もうこれでドイツ語の分離動詞には惑わされません!

ドイツ語の動詞は、実は二つに分かれることがあります。

これを「分離動詞」と言います。

例えば、aufmachen, einsteigen, umziehen などはよく使われる分離動詞です。

 

fujiko-teacher

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今回は分離動詞を中心に、ドイツ語の3種類の動詞の形についてご説明します。

 

とは言っても、動詞の歴史など難しいことを説明するわけではありません。

 

3種類の動詞がそれぞれどんな特徴を持っているのか、実際にどんな単語がどのカテゴリーに入るのかを述べていきます。

 

分離しない動詞(スタンダード)とその特徴

分離しない動詞とは、いわゆる初めに思い浮かべるであろう【普通の動詞】です。

例えば、haben, machen, essen, sagen, nehmenなどがそうです。

 

特徴としては、以下の二つがあります:

  • その単語全体で一つの意味を表す
  • 過去分詞をつくる時→【ge+語幹+t】になる(規則変化の場合)

 

student

student
ん?

その単語全体で一つの意味を表す?

それって、どういうことですか?

fujiko-teacher

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つまり、その単語を分けても意味がない、ということです。

例えば「つくえ」という単語を”「つ」「く」「え」の三つに分けても意味がわからないですよね。

「つくえ」をそのまま覚えないと意味がない。

student

student
あー、なるほど!
fujiko-teacher

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れと同じで、essenを「e」「s」「s」「e」「n」に分けても意味がないということです。

この単語は“essen”全部を覚えて初めて「食べる」という意味を持ちます。

単語を全部覚えないと使えないのです。

student

student
なるほど、よくわかりました!

 

student

student
二つ目の特徴「過去分詞がge+語幹+t」になるというのは、どういうことですか?
fujiko-teacher

fujiko-teacher
ドイツ語の会話で過去形を表すときに、助動詞(haben/sein)と過去分詞を組み合わせるのは知っていますね。
student

student
はい、知っています。

会話では、【助動詞+過去分詞】で過去を表すんですよね。

fujiko-teacher

fujiko-teacher
その通りです。

これらの動詞の過去分詞は、動詞の前にgeをつけて、動詞の語幹、最後にtをつけて作るっていうことです。

student

student
はい、動詞が規則動詞の時には、そのように作ると習いました。

例えば、machenの過去分詞は【ge+mach+t】で”gemacht” ですよね。

でも、それって規則動詞の場合はどの動詞でも同じなんじゃないですか?

fujiko-teacher

fujiko-teacher
お、いい質問ですね。

ところがそうじゃない動詞もあるんですよ。

それがこれから勉強する【分離動詞】や【不分離動詞】なのです。

 

一般動詞の特徴まとめ:

  • その単語全体で一つの意味を表す: “essen” を”e”・”s”・” s “・”e”・” n” に分けても意味がない。
  • 過去分詞をつくる時→【ge+語幹+t】になる(規則変化の場合): machen → gemacht

 

分離動詞とその特徴【ein-,aus-,zu-,um-】などなど

分離動詞とは、その名の通り、二つに分けられる動詞のことです。

aufstehen, einsteigen, umziehenなどはよく使われる分離動詞です。

 

これらの単語はそれぞれ以下の二つの部分から成り立っています。

【aufstehen = auf+stehen】

【aussteigen = aus+steigen】

【umziehen = um+ziehen】

 

auf, aus, umなど、動詞の前についている部分を【接頭辞(せっとうじ)】と呼びます。

意味はそのまま【頭につく言葉】です。

 

分離動詞には、次のような特徴があります:

  • 分離動詞は二つの単語の意味を組み合わせでできている
  • どちらの部分も独立した一つの単語として使える
  • 各パートの意味がわかれば、単語全体を知らなくても意味が推測できる
  • 文の動詞が分離動詞だけの場合、語幹が文の2番目に来て、接頭辞は文末に来る
  • 過去分詞をつくる時→【接頭辞+ge+語幹+t】になる(規則変化の場合)

 

student

student
分離動詞が二つの単語の組み合わせでできているって、どういう意味ですか?
fujiko-teacher

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たとえば、aussteigenという分離動詞は、ausとsteigenという二つの単語の組み合わせでてきています。

ausには「外に出る」という意味があって、steigenには「移動する」という意味があります。

”外に出る”と”移動する”を合わせて、aussteigen【(電車などから)降りる】という意味になるのです。

student

student
あー、なるほど。

aus とsteigenの意味を知っていると、aussteigenを知らなくても、何となく意味が想像つくね。

fujiko

fujiko
その通り。

分離動詞は二つの単語の組み合わせになるから、長い単語になることが多いけど、初めて聞く単語でも、意味の推測はつきやすいでしょ。

 

 

fujiko-teacher

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さらに、ausは前置詞として、steigenは動詞として単独でも使うことができます。

 

 

student

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それから、文に分離動詞ひとつしかない場合、語幹が文の2番目に来るのはわかるけど、接頭辞が後ろに来るってどういう意味?

 

fujiko-teacher

fujiko-teacher
分離動詞では、動詞が語幹と接頭辞の二つに分かれるんです。

例えば「起きる」っていう動詞は”aufstehen”という分離動詞なんですが、

「私は起きる」という場合、“stehen”が文の2番目に、接頭辞の”auf”は分かれて文の最後に来るんです。

【Ich stehe auf】という文になります。

 

student

student
えー、面白い!

だから【分離動詞】っていうんだね。

 

 

 

student

student
あと、過去分詞をつくるgeが文の真ん中に来るなんて変わってるね。
fujiko-teacher

fujiko-teacher
そうですね、これもeinとsteigenの二つの単語でできているからできることですね。

例えば、einsteigenの過去分詞は、ein-ge-stiegenとなります。

student

student
あれ?

最後が”t”で終わらないんですか?

fujiko-teacher

fujiko-teacher
そうですね。

これは、steigenという単語が不規則動詞だからです。

steigenの過去分詞がgestiegenなので、分離動詞でもそのまま使います。

student

student
そっか、過去分詞は、分離動詞の後半部分の過去分詞と同じ形になるんだね。
fujiko

fujiko
その通り!

よくできました!

 

分離動詞の特徴まとめ:

  • 分離動詞は二つの単語の意味を組み合わせでできている: aus+steigen
  • どちらの部分も独立した一つの単語として使える: aus (前置詞)/ steigen (動詞)
  • 各パートの意味がわかれば、単語全体を知らなくても意味が推測できる: aus(外に出る)+steigen(移動する) = aussteigen(降りる)
  • 文の動詞が分離動詞だけの場合、語幹が文の2番目、接頭辞は文末に来る: ich stehe auf
  • 過去分詞をつくる時→【接頭辞+ge+語幹+t】になる(規則変化の場合): aussteigen → ausgestiegen (過去分詞は後ろの動詞steigenの変化と同じ)

 

非分離動詞とその特徴【be-,ge-,er-,ver】など

普通の動詞と分離動詞の他にもうひとつ、非分離動詞というのがあります。

 

student

student
非分離動詞?

それって普通の動詞と何が違うの?

 

非分離動詞というのは、分離動詞と同じように単語の前に【接頭辞】がついています。

 

分離動詞と同じように、接頭辞に少しだけ意味が含まれているものもありますが、それほどはっきりした意味ではありません。

 

そして分離動詞と違い、非分離動詞は、接頭辞だけでは一つの独立した単語として存在できません。

bestellen, gefallen, erfahren,verstehenなどはよく使われる非分離動詞です。

 

非分離動詞は次のような特徴があります:

  • 動詞の前の部分に接頭辞がある
  • 接頭辞と後ろの動詞は分けて使えない
  • 過去分詞をつくる時はgeはつかない→接頭辞+語幹+t【bestellt】

 

fujiko-teacher

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非分離動詞はずーっと昔は分離動詞のように分けて使われたりしたものが、時とともに接頭辞が独立して使われなくなったり、その動詞が消滅したりなどの歴史的背景があると言われています。

今でも使われている非分離動詞はそれほど多くないので、よく使われている動詞だけ覚えれば大丈夫です。

student

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非分離動詞の接頭辞の意味ってどんなものですか?
fujiko-teacher

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非分離動詞の接頭辞として、代表的なものに、be-,er-,ge-,ver-,などがあります。

分離動詞のように全部の接頭辞に意味があるわけではないですが、be-,やer-, など意味や文法上意味をもっているものもあります。

 

非分離動詞の特徴まとめ:

  • be-: 4格の目的語を持つ。時に目的語をとらない動詞を4格の目的語を取る動詞に変化させる: 例 【】antworten →【】beantworten その他 bezahlen, bestellen, begrüßen
  • er-:  新しいこと・変化・始まりの意味を持つ: 例 【花が咲くblühen】→【花が開花する erblühen 】その他 erfahren, erschaffen, erschließen
  • ge-: gefallen, gehören
  • ver-: verlassen, verstehen vergessen, vermeiden

 

fujiko-teacher

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意味はそんなに深く追及しないほうがいいですよー。

追及しだすと、私が大学で勉強した【言語学】という学問になってしまいます。

実用ドイツ語では【ふーん、そんなもんか】で終わらせて、そのまま動詞を覚えるのが得策!

 

3種類の動詞の特徴【まとめ】

今回は、分離動詞と一般動詞、不分離動詞についてご説明しました。

もう一度こちらにすべての動詞の特徴をまとめました。

 

一般動詞の特徴まとめ:

  • その単語全体で一つの意味を表す: “essen” を”e”・”s”・” s “・”e”・” n” に分けても意味がない。
  • 過去分詞をつくる時→【ge+語幹+t】になる(規則変化の場合): machen → gemacht

 

分離動詞の特徴まとめ:

  • 分離動詞は二つの単語の意味を組み合わせでできている: aus+steigen
  • どちらの部分も独立した一つの単語として使える: aus / steigen
  • 各パートの意味がわかれば、単語全体を知らなくても意味が推測できる: aus(外に出る)+steigen(移動する) = aussteigen(降りる)
  • 文の動詞が分離動詞だけの場合、語幹が文の2番目、接頭辞は文末に来る: ich stehe auf
  • 過去分詞をつくる時→【接頭辞+ge+語幹+t】になる(規則変化の場合): aussteigen → ausgestiegen (過去分詞は後ろの動詞steigenの変化と同じ)

 

非分離動詞の特徴まとめ:

  • be-: 目的語をとらない動詞を4格の目的語を取る動詞に変化させるなど、文法的意味を持つ: 例 bestellen, begrüßen, beantworten, bezahlen
  • er-:  新しいこと・変化・始まりの意味を持つ: 例 花が咲くblühen→花が開花する erblühen その他 erfahren, erschaffen, erschließen
  • ge-: gefallen, gehören
  • ver-: verlassen, verstehen vergessen, vermeiden

 

 

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最初は【あ~、動詞には三つの種類があるんだなー】、と思ってもらえれば充分です。

それだけでも、後からの伸び方が全然違いますよ。

 

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ハイデルベルク大学修士卒業・ハンブルクの企業で代表を務め、社内ベンチャーで異業種起業をして繁盛店にする。

記事執筆・翻訳通訳・ドイツ語個人レッスン経験あり。

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