ドイツ語の関係代名詞とその使い方をまとめて解説!

student

student
先生。

ドイツ語って英語みたいに関係代名詞ってあるんですか?

fujiko-teacher

fujiko-teacher
ドイツ語も英語と同じで関係代名詞ありますよ。

せっかくリクエストがあったので、今日は関係代名詞について勉強しましょう。

 

というわけで、今日はドイツ語の関係代名詞とその使い方についてご説明します。

 

 

ドイツ語の関係代名詞【der/die/das】

fujiko-teacher

fujiko-teacher
ドイツ語の関係代名詞の形は名詞の定冠詞とほぼ同じです。

つまり名詞の性によって単数の場合は3種類、そして1種類の複数形にわかれます。

 

student

student
der/die/das” そして複数形の場合は”die”ですね。

 

ドイツ語は全ての名詞が、三つの性、つまり女性名詞・男性名詞・中性名詞にわかれています。 確かに、全部の単語をまず三つのうち...

 

fujiko-teacher

fujiko-teacher
その通りです。

例として「そこに立っている人は○○さんです」

これを名詞の性ごとに表すとこのようになります。

 

  • 男性名詞 Der Mann, der dort steht, ist Herr Meyer. そこに立っている男性はマイヤーさんです。
  • 女性名詞 Die Frau, die dort steht, ist Frau Meyer. そこに立っている女性はマイヤーさんです。
  • 中性名詞 Das Kind, das dort steht, ist Klaus. そこに立っている子供はクラウスです。

マーカーをしたder/die/dasの部分が関係代名詞です。

そしてコンマで区切られた関係代名詞を使った部分(der dort steht)を、関係文といいます。

 

【Der Mann, der dort steht, ist Herr Meyer.】

この文を直訳すると以下のようになります。

 

その男性, そのそこに立っている, はマイアーさんです(直訳)。

コンマの中【そのそこに立っている】が関係文【der dort steht】で表している部分です。

 

関係文を理解するときは、このように考えるとわかりやすいと思います。

 

それを自然な日本語にしたのがこちらの訳です。

→ そこに立っている男性は、マイアーさんです(自然な日本語)。

 

通訳や翻訳でドイツ語を日本語にする場合は別ですが、ドイツ語で関係文を作る場合はわざわざ日本語にする必要はありません。

 

日本語でざっと規則を把握して、あとはドイツ語はドイツ語で考えるのが一番効率がいいです。

これはどの言語でも言えることです。

 

全体を説明したところで、次は関係代名詞・関係文の特徴を詳しく見ていきましょう。

 

ドイツ語の関係代名詞・関係文の特徴

ドイツ語の関係文を使った文は、以下の特徴を持っています。

例 (男性名詞) : Der Mann, der dort steht, ist Herr Meyer. そこに立っている男性はマイヤーさんです。

  • 関係文【コンマで区切った部分(der dort steht)】 がなくても独立した文として成り立つ: Der Mann ist Herr Mayer.
  • 関係文(der dort steht)は独立した文ではない
  • 関係代名詞は関係文の文頭に来る
  • 関係文では動詞が文末に来る: der dort steht (der steht dort とはならない)
  • 関係代名詞(der/die/das)はその直前の単語(先行詞”der Mann”)との関係性を表す: der Mann = der 
  • 二つの文の意味を一つの文で表す: der Mann ist Herr Mayer/ der Mann steht dort (その男性はマイアーさんです/その男性はそこに立っています) → そこに立っている男性はマイアーさんです。

 

特に大切なのは、最後の【二つの文の意味を一つの文で表す】です。

 

Der Mann, der dort steht, ist Herr Mayer.

そこに立っている男性は、マイアーさんです。

 

この文は以下の二つの意味を持っています。

Der Mann ist Herr Mayer. その男性はマイアーさんです。

Der Mann steht dort. その男性はそこに立っている。

 

これを関係文を使うことによって、一つの文で表しているのです。

二つ目文の “der Mann” を繰り返して使うのを避けて、関係代名詞の”der”で置き換えます。

それが関係文の“der dort steht” になります。

 

student

student
関係代名詞を使うと、同じ単語を繰り返さずに、いっぺんに二つのことが言えるのが便利ですね。
fujiko-teacher

fujiko-teacher
そうですね。

便利さが理解できたところで、試しに一つ例文を作ってみてください。

student

student
えーと。。。

Der Mann, der mich gestern auf der Party angesprochen hat, ist Herr Mayer.

意味は「昨日のパーティで私に話しかけた男性はマイヤーさんです。」

fujiko-teacher

fujiko-teacher
その通りです!素晴らしい!

その男性はマイヤーさん/昨日パーティで私に話しかけた男性

この二つを関係文を使ってうまく表現できました。

それだけできれば関係代名詞は充分理解できてますね。

 

ここまでは関係代名詞がいつも1格(主語)の場合ばかりでした。

でも関係代名詞は主語ばかりではなく、他の格でも使えます。

 

1格の関係代名詞の使い方がわかったところで、応用編として他の格の使い方も覚えておきましょう。

関係代名詞はいつも1格(主語)とは限らない

関係代名詞は1格以外の場合にも使います。

 

関係代名詞の格変化は、普段使う指示代名詞のder/die/dasとほとんど同じです。

ただ、2格と複数形の3格だけが違います。

関係代名詞の格変化

            男性    中性  女性  複数

  • 1格 der           das        die      die
  • 2格 dessen dessen  deren  deren
  • 3格    dem       dem      der         denen
  • 4格    den        das         die         die

 

関係文の作り方は、1格の場合とほとんど同じです。

 

それでは実際に例文を見てみましょう。

 

例文: Der Mann, den ich gestern auf der Party angesprochen habe, ist Herr Mayer.

あの男性、私が昨日パーティで話しかけた、はマイアーさんです(直訳)。

→ 私が昨日パーティで話しかけた男性は、マイアーさんです。

 

注目するのは関係文の【den ich gestern auf der Party angesprochen habe】です。

“den”という4格が先行詞である”Der Mann” を表しています。

 

この文は以下の二つの意味を持っています。

Der Mann ist Herr Mayer. その男性はマイアーさんです。

Ich habe gestern den Mann auf der Party angesprochen.

私は昨日パーティでその男性に話しかけました。

 

関係文の作り方:

【Ich habe gestern den Mann auf der Party angesprochen.】 

  • 二つ目の文の”den Mann/その男性に”を関係代名詞の”den”に置き換えます。

→ Ich habe gestern den auf der Party angesprochen

  • 関係代名詞を文頭に持ってきます。

→ den ich habe gestern auf der Party angesprochen

  • 動詞を最後に持ってきます。

→ den ich gestern auf der Party angesprochen habe

 

 

これで関係文の完成です。

最後に前後にコンマをつけて、もうひとつの文である主文に入れ込んで完成です。

Der Mann, den ich gestern auf der Party angesprochen habe, ist Herr Mayer.

 

student

student
そっかー。

関係文の中で【私が男性に話しかけた】だから関係代名詞も4格を使うんですね。

fujiko-teacher

fujiko-teacher
そうです。

日本語だと「私が男性に話しかけた」となるので3格かな、と思うかもしれません。

でも、ドイツ語のansprechen(話しかける)は4格をとる動詞なので、そこは覚えてください。

student

student
もし【男性が私に話しかけた】だったら関係代名詞は1格になるんですよね。
fujiko-teacher

fujiko-teacher
そうです。

先ほど出てきた例題のように、1格の関係代名詞が使われます。

 

ここに両方を並べておきますので、比べるとわかりやすいと思います。

Der Mann, der mich gestern auf der Party angesprochen hat, ist Herr Mayer.

→ 昨日のパーティで私に話しかけた男性は、マイヤーさんです(1格)

Der Mann, den ich gestern auf der Party angesprochen habe, ist Herr Mayer.

→ 私が昨日パーティで話しかけた男性は、マイアーさんです(4格)

 

 

 

student

student
大分わかるようになってきました!

3格と2格の場合も基本は同じですよね!

fujiko-teacher

fujiko-teacher
そうです。

もとの文が何かわかれば、自然にわかるようになってきます。

あとは繰り返し練習して、実践で試してみることです。

 

上級編のおまけ

関係代名詞はここまで勉強してきた以外にも、他の用法でも使うことができます。

 

1.主文が主語でない場合も使える

例 Ich kenne viele Männer, deren Frauen berufstätig sind.

私は【奥さんが職業を持っている】男性をたくさん知っている。

 

2.前置詞と一緒に使える

例 Der Mann, bei dem er wohnt, ist sehr nett.

【彼が下宿している家の】おじさんはとても親切だ。

 

3.前置詞との融合系でも使える

例 Das Haus, worin (= in dem) ich jetzt wohne, ist sehr alt.

【私が今住んでいる家】はとても古い。

 

4.不定関係代名詞(was/何)も使える

例 Alles, was sie gesagt hat, ist wahr.

【彼女が言ったこと】全てが真実だ。

例 Er tringt zu viel, was ihr nicht gefällt.

彼は酒を飲みすぎる【それが彼女には気に入らない】。

 

ドイツ語の【前置詞】と言ったら、何を思い浮かべますか。 今回は、生徒さんからのリクエストでドイツ語...

 

ドイツ語の関係代名詞・関係文まとめ

ドイツ語の関係代名詞・関係文について説明しました。

なんとなくでも理解していただけたでしょうか。

 

ここにもう一度ドイツ語の関係代名詞・関係文について重要な点をまとめます。

 

関係代名詞の格変化

            男性    中性  女性  複数

  • 1格 der         das         die        die
  • 2格 dessen dessen  deren  deren
  • 3格    dem       dem      der         denen
  • 4格    den        das         die         die

 

関係代名詞・関係文の特徴

例 (男性名詞) : Der Mann, der dort steht, ist Herr Meyer. そこに立っている男性はマイヤーさんです。

  • 関係文【コンマで区切った部分(der dort steht)】 がなくても独立した文として成り立つ: Der Mann ist Herr Mayer.
  • 関係文(der dort steht)は独立した文ではない
  • 関係代名詞は関係文の文頭に来る
  • 関係文では動詞が文末に来る: der dort steht (der steht dort とはならない)
  • 関係代名詞(der/die/das)はその直前の単語(先行詞”der Mann”)との関係性を表す: der Mann = der 
  • 二つの文の意味を一つの文で表す: der Mann ist Herr Mayer/ der Mann steht dort (その男性はマイアーさんです/その男性はそこに立っています) → そこに立っている男性はマイアーさんです。
  • 関係代名詞は1格だけでなく他の格にも使う

 

関係文の作り方

【Ich habe gestern den Mann auf der Party angesprochen.】 

  • 二つ目の文の”den Mann/その男性に”を関係代名詞の“den”に置き換えます。

→ Ich habe gestern den auf der Party angesprochen

  • 関係代名詞を文頭に持ってきます。

→ den ich habe gestern auf der Party angesprochen

  • 動詞を文末に持ってきます。

→ den ich gestern auf der Party angesprochen habe

  • 前後にコンマをつけて、主文に入れ込んで完成です。

Der Mann, den ich gestern auf der Party angesprochen habe, ist Herr Mayer.

 

その他の用法

  • 1.主文が主語でない場合

例 Ich kenne viele Männer, deren Frauen berufstätig sind.

私は【奥さんが職業を持っている】男性をたくさん知っている。

  • 2.前置詞と一緒に

例 Der Mann, bei dem er wohnt, ist sehr nett.

【彼が下宿している家の】おじさんはとても親切だ。

  • 3.前置詞との融合系

例 Das Haus, worin (= in dem) ich jetzt wohne, ist sehr alt.

【私が今住んでいる家】はとても古い。

  • 4.不定関係代名詞(was/何)

例 Alles, was sie gesagt hat, ist wahr.

【彼女が言ったこと】全てが真実だ。

例 Er tringt zu viel, was ihr nicht gefällt.

彼は酒を飲みすぎる【それが彼女には気に入らない】。

 

fujiko-teacher

fujiko-teacher
大まかにざっくり覚えた後は、練習あるのみです。

実際使ってみると、あっという間にわかるようになりますよ!

 

あなたもドイツ語を話そうとして、こんな風になったことはありませんか。 私もドイツに来た頃はそうだったの...

 

実用ドイツ語教材

当ブログの人気記事「ドイツ語会話で必要な文法はこれだけでいい!」を改良し、わかりやすくまとめました。

テキスト部分と学習ノートの2部にわけ、例文も盛りだくさんです。

最短で効率よく実用ドイツ語をマスターするために、ぜひお役立てください。

 

ドイツ語会話に最低限必要な4つの文法教えます ドイツ在住・留学、実用ドイツ語会話を今すぐ身に着けたい方へ

オプションで、テキストに関する質問、その他ドイツ生活に関する質問も受け付けています。

 

 

その他教材全一覧はこちらへ。

 

その他、ドイツ語やドイツ生活に関するご希望テキストがあればリクエストを受け付けます。

お気軽にメッセージをお寄せ下さい。

メッセージはこちらへ

ハイデルベルク大学修士卒業・ハンブルクの企業で代表を務め、社内ベンチャーで異業種起業をして繁盛店にする。

記事執筆・翻訳通訳・ドイツ語個人レッスン経験あり。

 COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

ドイツ語表現: 二つの”あなた” ― "Sie" と "Du"

ドイツ語会話で使う二つの過去形【sein/haben+過去分詞】

ドイツ人が使う実用ドイツ語【その時によるよ】3パターン

ドイツ語で”あなたもね”と言いたいとき

サッカー・テニス観戦で選手を応援する時に使えるドイツ語!

ドイツで英語を習ってみる・体験記②