2022年2月25日、この日ロシアのウクライナへの軍事攻撃が始まりました。
まさかと思っていた出来事が起きてしまい、当事者のウクライナとロシアはもちろん
世界中がその対応に大混乱の時期。
ウクライナの被害に胸を痛めつつ、私の頭をよぎったのは
【欧州アジア間の飛行機は無事に飛ぶのか?】という現実的な問題。
実は3月中旬から約3週間ドイツから日本帰国を予定していたのです。
結論をいうと私の予約した3月中旬のフライトは時間変更はあったものの無事に飛びました。
しかしロシア上空を避けての飛行ルートで、飛行時間は当初予定の11時間強から約2時間の延長で13時間35分になりました。
その実体験を踏まえ、今回はコロナ渦のドイツから日本へ帰国達成までの流れと、私が思うベストな準備方法と時期、今回経験した飛行ルートや羽田空港の様子を簡単にご紹介します。
使った航空会社はルフトハンザとANAのコードシェア便、フライト場所はフランクフルトー羽田です。
ドイツー日本帰国までの流れ
今回の帰国は2022年3月中旬ですが、元々は2021年12月、
家の都合でドイツから日本への一時帰国を予定していました。
しかし突然のオミクロン株に伴う日本政府のコロナ水際対策強化により隔離期間が一律14日間に変更。
この時期の取得可能な休暇が最長14日間だった私は検討の末、泣く泣く帰国を延期。
次こそはと14日間の帰省予定を1週間延長し、その間に3回目のワクチン接種も済ませ、
万全の準備を整え3月中旬の帰国を心待ちにしていたのです。
幸いオミクロン株の性質は弱性と解明され、世界でも突出して厳しかった日本の水際対策も
欧州並みとは言わないまでも緩和方向へ。
特に3月からは一気に緩和が進み、一定の条件下では
自主隔離期間ゼロ日まで短縮されました。
ちょうど私が帰省のタイミングで14日の待機がゼロ日になるという完璧な流れ。
あまりに出来過ぎのタイミングに思わず、去年10月の緩和からオミクロンで一気に落とされた12月帰国時の情景が甦り【何か罠があるのでは。油断禁物。直前まで新株発生とかPCR検査陽性で飛べないとかの可能性は否定できないぞ。】と気を引き締めた矢先。
ロシアウクライナ事件勃発。
まさかこのご時世にこんな近くで戦争が起きるとは!
コロナのじんわり真綿で首を絞められる苦痛と違い、戦争は即命に関わる大問題。
コロナ問題はもとより自身のプライベート生活は数日間意識の外に追い出されました。
とはいっても数日で停戦は不可能、即終了できる事態ではないとわかってきて、
だんだん自分の日本行きの事が気になってきました。
【ロシアウクライナ問題】欧州ー日本間の飛行機
ロシアの攻撃が開始された2月25日(現地時間)から数日間、フランクフルトー羽田間の飛行機が途中でドイツに引き返す、フィンエアー日本行き当面全便欠航、欧州アジア便ロシア上空避け飛行ルート見直し、などの記事が目につくようになりました。
私が今回の日本行きに選択したのはルフトハンザとANAのコードシェア便フランクフルト羽田行き。
オンラインで旅行エージェントのサイトから予約したものです。
ロシアのウクライナ攻撃開始から数日経過、旅行エージェントからはまだなんの連絡もありません。
問い合わせの電話をしたとて1時間以上の待ち時間必須、しかも問題解決まで数日かかる事も珍しくない事は、12月に飛行機変更依頼の実体験とこれまでの長いドイツ生活で身に染みています。
しかも仮にそれだけ時間をかけて旅行エージェントに電話が通じたとしても、
今の状態では彼らも飛行機会社に問い合わせるのが関の山、つまり問い合わせても
何の意味がない事もわかっています。
飛行機会社からフライト変更の連絡があれば旅行エージェントからすぐ私に知ら
せが来ます。
それがないという事はエージェントもまだ何もわからない状態という事。
というわけで現段階で私ができるベストは飛行機会社のサイトにアクセスして
私が乗る便のフライト情報を調べる事。
ルフトハンザのオンラインサイトに飛び情報収集すると、幸い私の予約コードでアクセス可能、今のところ私の便は予定通り運行となっていました。
これでひとまず安心。
もし今後フライト変更があるなら私に連絡が来るでしょうし、
連絡なければ予定通りという理解であとは静観です。
旅行エージェントから連絡
と思って更に数日経過した3月初旬。
旅行エージェントから私に【重要メール】のメールが届きました。
日本行きフライトの変更のお知らせです。
どんな変更内容なのかドキドキしながら添付ファイルを確認すると、幸いな事にフライトの日にちは往復ともに変更なし。
ただ往路のデュッセルドルフーフランクフルト、フランクフルトー羽田間の出発時間が
約6時間ずつ前倒しされていました。
当初はお昼にデュッセルドルフを出発して約50分でフランクフルト着、同日夕方6時ぐらいにフランクフルト発羽田へ向かう予定でした。
それがデュッセルドルフーフランクフルト行きはお昼から早朝6時過ぎ発に変更、約50分の飛行時間は変わらず。
夕方出発予定だったフランクフルトー羽田行きはお昼の12時過ぎ発のフライトに変更になりました。
出発が約6時間早まったことでデュッセルドルフ空港まで始発の公共交通機関では間に合わず、初のタクシーに乗る事になりますが、そんな事は大した問題ではありません。
せいぜいタクシーアプリでも新しく入れればいい話。
幸い自宅は空港からさほど離れていないのでタクシー代も高額にはなりません。
それよりも旅行エージェントから正式な変更情報が来た事、日程の大きな変更がない事にほっとしました。
【変更の日程で都合が悪い場合は5日以内にお知らせ下さい】と但し書きがありましたがもちろん連絡はせずそのまま変更後のフライトをキープです。
旅行の事前準備
この連絡が来た時点で日本行きは約10日後に迫っていました。
今やっと独日間のフライトが確定した状態です。
昨年2021年の12月に今回の3月の日本行きを決めて以来、ドイツー羽田へのフライトのみ確保した状態で、それ以外の細かい準備は頻繁にアップデートされる日本政府のコロナ水際対策に適応するため直前まで全て保留にしていました。
水際対策の大きな変更が大方発表になり、流石にそろそろ詳細を詰めようとした2月最終の週末。
今度は突然起きたロシアウクライナ問題のため再び世界中が大揺れ、日本行き自体が危うくなり、詳細詰めはもう一週間延期にして様子をみていました。
(ドイツは日帰りで隣国に遊びに行かれるくらい自由なのに、有事の場合日本は本当に遠くなる…と実感しながら)
そして出発約10日前の今日、日本行きフライトの変更案内が来た事によって、やっとこの先の準備を始める事ができるようになりました。
直前まで何も準備しないで大丈夫なのか?という不安が若干あったのですが、今回問題なく日本行きが実現できたら、「実はその気になれば10日前に思い立てばドイツから日本に帰れちゃう」って事を証明する事になります。
日本行きの準備って一体何?
コロナ騒動が起こるまでも日本を含め数えきれないほど飛行機に乗った私ですが、以前は事前準備を怠りませんでした。
しかしコロナ騒動が起きてからは事前に準備してしまうと、ルール変更が起きた時に予約のキャンセルや変更が非常に面倒な事を何度も身を持って体験しました。
変更に一体どれだけ時間を使ったかわかりません。
そんな大変な変更の手間と比べて、新規申し込みは直前でも恐ろしく簡単。
【それなら直前までは最低限のフライトのみ確定しておいて、あとは事前準備なんてやめて、全部直前に状況に応じて予約すればいいや】というマインドに変わるのはすごく自然な流れです。
とは言っても準備にも色々種類があります。
ものによっては準備に多少時間がかかるものもあるでしょう。
そもそも細かい準備とは一体何なのか。
考えた結果、私にとって前もって必要な準備は日独間のフライトのみ、あとは直前で大丈夫という結論になったのでした。
日本行きの準備リスト
それでは私が実際フライト直前にした準備とは一体何か。
ここにリスト化します。
- コロナPCR検査の予約(出発3日前の19時に予約を入れる。検査場所はデュッセルドルフ空港、ドイツと日本用のダブルフォーマットサービスを選択。検査結果24時間以内。支払い予約時にクレジットカード。価格79ユーロ。結果の受け取りはメール)
- 日本入国用アプリインストール。3月に出たMYSOSの最新機能ファストトラックによってドイツにいながら日本入国準備完了。アンケートに答え最後にPCR陰性証明書の写真をアップし、最終的にMYSOSサイトの色が赤から緑に変わればコロナ水際対策完了という優れもの。
- 水際対策の自主隔離ゼロ日を受け、東京と札幌滞在の日程を決定、羽田ー札幌間飛行機予約。
- 日本滞在中のポケットWi-Fi予約。羽田空港受渡し。
- 日本で換金用のユーロを手元に用意
- 日本で会いたい人達に連絡。
- 日本用お土産購入
実のところ準備はこのたった7つだけ。
しかもなんなら後半の数個はどうしても必要というわけでもない。
結論からいうと、コロナPCR検査の予約も、日本水際対策に必要な準備も簡易化されて事前の3月に新規導入になったMYSOS搭載ファストトラック機能で楽々完了、札幌羽田航空券も直前でも程々の価格で購入、これら全てオンライン作業で必要最低限の準備時間はのべほんの数時間で完了したのでした。
唯一ネットではなく実際に行動した空港でのPCR検査も待ち時間もほとんどなく、検査から24時間後の検査結果を選択したにもかかわらず、実際は12時間ほどで結果メールが届きました。
たった一つの懸念点
そんなこんなで、完璧で怖すぎるくらいのタイミングでスムーズに物事が進んだのですが、
ただ一点ドキドキした場面がありました。
それがPCR検査の結果待ちの時。
前述した通り結果メールはすぐ届いたのですが、アプリの不具合なのかリンク先の結果を見ることが出来ませんでした。
電話で事情を説明し、結果をもう一度メールでpdfファイルで送ってもらう事になるのですが、
ちょうどこの数時間の待ち時間に、あるライングループのお仲間達から次々とコロナ陽性連絡が届くのです。
ドイツではこの時期行動規制もほぼなくなり、私達はほぼコロナ前と同じような生活をする事ができます。
その一方感染者数が減ったわけではないので、誰がいつコロナになってもおかしくありません。
私も普段は仮に自分が陽性になっても「家で大人しくしていればいいだろう」とそこまで気に留めません。
ただ今は日本行きがかかっています。
陽性ではたとえ無症状だとしても日本に飛べません。
このタイミングで次々と陽性連絡が来るのを見た時は、自分のPCR結果が出るまで気が気ではありませんでした。
【出来過ぎた完璧タイミングのフラグここで回収、まさか日本に行かれないの!?】と真っ青になりました。
そんな目で自分の体調を観察すると、単なる旅行前の寝不足のせいだと思っていた疲れもコロナの症状のように感じてきます。
数時間後に無事に陰性の結果表示を確認した時は本当に嬉しかったです。
あとはスーツケースに適当に荷物を詰めて飛行機に乗るだけ。
今回は羽田からそのまま直接札幌に飛ぶので身の回りの物とお土産を入れれば終わり。
ホテルの自主隔離もないので前回の去年7月のコロナ渦の帰国に比べて本当に楽になりました。
通常より2時間長いロシア上空回避の飛行ルート
日本行き当日は予定通りアプリで予約していたタクシーに乗り込み、デュッセルドルフの空港に到着。
ドイツではPCR陰性証明を見せた覚えがなく、早朝という事もあり手続きの待ち時間もほぼなし。
余裕を持ってフライトの2時間前に到着した私はデュッセルドルフ空港のフランクフルト行きのゲート前で
かなり時間を持て余しました。
iPadにたまたまダウンロードしたばかりでまだ読んでいなかった本があったので、
ラッキーと思いながらそれを読んでいました。
デュッセルドルフからフランクフルトへの飛行機は予定通り出発。
飛行時間も予定通りたったの50分であっという間に到着。
ここでまた日本行きの飛行機まで数時間の待ち時間。
久しぶりのフランクフルトですが、空港ではお昼を食べたくらいであとはのんびり
本の続きを読んでいました。
ドイツの無期限ビザを持っているせいか、入国審査でもPCRの結果の提示もなく楽々通過。
コロナ前とほぼ変わらない雰囲気でした。
唯一違うのは飛行機内でのマスク着用くらいでしょうか。
フランクフルトから羽田へ
フランクフルトから羽田への飛行時間は13時間35分の予定です。
ロシアウクライナ問題勃発の前のフライト時間は11時間強だったので、約2時間長くなっています。
ロシア上空の飛行を避けた事で生じた変化です。
もともと飛行機でのフライト中はほぼ寝ている私。
今の状況でキャンセルになったフライトも多い中、自分の飛行機が無事に飛んで日本に帰れるだけで嬉しいので、飛行時間2時間延長くらいなんでもありませんが、飛行機で眠れない人や時差ボケがひどい人などは辛いかもしれません。
これが今回の飛行ルートです。
フランクフルトから東京に向けてまっすぐ東へ進むのが最短ルートですが、フランクフルトから不自然に南下しているのがわかります。
別角度から見たもの。モスクワを避けているのがわかります。
更に別角度から細部を見るとこんな感じ。
ここが変則南下ルートから通常ルートに戻るための北上ポイントのようです。
飛行機は便数が削減されているせいか、結構混んでいました。満席に近かったと思います。
食事以外はマスク着用を除けばあとは特に規制はありませんでした。
羽田到着
通常より約2時間長い飛行ルートではあるものの飛行機は無事に時間どおり羽田に到着。
空港到着からの入国審査もスムーズ。
事前に準備したMySosアプリのファストトラック効果か、緑に光るアプリの結果の見せれば、羽田でも一度も陰性証明等の紙媒体の証明を見せることなく、40分ほどでチェックと空港でのコロナ検査終了。
更にコロナ検査の結果が出るまで30-40分待機。陰性の結果とともに通常の入国手続きのエリアへ。
すでにスーツケースは到着しており、全て床に並べられていました。
全過程終了するまでにかかった時間は90分ほどでしょうか。
去年の日本帰国時と比べてもかなりスムーズだったと思います。
頻繁に状況が変わる状態ではありますが、この情報が少しでもこれからドイツから日本行きを予定している人の参考になればと思います。
去年の日本行きの様子はこちら。
ドイツで快適な生活を送るために
ドイツ、特にデュッセルドルフで生活しているとドイツ語なしでも生きていく事はできます。
とはいってもドイツで生活していてドイツ語ができて損をする事はひとつもないのも事実。
日本で日本語を話すのが当たり前のように、ドイツでドイツ語を話すのは普通のこと。
ドイツ語でドイツ生活を送りたいと思う事はないですか。
もしあなたが少しでもそう思っていたら、一度私が書いたこの記事を読んでみて下さい。
更にドイツ語をもっと学びたいという方はこちらもぜひご一読下さい。
https://coconala.com/services/651103
当ブログの人気記事「ドイツ語会話で必要な文法はこれだけでいい!」を改良し、わかりやすくまとめました。
テキスト部分と学習ノートの2部にわけ、例文も盛りだくさんです。
最短で効率よく実用ドイツ語をマスターするために、ぜひお役立てください。
ドイツ語会話に最低限必要な4つの文法教えます ドイツ在住・留学、実用ドイツ語会話を今すぐ身に着けたい方へ
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ハイデルベルク大学修士卒業・ハンブルクの企業で代表を務め、社内ベンチャーで異業種起業をして繁盛店にする。
記事執筆・翻訳通訳・ドイツ語個人レッスン経験あり。
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