外国語を勉強していると「一つ一つの単語の意味はわかるのに全体の意味がわからない!」
と思うことはありませんか?
私もドイツ語を勉強している時、何度も同じことを思いました。
一つ一つの意味は知っているだけに、文全体の意味がわからないのはストレスです。
辞書を調べても一つ一つの意味しか載っていないため、自力ではわからないこともしばしば・・・
運が良ければ全体を一つのイディオムとして辞書に意味が載っていることもありますが、
最後まで意味がわからないこともあります。
今回は私も苦労してそんな文の一つをご紹介します。
【das ist gemein】
です。
最初にこの文の意味、そして次にどうやって私がこの意味を調べて使えるようになったのかを説明します。
ドイツ語【das ist gemein】の意味

【das ist gemein】これは【えー、それはひどい】という意味になります。
発音は「ダス イストゥ ゲマイン」。
強調したい場合は【das ist doch gemein】と、doch を加えても使えます。
誰かのエピソードを聞いてひどい、可哀想と思った場合や、自分が失礼なことを言われた場合などに使います。
ニュアンスでいうと、ものすごく深刻な時や悲劇的な時に使う場合より、どちらかというと軽めの調子、
「えー、それはないよ」とか時には冗談ぽく「えー、ひどいなー」とか「もー、失礼な」
という感じで使います。
ちなみに最初の「えー」や「もー」の部分は「oh」や「ach」などで表現します。
例1
A「昨日残業なしのはずだったのに、終業時間間際に上司が今日中の仕事頼んできたんだよ」
B「えー、それはひどいね」(Oh/Ach, Das ist gemein.)
例2
A「今日小包の配達午前中に来るはずだから待ってたのに、結局来なかったんだよー」
B「えー、それはひどい話だね」(Oh/Ach, Das ist gemein.)
例3
A「ごめん、ちょっと部屋が散らかってるかも」
B「全然気にしてないよ、いつもの事じゃん(笑)」
A「えー、ひどい(笑)、いつもはもっときれいだよ~」(Oh/Ach, das ist doch gemein. Normalerweise ist das noch sauber.)
ドイツ語【das ist gemein】の意味
それでは実際、最初に私が「das ist gemein」という表現に出くわしたとき、どうやって意味を調べたのか、そしてどういう手順で自分で使えるようになるまで習得したのかご説明します。
このような表現は机の上で教科書で勉強していてもなかなか出てきません。
私がこの表現に最初に出くわしたのは、ドイツ人と会話している時でした。
一つ一つの単語は知っているのに全体の意味がわからない。。。
でもそれまでの話の流れや話し手のジェスチャーから“あまりいい意味ではなさそう”だという事は伝わってきます。
そこで頭の中でまず【das ist gemein】を一つずつの単語に分解しました。
“das”の意味は簡単に言うと「これ」になります。
“ist”の意味は英語のbe動詞と同様なので「~は」です。
問題は”gemein” です。
私は最初これは「meinen (思う/意図する)」という動詞の派生語かな、と思いました。
でもそれだと「それは意図する・・・何を???」となってしまい、意味が通じません。
そこで後から”gemein”を辞書で調べました。
辞書には大きく分けると二つの意味が載っていました。
1.普通の、並みの、よくある
2.ひどい、腹立たしい
とすると、「das ist gemein」の意味は
候補1.「それはよくあることだ」
候補2.「それはひどいことだ」
のどちらかになりそうです。
そして、実際ドイツ人との会話した時の内容やニュアンスを思い出します。
そして思い出すのは、いつもあまりよい意味で使われていなかった、という事実。
そこから「das ist gemein」→「それはひどいことだ」というニュアンスで使われている、ということがわかったのです。
理解した後は練習あるのみ
一度自分の中で腑に落ちればあとは練習あるのみ。
本当にこの使い方があっているかドイツ人のタンデムパートナーに聞いたり、
実際のドイツ人の会話で使ってみたりして覚えていきます。
そうして細かいニュアンスやあまり深刻な場面では使われていないということなどがわかってきました。
こうやって私は視覚・聴覚・独学・実践など五感と色々なシチュエーションの多方面からの刺激の合わせ技でこの言い回しを習得していったのです。
Das ist gemein → それはひどい
理解と習得のステップ
- 机の上で勉強して知っていた単語の意味
- 実際にドイツ人との会話
- 辞書で疑問点を調べる
- 実際に会話で使ってみる
もちろんこの方法は「das ist gemein」だけでなく、他の表現の習得にも使えます。
みなさん、ぜひ試してみて下さい。
実は英語も全く同じ用法
この用法、実は英語でも全く同じ使い方をしていました。
英語で”mean”は「意味」という意味ですが、「It’s mean」だと「それは意味???」ってどういう意味???となってしまいますよね。
実はこれはドイツ語の「Das ist gemein」と全く同じで「それはひどい」という意味だったのです。
ドイツ語/英語共通の使い方:
- 英語: It’s mean → それはひどい
- ドイツ語: Das ist gemein → それはひどい
ミニ知識として知っておくといつかどこかで役に立つかもしれません。
今後もこのカテゴリーでは辞書ではわからないドイツ語の解説をしていきます。
ドイツ語は英語に比べて文法がややこしい、と言われています。
確かにざっくり見てもドイツ語には英語にないこれだけの文法上の決まりがあります。
★名詞に女性名詞・男性名詞・中性名詞の3つの性があること(英語にはない)
★主語によって動詞の形容が変わること(英語には3人称単数のsのみ)
★様々な形の複数形が存在すること(英語の複数形はsが大半)
★形容詞の形も変化すること(英語は変化なし)
★てにをは、によって定冠詞と不定冠詞が変化する(英語はtheとa/anのみで変化なし)
ここでつっかかってドイツ語学習を挫折してしまう人が多いのも事実です。
しかし、それではもったいなすぎる。
日常ドイツ語でこれらをすべて覚える必要はありません。
それではどれを覚えればいいのか???
ドイツ語の日常会話で最低限覚えればいい文法とは?
私はその一定の答えを出しました。
ドイツ語学習中の方、またはこれからドイツ語学習を始めようと思っている方はまず最初にこの記事をご一読下さい。
今後のドイツ語の学習効率があがると思います。
当ブログの人気記事「ドイツ語会話で必要な文法はこれだけでいい!」を改良し、わかりやすくまとめました。
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ハイデルベルク大学修士卒業・ハンブルクの企業で代表を務め、社内ベンチャーで異業種起業をして繁盛店にする。
記事執筆・翻訳通訳・ドイツ語個人レッスン経験あり。
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