はすべてのテニス大会が少なくとも7月中旬までのクローズが決定しています)

一日で劇的な変化が起きた3月15日

状況が一変したのは3月15日の夜。

 

この日は週末で私は昼間にイースターのドイツ国内旅行の予約をしたばかりでした。

 

「コロナ騒ぎが心配だけど、計画立てられるの週末しかないし今日予約しちゃおうっと。

念のためにキャンセル無料のホテルを予約して。

ドイツ政府も週末は働かないだろうから状況変わるとしても今日ではないだろう。

 

と思ったのです。

そのころはまだ今のようにネットでコロナ情報を逐一チェックするような意識はなく、

まさか、実はその日曜日に政府主要人物が集まってコロナ対策会議をしているとは思っていませんでした。

 

しかし15日の夜、スマホを開くだけで勝手に発信されてくる情報から自然に今日政府が出したさまざまな規制を知ることになります。

Fujiko

Fujiko
え?

全ての娯楽施設の閉鎖?

レストランやホテルの制限?

日用品以外の店舗の規制???

 

いきなりの規制の嵐でビックリのあまり目を疑いました。

「レストラン禁止って明日からすぐ?毎日のお昼どうしよう?ホテルダメってことはイースターの旅行は???」

疑問点がたくさん浮かんで来てそれからはずーっと情報収集していました。

 

ドイツは連邦国家なのでメルケル首相から発信された要請がそのまま決定されるわけではありません。

政府は要請を出しますが実際に決定するのは各州の首相。

つまり政府は大まかな枠組みを決めるのみで、その地域にあった具体策を出すのは各自治体という仕組みになっているのです。

各州によって微妙に規制の内容が違うのはそのためです。

今回そのようなことも新しく知ることができました。

この時点での政府の要請は以下のものでした。

3月15日のドイツ政府からの要請:

(1)以下の施設は閉鎖されない。
食料品・飲料品販売店,宅配サービス,薬局,衛生・医療関連施設,ガソリンスタンド,銀行,郵便局,クリーニング店,コインランドリー,新聞販売店,卸売店等。
これらについては,当面の間,日曜日の営業禁止が停止される予定。
(2)以下の施設は閉鎖される。
○バー,ナイトクラブ,ディスコ,酒場,その他類似の施設。
○劇場,オペラ座,コンサートハウス,博物館,その他類似の施設。
○見本市,展示,映画館,公園,体育館,宝くじ売り場,その他類似の施設。
○売春宿,その他類似の施設。
○(公共,民間を問わず)スポーツ関連施設,プール,フィットネススタジオ,その他類似の施設。
○アウトレットセンター,その他類似の施設。
○子供の遊び場。
(3)以下の行為は禁止される。
○サークル,スポーツ施設,レジャー施設における会合,市民学校,音楽学校,その他学校以外の教育施設(公共・民間を問わない)の施設の利用,バスによる旅行ツアー。
○教会,モスク,シナゴーグ,その他の宗教施設における会合。
(4)以下の規制が設けられる。
○病院,リハビリ関連施設,介護施設等の訪問の制限(面会は1日1回1時間。ただし,16歳未満の子供や呼吸器系疾患を伴う人の訪問は認められない)。
○病院,リハビリ関連施設,介護施設,大学,学校,幼稚園においては,14日以内にロベルト・コッホ研究所が指定する国内外のリスク地域に滞在した人物との接触禁止。
○新型コロナウイルスの拡散リスクを最小化するため,レストラン,食堂,ホテルではテーブル間の間隔を空け,訪問客数を抑制し,衛生上の措置を取ることを義務づける。
ドイツ国内における宿泊は,必要な場合のみに限り,観光目的に利用できない。
レストランは原則として,早くて朝6時に開店し,遅くとも18時に閉店しなければならない。

※デュッセルドルフ領事館からの引用

 

この政府の要請を受けて、私が今いるNRW州では即日、以下のような具体的な対策が発令されました。

3月15日付NRW州発表のコロナ対策:

  • 16日(月)以降、全ての遊興のための施設(バー、クラブ、ディスコ、カジノ、劇場、映画館、美術館・博物館)並びに風俗施設の閉鎖
  • 17日(火)以降、フィットネス・ジム、プール・浴場施設、サウナの閉鎖。
  • 17日(火)以降、スポーツ団体はじめ全てのスポーツ、レジャー施設における会合、市民大学、音楽教室、その他の公営・民間の教育施設の開講を禁止(※一般の学校・幼稚園の休校・休園はすでに措置済み)。
  • ショッピングセンター・ショッピングモール・家具店・アウトレットへの立ち入りは、どうしても延期できない必需品の購入のためにのみ、厳格な制約の下認められる。
  • 食糧品、現金、衣服、医薬品、その他の日用品店、銀行、商店(特に食品や飼料を販売する店)薬局・ドラッグストアの営業は継続される。
  • 図書館、レストラン、ホテルの営業については、厳格な制約を課される。
  • これらの措置は当面4月19日まで行われる。その後の対応は後日改めて決定される。

※デュッセルドルフ領事館発表からの引用

 

Fujiko

Fujiko
うわ、大変なことになった!

 

本当にそう思ったのはこの時でした。

情報収集がいつまでたっても終わりません。

 

この時ドイツ語に不自由がなくて本当に良かったと思いました。

もともと「自分で自分の世話ができないならその国にいるべきではない。」という信条でドイツに来た私にとって、ドイツ語習得は自分に課した最低限の義務ですが、実際は平時は助けてくれる人がいるので言語があまりできなくてもそれなりに楽しく生活できます。

しかし、このような非常時に発信される情報は当然のことながらすべてドイツ語です。

情報が英語や日本語に翻訳されるまで早くて数時間、遅ければ丸一日かかります。

しかも翻訳されるのは全体ではなく、最重要と思われるほんの一部の情報だけです。

 

とてもそんなのを待ってはいられませんし、有事に少ない情報から素早く適切な判断をするのはとても難しいと思います。

 

しかも今はネットになんでも情報がでる時代。

調べようと思えばいくらでも最新情報が調べられます。

 

そんなわけでしばらくネットサーフィンした結果、とりあえず今日予約したばかりのイースター旅行はキャンセルすることにしました。

(ホテルのキャンセルはすぐ簡単にできたのですが、飛行機の無料キャンセルは認められず、結局1週間後にやっと予約を数か月先に変更することができました。

あー、あと一日予約を待っていれば良かったなあ・・・)

 

テニスコートから閉鎖のお知らせ

スポーツ施設全面閉鎖ということで、結果として当然のことながら毎週プレイしていたテニスコートからも早速当面コート閉鎖のお知らせがきました。

週2回、多い時には3回やっていたテニスがなくなってしまい、「あー、本当に生活に影響が出てきちゃったなあ・・・」と改めて実感しました。

 

さらに厳しい規制ができた水曜日

しかし、15日の決定はまだ序の口でした。

16日の月曜日、毎日お昼を食べていたレストランはまだ開いており普通に食べることができました。

カフェは閉鎖されていましたが、パン屋さんはオープンしていました。

そして美容院やマッサージ店などもまだこの時点では「日常生活に必要なもの」として

オープンを許されていました。

ドイツのデパートにあたるKauhof/karstadt などもオープンしていました。

 

この時点ではスーパーの品切れもなく、ちょうど切れたトイレットペーパーも普通に買うことができました。

 

テニスができなくなった以外はまだ日常生活への影響は少なかったのです。

 

 

しかしわずか2日後の水曜日に更に状況が厳しくなりました。

ドイツ政府の要請に変更があったわけではないのですが、具体的対策を決めるNRW州の規制が厳しくなったのです。

具体的には、月曜日には開いていたデパートが閉店になります。

既に月曜から閉店のカフェと同様、電化製品店、ショッピングモールも店舗を閉めました。

また、在宅勤務が増えたことにより、昼食時にガラガラになったレストランが自主的にお店を閉めだしたのです。

   

この春めいてきた時期のドイツで空っぽのオープンカフェを初めて見ました。

 

さらに欧州委員会からの要請も出てきました。

3月17日、ドイツは欧州委員会の要請に従い、即日非EU市民、非英国市民のEUへの入域の30日間制限を始めました。

 

情報が多くなりすぎて、そして規制のスピードが速すぎてついていかれなくなってきました。

本当にあれよという間の出来事です。

 

決定的な政策が下された3月22日

それでもコロナの勢いは止まりません。

ドイツでの感染者も増え続け、もはや中国より欧州全体の方が感染者数が多くなりました。

最初は対岸の火事と思っていたアメリカも感染者が増えてきて、本当に世界の一大事になったのです。

 

この時点でドイツではまだイタリアやフランスのような外出制限は出ていませんでした。

しかしまだ毎日増え続けているコロナ対策として

「3月22日のメルケル首相と各州の州長との会談がある。そこでいよいよ外出制限が行われるのではないか」

との噂が出てきました。

 

すでにバイエルン州の一部では、政府との会合を待たずに外出制限を行っている地域がありました。

私が住んでいるNRW州も感染者数が多い地域ということで、住民の間にも「外出制限やむなし」のムードが広がっていました。

 

3月22日の政府・各州の新ガイドラインの内容

3月22日。

メルケル首相が再び新しいコロナ対策のガイドラインを発表します。

予想に反してイタリアやフランスのような「外出禁止令」は出ませんでした。

しかし、15日に発表された規制が更に強化され、各州ではなくドイツ全土において統一した規制が定められました。

こちらがその内容です。

1.メルケル・ドイツ首相が発表したガイドラインまとめ。

(1) 同居家族等以外の他人との接触は絶対に必要な最低限とすること。
(2) 公共空間において,他人との距離を必ず最低1,5メートル、可能であれば2メートル以上とること。
(3) 公共空間における滞在は単身かまたは家族以外の1名、または家族の同伴に限り認められる。
(4) 職場への通勤、緊急時ケア(託児,高齢者介護等)買い物・通院・試験や会議等重要な日程、他者の支援、個人によるスポーツ、屋外での新鮮な空気を吸うための運動やその他必要な活動のための外出は,引き続き認められる。
(5) ドイツにおける深刻な状況に鑑み、グループによるパーティーは公共の場所か私的な空間(住居)かを問わず許容されない。秩序局または警察が取り締まり、違反行為には罰則が適用される。
(6) すべての飲食店は閉鎖する。ただし配達サービスや持ち帰り等により、個人が自宅で飲食するための料理の販売は例外。
(7) 理髪業・美容サロン・マッサージ業・タトゥー業など、身体のケアに関わるサービス業は、近距離での身体の接触を避けられない職種であり、本ガイドラインに合致しないためすべて閉鎖する。ただし医療上必要な治療は引き続き認められる。
(8) 人々との接触があり得るすべての現場については、公衆衛生に関する規則を守り、従業員や訪問客に対する効果的な保護措置を実施することが重要である。
(9) 上記の措置の適用期間は最短2週間とする。

要するに外出禁止の代わりに「強度の接触禁止令」が出されたわけです。

・同居家族以外との接触は2名まで。外では常に他人と1.5メートル以上の距離をあける事。

・今まで制限付きながら営業が許されていたレストラン、理髪店、マッサージ店の完全閉鎖。

・そして違反者には罰金

 

しかも驚いたことにこの発表後メルケル首相の主治医のコロナ陽性が発覚。

会見後にこれを知ったメルケル首相はすぐさま自宅での14日間待機を発表しました。

今後の指揮は自宅で取るとのこと。

イギリスでは同時期チャールズ皇太子、ジョンソン首相もコロナ陽性を発表。

コロナ感染は誰にでも起こりうることを改めて認識した出来事でした。

 

私にとってはテニス・買い物・カフェでタンデム中止に加え、この措置で昼食の場所と毎週メンテナンスに通っていたマッサージもなくなり、とうとう本当に日用品を買う以外の行動がなくなりました。

市内の変化

次の日からますます市内には人通りが少なくなりました。

閑散とした道路。

閉店中のレストラン。

どの小売店も扉に「休業のお知らせ」を貼っています。

数少ない営業を許されている店では「オープンしていますよ」という張り紙をしています。

パン屋さんもレストランもテイクアウトはゆるされているのです。

テイクアウトのお知らせ。

日本食店は日本語でテイクアウトのお知らせも。

こちらは店舗は閉鎖中ですが、オンラインショップで購入できるというお知らせ。

こちらでは品薄になっているマスクや消毒液や手袋の在庫がありますよ、というお知らせをしています。

  

トイレットペーパーの棚はどのお店も空っぽになってしまいました。

 

スーパーやドラッグストアでは人との1.5メートルの距離を保つために床にテープが張られています。

 

そして4月初旬、家に帰ったらポストに市からの手紙が届いていました。

改めてコロナの現状の説明と規制の順守について書かれてありました。

市民全員に向けてのものです。

 

数少ない癒し

ほんの2週間の間に劇的に変わってしまった生活。

その中で癒しといえば、太陽と自然。

ドイツには街中でも自然が多いのです。

いろんな花が咲く時期なのも目の保養になります。

道端を歩いている野鴨も目の保養です。

 

  

そしてテイクアウトのお弁当たちも数少ない癒しの一つ。

日本人としてやっぱり日本食は元気が出ます。

 

家にいる時のお供はインターネットと電子本。

運動不足は心配ですが、これだけ人との接触を断つ生活を続けていれば

「近いうちにコロナを撃退できるに違いない」と信じています。

 

4月5日現在の世界のコロナ状況と日本・ドイツ

そして4月5日現在。

全世界のコロナ感染者数は122万人を超えました。

そのうちすでに治癒された方は約25万人で、死亡者数は約6万7千名。

残念ながら今でも感染者数は増え続けています。

 

国別ではアメリカの31万2千人強が一番多く、ドイツは世界4番の9万6千人強

中国は感染者数は世界6番目の約8万2千人ですが、ピークが早かったのですでに7万7千名が治っています。

それに比べてアメリカ・イタリア・スペインは大多数がまだ治療中でコロナの動きが活発です。

 

ドイツでは医療施設が充実していることもあり、他国と比較すれば死者が約1400人と感染者数の割に少なく抑えられています。

 

日本の感染者は3100人を超えたところです。

しかしサイトによってタイムラグがあるようで、日本専用のサイトでみるとすでに感染者数は3800人を超えており、前日比で282名増。

東京ではとうとう感染者数が1000人を超えてしまいました。

芸能人やスポーツ選手の間でも感染者が出てきて、まさかという人が亡くなってしまう悲劇もありました。

 

外から見ていると、日本は今が爆発的な拡大を抑えられる最後のチャンスという気がします。

 

ヨーロッパ各国と比較して、日本政府の政策はチグハグに見えてしまいますが、それでもこの感染者数に収まっているのは立派ですし、今の間にできるかぎり抑え込んでほしいです。

経済対策は政府に頼るところが大きいですが、感染拡大防止は政府の対応だけでなく、個々が人ごみを避ける、まめなうがい手洗い、自分の顔をできるだけ触らないなど気を付けることでも充分効果がでます。

 

2週間の自宅待機から戻ったメルケル首相の挨拶

4月5日、新たに何度目かとなるメルケル首相の国民に向けての挨拶が行われました。

係りつけの医者がコロナに感染していたため、14日の自宅待機に入っていたメルケル首相。

数度のコロナ検査の全てが陰性で再び官邸に来ることができたすぐ後の挨拶です。

 

自宅待機の孤独さ、一般ドイツ人の気持ちへの配慮、ドイツ政府の方針などが語られました。

・コロナの勢いはピーク時よりは少し衰えてきているが、まだまだ油断はできないこと、

・今行っている行動制限は少なくとも4月19日のイースター明けまで続ける事、

・いつこの制限を緩めることができるかは状況次第なので今ここでは約束できないこと。

・約束できるのはドイツ政府は統計的数値ではなく、国民一人一人のためにできるだけのことをすること。

・できるだけ国民の健康を守り、なおかつ迅速な経済的支援を行うこと。

 

約11分のビデオの中でそのようなことを話していました。

 

話の内容はもっともですし、行われている対策も真実です。

普段なら「ドイツのペーパー仕事」と揶揄されるくらい書類手続きの多いドイツですが、

今回のコロナ対策の経済支援は素早く、ほぼ無制限に、面倒な手続きなしに行われています。

直接金銭的援助の入金ももう一部では始まっており、家賃や水道光熱費の延長などの措置もすでに行われています。

一人暮らしの病人や年配の方への代行買い物サービスなども必要な地域には行われています。

 

本当に困っている人にすぐ助けが届くようにです。

スーパーでは必要なものが買えます。

一時品薄だったトイレットペーパーも幸い手に入るようになってきました。

 

このような政府対応が行われているので、今のところ国民は行動制限のストレスはあるものの落ち着いています。

今私たちにできることは制限を守り、一人一人ができるだけ感染リスクを減らすための努力をすること。

それが早期のコロナ収束につながります。

 

今は我慢して、世界中の人ができるだけ早く元の生活に戻れることを祈るばかりです。

 

こちらではその後のドイツの様子を違った視線で書いています。

なぜ世界で5番目に感染者数が多かったドイツがいち早く緩和政策を取れたのか。

興味のある方はぜひ読んでみて下さい。

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ハイデルベルク大学修士卒業・ハンブルクの企業で代表を務め、社内ベンチャーで異業種起業をして繁盛店にする。

記事執筆・翻訳通訳・ドイツ語個人レッスン経験あり。

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