ドイツ語の2つの形容詞【述語的形容詞/付加語的形容詞】

student

student
先生。

ドイツ語の形容詞について教えてください!

fujiko-teacher

fujiko-teacher
ドイツ語の形容詞ですね。

わかりました。

自分からリクエストとは素晴らしい!

 

というわけで、今日はドイツ語の形容詞についてご説明します。

 

とはいっても決して形容変化の“-e”“-en”ばかりの話にはしないのでご安心を。

 

fujiko-teacher

fujiko-teacher
ドイツ語の勉強というより、国語の勉強に近いかもしれません。。。

 

ドイツ語の形容詞は2種類ある【述語的/付加語的】

fujiko-teacher

fujiko-teacher
ドイツ語の形容詞には2つの種類があります。

独立して述語的に使われるものと、名詞を修飾する付加語として使われるものです。

student

student
え?

述語的と・・・付加語的???

また、難しい単語をが出てきましたね。

いったいそれは何でしょうか。

 

形容詞【述語的形容詞】

fujiko-teacher

fujiko-teacher

まず「形容詞」から説明しますね。

例えば「その花は白い」の”白い”は花の色を説明しています。

花を”白い”と形容しているので形容詞と言います。

ここまではいいですか。

student

student
はい、それはわかります。

 

fujiko-teacher

fujiko-teacher
次に”述語的”の意味ですが”述語”というのは「主語がどんな様子(姿かたち)か表すもの」です。

例えば「その花はどんな様子(姿かたち)をしていますか?」

student

student
えーと「白い」姿かたちをしています。
fujiko-teacher

fujiko-teacher
そうですね、その花は”白い”姿かたちをしています。

このように”白い”は主語である”花の”様子を表しているので、述語的形容詞なのです。

わかりますか?

student

student
んー、なんとなく。

ちょっともやっとしています。

fujiko-teacher

fujiko-teacher
簡単に言うと「なにが(は)どうした」で”何が”にあたるのが主語です。

そして「どうした・どんな様子か」にあたるのが述語的形容詞です。

実際に質問してみたらよくわかりますよ。

「花はどんな様子ですか?」

student

student
花は・・・「白い」です。
fujiko-teacher

fujiko-teacher
「何が白いですか?」
student

student
”花が”白いです。
fujiko-teacher

fujiko-teacher
そうですね。

”何が”を表す”花が”が主語で、”どうした・どんな様子か”を表す”白い”が述語的形容詞とわかります。

「どうした・どんな様子か」という質問で主語を説明できるのが【述語的形容詞】です。

 

形容詞【付加語的形容詞】

2つ目の【付加語的形容詞】についてご説明します。

 

fujiko-teacher

fujiko-teacher
「付加語的形容詞」というのは、付加語という単語から想像がつくように、何かに付属している形容詞のことです。

何に付属しているかというと、名詞に付属しています。

student

student
いつも名詞を修飾しているってことですか。
fujiko-teacher

fujiko-teacher
そうです。

「付加語的形容詞」は名詞の状態・様子を詳しく説明するもので、いつも「名詞」に付属しています。

student

student
説明だけだピンとこないので、何か例を出して教えてもらえますか。
fujiko-teacher

fujiko-teacher
例えば「白い花」という表現では、”花”という名詞を”白い”という形容詞が詳しく説明しています。

そして「白い花」という表現を一つの名詞のかたまりとして扱うのです。

この”白い”は”花”の説明の一部で”花”に付属して、ばらばらに使うことはできません。

このように「名詞と一緒になって意味をなす」のが”付加語的形容詞”です。

student

student
具体例があるとわかった気がします。

例えば「大きい車」だと”車”という名詞を詳しく説明している”大きい”というのが付加語的形容詞になるのですね。


その通りです。

先ほどの述語的形容詞と違って、主語が存在しません。

付加語的形容詞は、主語・述語の関係ではなく「白い花」という【形容詞+名詞】全体でひとつの名詞(名詞句)なのです。

ちなみに「付加語的形容詞」は「それはどんな様子か」という質問で、名詞の説明ができます。

「その花はどんな様子ですか?」

student

student
”白い”です。
fujiko-teacher

fujiko-teacher
「その車はどんな様子ですか?」
student

student
”大きい”です。
fujiko-teacher

fujiko-teacher
そうです。

”どんな様子という質問で名詞を説明する”のが「付加語的形容詞」です。

 

主語を修飾するのが「述語的形容詞」名詞の一部として名詞を修飾するのが「付加語的形容詞」という両方の違いが理解できたかと思います。

 

これからは”ドイツ語”の「述語的形容詞」と「付加語的形容詞」特徴をもう少し詳しく説明していきます。

独立できる【述語的形容詞

ドイツ語の述語的形容詞には、以下のような特徴があります。

 

述語的形容詞の特徴:

  • 単独で使える
  • 語尾が変化しない

 

fujiko-teacher

fujiko-teacher
さきほど「その花は白い」は【述語的形容詞】だと勉強しました。

これはドイツ語で【Die Blumen sind weiß】と言います。

“weiß”が白い、という意味で【述語的形容詞】です。

student

student
はい、ここまではわかりました。
fujiko-teacher

fujiko-teacher
そして、weißという部分はそのまま単独で使えます。

例えば【その花どんな花?】と質問されたとき【白い/weiß】と一言で答えることができるのです。

それが【述語的形容詞】の一つの特徴です。

student

student
なるほど。

“weiß”という単語一つで質問に答えることができるから、これは述語的形容詞なんですね。

 

fujiko-teacher

fujiko-teacher
次は二つ目の特徴です。

ドイツ語独特の特徴なのでよく覚えてください。

述語的形容詞として使われる場合、その形容詞は変化しません。

つまり、”weiß”はどんな時でも”weiß”のままなのです。

student

student
え?

それって当たり前のことじゃないんですか?

fujiko-teacher

fujiko-teacher
いえいえ、当たり前じゃないですよ。

例えば日本語だと「その花は白い」を過去形にすると「その花は白かった」となります。

つまり”白い”が”白かった”に変化します。

student

student
あー、ほんとだ。
fujiko-teacher

fujiko-teacher
それがドイツ語の場合は、

【Die Blumen sind weiß】の過去形は

【Die Blumen waren weiß】となり、weißの部分は変化しないのです。

student

student
あー、なるほど!

理解できました!

 

ドイツ語の述語的形容詞特徴:

  • 単独で使える: それはどんな花?  「白い/weiß」(単語一つで答えが成り立つ)
  • 単語が変化しない: Die Blumen sind weiß (その花は白い)/ Die Blumen waren weiß(その花は白かった)

 

名詞と一緒でないと使えない【付加語的形容詞

ドイツ語の付加語的形容詞には、次のような特徴があります。

 

付加語的形容詞の特徴:

  • 名詞を修飾する
  • 単独で使えない(常に名詞と一緒に使われる)
  • 定冠詞と名詞の間に位置する
  • 語尾が名詞の性と格によって変化する

 

fujiko-teacher

fujiko-teacher
先ほど、付加語的形容詞は常に「名詞を修飾する」と習いましたね。
student

student
はい。

「白い花」という表現で、”花”という名詞を修飾している「白い」という部分が【付加語的形容詞】です。

fujiko-teacher

fujiko-teacher
その通りです。

そして付加語的形容詞は「名詞に付加的意味を与える」という特性上、いつも名詞と一緒に使われます。

つまり「付加語的形容詞はあくまで名詞の一部であって単独では存在できない」のです。

student

student
はい、それも先ほど習いました。

「白い花」全体で一つの名詞(名詞句)なんですよね。

 

 

fujiko-teacher

fujiko-teacher
その通りです。

【付加語的形容詞+名詞】を合わせて一つの名詞(名詞句)として扱うので、これだけでは文章として成り立っていないのです。

student

student
そっかー。

付加語的形容詞と名詞の組み合わせだけでは、まだ完成した文章ではないんですね。

fujiko-teacher

fujiko-teacher
その通りです。

【白い花】はただの名詞なので文章として完結していません。

それに比べて、”花は白い”の”白い”は述語的形容詞で、これだけで一つの文章です。

ここに述語的形容詞と付加語的形容詞の大きな違いがあります。

student

student
はい、わかりました。

 

 

ドイツ語の付加語的形容詞【語尾変化】

そして、付加語的形容詞のもう一つの大事な特徴が【語尾変化】です。

この付加語的形容詞の語尾変化がドイツ語の大きな特徴です。

 

fujiko

fujiko
付加語的形容詞として使われる形容詞は、語尾が名詞の性と格によって変化するのです。

例えば「(その)白い花」はドイツ語で【die weißen Blumen】と言います。

語順は【定冠詞+形容詞+名詞】で冠詞はつきますが、日本語と似た語順ですね。

白いはweißですが、その後ろに”-en”がついています。

これが、付加語的形容詞にのみ現れる【形容詞の語尾変化】です。

student

student
うわっ、出た!

面倒なやつだ。

fujiko-teacher

fujiko-teacher
形容詞の語尾変化は、名詞の性と格と数によって変化をします。

【die weißen Blumen】の場合は、「Blumen(花)」は複数形なので形容詞の語尾が“-en”になりましたが、これが単数・複数、名詞の性・格によって変わってきます。

その種類を表した表が、みなさんが嫌う”-e”と”-en”だらけの表のことです。

 

形容詞活用表:定冠詞+形容詞+名詞  男性名詞              中性名詞           女性名詞           複数形
1格 der kleine Mann            das kleine Kind             die kleine Frau         die kleinen Blumen
2格 des kleinen Mannnes   des kleinen Kindes    der kleinen Frau     der kleinen Blumen
3格 dem kleinen Mann       dem kleinen Kind       der kleinen Frau     den kleinen Blumen
4格  den kleinen Mann        das kleine Kind           die kleine Frau        die kleinen Blumen

 

 

student-cry

student-cry
うわー、これ苦手~!
fujiko-teacher

fujiko-teacher
まあまあ、気持ちはわかりますが、よく見てください。

全部で16個あるけど、実は形容詞の変化は-eと-enのたった2種類だけ。

しかもそのうち11個が-enで圧倒的で-eで終わるのはたったの5つだけ。

しかもそのうち、3つは1格で2つが4格。

そして複数形は全部-enです。

【ほとんど-enで単数の1格と4格が-e】って覚えておけば大丈夫ですよ。

student

student
【ほとんど-enで単数の1格と4格が-e】かー・・・

そこだけ暗記しておけば大丈夫か。。。

fujiko-teacher

fujiko-teacher
そうです。

実はたったそれだけなんですよ。

頑張って覚えちゃって!

 

 

付加語的形容詞の特徴:

  • 名詞を修飾する: die weißen Blumen (白い花)
  • 単独で使えない(常に名詞と一緒に使われる)
  • 定冠詞と名詞の間に位置する(定冠詞+形容詞+名詞): die weißen Blumen
  • 語尾が名詞の性と格によって変化する: weiß → die weißen Blumen

 

ドイツ語形容詞【述語的形容詞/付加語的形容詞まとめ】

ドイツ語の2種類の形容詞について説明しました。

なんとなくでも理解していただけたでしょうか。

 

ここにもう一度ドイツ語の形容詞の特徴をまとめます。

 

ドイツ語形容詞: 述語的形容詞/付加語的形容詞

2つの形容詞: 述語的形容詞/付加語的形容詞

  • 「述語的形容詞」: 独立した形容詞として主語を修飾する
  • 「付加語的形容詞」: 名詞の一部として名詞を修飾する

 

述語的形容詞

ドイツ語の述語的形容詞特徴:

  • 単独で使える: それはどんな花?  「白い/weiß」(単語一つで答えが成り立つ)
  • 単語が変化しないDie Blumen sind weiß (その花は白い)/ Die Blumen waren weiß(その花は白かった)

 

付加語的形容詞

付加語的形容詞の特徴:

  • 名詞を修飾する: die weißenBlumen (白い花)
  • 単独で使えない(名詞の一部として常に名詞と一緒) : 【die weißen Blumen】
  • 定冠詞と名詞の間に位置する(定冠詞+形容詞+名詞): die weißen Blumen
  • 語尾が名詞の性と格によって変化する: weiß → die weißen Blumen

形容詞の変化

形容詞活用表:定冠詞+形容詞+名詞  男性名詞              中性名詞           女性名詞           複数形
1格 der kleine Mann            das kleine Kind             die kleine Frau         die kleinen Blumen
2格 des kleinen Mannnes   des kleinen Kindes    der kleinen Frau     der kleinen Blumen
3格 dem kleinen Mann       dem kleinen Kind       der kleinen Frau     den kleinen Blumen
4格  den kleinen Mann        das kleine Kind           die kleine Frau        die kleinen Blumen

 

ドイツ語は全ての名詞が、三つの性、つまり女性名詞・男性名詞・中性名詞にわかれています。 確かに、全部の単語をまず三つのうち...

 

fujiko-teacher

fujiko-teacher
定冠詞がある時の形容詞変化は、実はたったの2つです。

ひとつひとつ考えないでさっくり大まかに覚えた方が頭に入りますよ!

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ハイデルベルク大学修士卒業・ハンブルクの企業で代表を務め、社内ベンチャーで異業種起業をして繁盛店にする。

記事執筆・翻訳通訳・ドイツ語個人レッスン経験あり。

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