英語すらできないのに、ドイツ語できるようになるなんて無理だよ~(>_<)。
だって、ドイツ語って英語より難しいんでしょ。
そう思っている人がたくさんいますが、本当にそうなんでしょうか。
今回は、本当にドイツ語は英語より難しいのか、検証してみましょう!
ドイツ語が英語より難しそうな点
みなさんがドイツ語が英語より難しいと思われるのは、大体以下の点ではないでしょうか。
ドイツ語が英語より難しい点:
- 名詞に三つの性がある
- 冠詞が格によって変化する
- 形容詞が活用する
- 主語によって動詞の語尾が変化する
それでは一つ一つの点について検証していきましょう。
1.名詞に三つの性がある
ドイツ語の名詞は、英語と違って、男性名詞・女性名詞・中性名詞の三つにわかれます。
ドイツ語の名詞の三つの性:
男性名詞 der Onkel (定冠詞1格+男性名詞)
女性名詞 die Frau (定冠詞1格+女性名詞)
中性名詞 das Kind (定冠詞1格+女性名詞)
名詞の前についている、der・die・dasというのは、英語の”the”に当たるものです。
英語は”the”一つしかないのですが、ドイツ語の場合、それが名詞のそれぞれの性ごとに、三つ(der・die・das)あるのです。
これだけで、すでに英語の3倍ありますね(=_=)・・・
2. 冠詞が、格によって変化する
しかも、ドイツ語の名詞の前につく”冠詞” – “der・die・das”、実はこれだけでは終わりません。
ドイツ語には、”格”というものがあるからです。
英語には、日本語と違って、「てにをは」を表す単語はありません。
英語では「てにをは」は、単語を変化させるのではなく、語順で表現するからです。
しかし、ドイツ語では、日本語と同じように「てにをは」を表す単語があります。
それを「格」と呼んでいます。
1格(主格・~は)
2格(所有格・~の)
3格(目的格・~に)
4格(目的格・~を)
先ほどの3つの性の定冠詞、実は、それぞれの4つの格ごとに変化をするのです。
表にするとこうなります。
名詞(単数形) 男性名詞 女性名詞 中性名詞
単語 例 叔父 女性 子供
1格(主格・~は) der Onkel die Frau das Kind
2格(所有格・~の) des Onkels der Frau des Kindes
3格(目的格・~に) dem Onkel der Frau dem Kind
4格(目的格・~を) den Onkel die Frau das Kind
英語だと”the”一つですむのに、ドイツ語だと12個もあるの!?
ほら、やっぱりドイツ語の方が難しくて、面倒だよ~(-_-;)!
うっ。。。
(実はこの他に複数形もあるなんて、言えない(-_-;)…)
3.形容詞が活用する(名詞の性と格によって変化)
しかも、それだけではありません。
そこに、形容詞が加わると、ドイツ語では、形容詞までが変化をするのです。
それがこちら。
形容詞 例 原形 schön 素敵な
名詞(単数形) 男性名詞 女性名詞 中性名詞
意味 素敵な叔父 素敵な女性 素敵な子供
1格(主格・~は) der schöne Onkes die schöne Frau das schöne Kind
2格(所有格・~の) des schönen Onkels der schönen Frau des schönen Kindes
3格(目的格・~に) dem schönen Onkel der schönen Frau dem schönen Kind
4格(目的格・~を) den schönen Onkel die schöne Frau das schöne Kind
多すぎて、もうクラクラしてきたよ~(@_@。。。
ドイツ語覚えるなんて、もう無理~~~(>_<)。
いや、でもちょっと待てよ。
形容詞の変化って、よく見たら“-e”と“-en”の二つだけじゃん?
これだけなら、なんとかなるか・・・
よく気が付きましたね~(^^)。
そうなんです、実は、定冠詞と名詞の間に来る形容詞は、たった二つのパターンだけなんですよ。
いやいや、みんな騙されてるよ~~~。
これだけで、充分多いってー(@_@)。。。
4. 主語によって動詞の語尾が変化する
ここまでは、名詞と名詞に前につく定冠詞と、その間につく形容詞の活用の話でした。
つまり、全部”名詞句”の中の話でした。
しかし、語尾が変化するのは、名詞だけではありません。
実は、ドイツ語は、動詞も変化するのです・・・
まず、ドイツ語の主語には、一人称(自分)と二人称(相手)と三人称(第三者)の3種類があります。
これは英語と同じです。
みなさん、英語には「主語が三人称単数の時、動詞には”s”をつける」というルールを覚えていますか。
そう、テストでよく忘れて×をもらった、あの三人称単数現在の”s”ですw。
ドイツ語でも、動詞の語尾が主語によって変化します。
しかも、英語のように三人称単数だけではなくて、すべての人称で変化するのです!
こちらが動詞の変化表になります。
動詞の変化表: 例 動詞 kennen の場合
単数 複数
一人称 ich kenne wir kennen
二人称1 du kennst ihr kennt
二人称2 Sie kennt Sie kennen
三人称 男性名詞/女性名詞/中性名詞 男性名詞/女性名詞/中性名詞
単数形 er/sie/es kennt 複数形 sie kennen
(二つの二人称”Du”と”Sie”についてはこちら:)
緑でマーカーした部分が、動詞の変化する部分です。
もー、全てにおいて、ドイツ語って英語より難しい所しかないじゃん!
いやいや、もうちょっと待って。
そればっかりじゃないから。
ドイツ語が英語より簡単な点
みなさん、やる気を失わないで!
ここまでは、英語よりドイツ語の方が難しい点ばかりでしたが、ドイツ語の方が英語より簡単なこともあるんです!
ドイツ語の時制は日本語と同じ
ドイツ語が、断然英語より簡単な、とても重要なポイント。。。
それは・・・
時制です!
あー、時制って、未来形・現在完了・過去完了・進行形・過去形・・・
英語で苦労したなあ。。。
そうです、その時制!
ドイツ語では、時制で悩む必要がないのです!
これは日本人にとって、すごく大事なポイントですよ。
日本語の時制と、ドイツ語の時制の使い方は、ほとんど同じなんです。
実はドイツ語では、現在完了形を口語での過去形として使っています。
例 Ich habe das gemacht. 私はこれをした。
これは形は、英語でいう現在完了形ですが、意味は過去形です。
ドイツ語では文法的な現在完了形や進行形の概念はありません。
日本語とほぼ同じです。
それでは過去形はどこで使うのか、というと、文書の中で使われます。
例 Ich machte das. 私はこれをした。
話ことばの現在完了形と同じで、過去の意味として使われます。
それでは進行形や完了の意味を表したい時はどうするのか、というと、日本語と同じで、そのまま副詞的にその単語を加えます。
例 Ich habe gerade das gemacht. 私は”今”これをした。
単に”今”という意味の”gerade”を入れるだけです。語尾の変化も何も必要ありません。
私は”昨日”これをした、にしたければ、geradeの代わりに、昨日-gestern-を使えばいいだけです。
例 Ich habe gestern das gemacht. 私は”昨日”これをした。
日本語と同じ使い方なので、英語より簡単でしょ?
そうなんです(^.^)。
更に、合わせてこれを読むと、ドイツ語の時制が、英語に比べてどれほど簡単かわかります!
あー、それなら何とかなるかも!
ほんのちょっとだけ、希望が湧いてきたかもしれない。。。
ドイツ語の発音はカタカナ読み
さらに、発音!
ドイツ語は発音が英語より簡単!
英語でせっかく話しても通じなくて、がっかりしたことありませんか?
ドイツ語だったら、発音でそんな目にあう心配はないですよ。
ドイツ語の発音は、英語よりカタカナ読みに似ています。
発音のコツ:
英語を一度忘れて、ドイツ語の単語をそのままカタカナで発音すると、オリジナルに近い発音になります。
ここに思いついた単語を並べます。
machen マッヘン 動詞 ~する
lernen レルネン 動詞 習う
Foto フォト 名詞 写真
Tisch ティッシュ 名詞 机
Tasse タッセ 名詞 カップ
Bild ビルドゥ 名詞 絵
いかがでしょうか。
アルファベットをそのままカタカナ読みにしたのと似ていませんか。
これを読むと、ドイツ語の発音の簡単さがわかります。
更に、ドイツ語は名詞は大文字で書くと決まっています!
つまり、文書を読んでいる時、大文字で書かれたものは名詞だ、とすぐにわかるので、英語の文章よりわかりやすいんです。
これを読むと、名詞の見つけやすさが、どれだけ文の理解を早めるかわかります。
ドイツ語習得の対策法
質問。
時制や発音など、ドイツ語の方が英語より簡単な面があることは理解しました。
でも、だからといって、ドイツ語の名詞の三つの性を覚えることや、たくさんある形容詞や動詞の活用を覚えないといけないことには変わりないんですよね。
それじゃ、やっぱりドイツ語は難しい言語ってことに変わりないと思う。
お、いいところに気が付きましたね。
でも、実は名詞の性や、形容詞の活用を覚えるには、コツがあるのです。
えー、どうすればいいの?
そんな方法があるなら教えて~!
その秘密は・・・
動詞の活用も、形容詞の活用も、全部覚える必要はありません。
必要なところから覚えていけばいいんですよ。
どこが必要なところなの?
お願い、教えて!
名詞の活用、覚えるべき所はここ!
これは、名詞だけではなくて、形容詞の語尾変化についても応用できます。
そして、動詞についてはこちら!
さっき時制の所でも出てきたけれど、よい復習になりますよ。
まとめ: ドイツ語は英語より難しいのか
1.ドイツ語の難しいと言われている、名詞の性や、形容詞や動詞のたくさんの活用は、上手にコツを使って、必要最低限だけ覚えるべし。
2.ドイツ語は、時制や発音に関してはやさしい言語
つまり、ドイツ語は時制や発音が簡単だから、学ぶのも英語より簡単。
そして、英語より難しいと思われる部分は、コツを使って上手に必要最低限だけ学べばいいから、うまくすればそれほど大変てわけじゃない。
つまり、英語に比べてもドイツ語がすごく難しいわけじゃないと思うんだけど、どうかな?
うーん。。。
そうかもしれないね。
これから頑張って、勉強してみるよ(^^)!
補足
今はネットで色々な情報が探せるけれど、ドイツ語を勉強するには、やっぱり手元に一冊辞書があった方がいいですよ!
私はこれでドイツ語を習得しました。
辞書はこの一冊で充分です。
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語学は使ってなんぼ。
使えば使うだけ、早く慣れますよー。
省エネ、最短で、使えることだけ覚えよう!
ドイツで生活していると、わからない事がたくさん出てくると思います。
ドイツ語やドイツに関して知りたい事があったら、コメント欄にリクエストしてね。
当ブログの人気記事「ドイツ語会話で必要な文法はこれだけでいい!」を改良し、わかりやすくまとめました。
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その他、ドイツ語やドイツ生活に関するご希望テキストがあればリクエストを受け付けます。
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ハイデルベルク大学修士卒業・ハンブルクの企業で代表を務め、社内ベンチャーで異業種起業をして繁盛店にする。
記事執筆・翻訳通訳・ドイツ語個人レッスン経験あり。
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